第23回原子力委員会臨時会議議事録(案)
1.日 時 1998年5月8日(金)10:30〜11:15
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
資源エネルギー庁原子力発電安全企画審査課
小嶋統括安全審査官
日本原子力研究所大洗研究所
藤城所長、田中高温工学研究炉開発部長
(事務局等)伊藤原子力調査室長
吉舗専門委員
研究技術課 斉藤
資源エネルギー庁原子力発電安全企画審査課 結城、小山
日本原子力研究所 土尻
原子力調査室 松澤、杉本、池亀
- 4.議 題
- (1)日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の設置変更(1号及び2号原子炉施設の変更)について(一部補正)
- (2)高温工学試験研究炉(HTTR)の進捗状況について
- (3)その他
- 5.配布資料
- 資料1-1 日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の設置変更(1号及び2号原子炉施設の変更)について
資料1-2 日本原子力発電株式会社敦賀発電所原子炉設置変更許可申請(1号及び2号原子炉施設の変更)の一部補正の概要について
資料2 高温工学試験研究炉(HTTR)の進捗状況について
資料3 第22回原子力委員会定例会議議事録(案)
席上配布 原子力利用の夢をひろげる高温ガス炉
- 6.審議事項
- (1)日本原子力発電株式会社敦賀発電所の原子炉の設置変更(1号及び2号原子炉施設の変更)について(一部補正)
- 平成10年4月23日付け平成09・08・01資第10号をもって通商産業大臣から通知のあった標記の件について、通商産業省より資料1-1及び資料1ー2に基づき説明がなされ、引き続き審議することとした。
注)本件は、平成10年2月23日付け平成09・08・01資第10号をもって諮問を受けた標記申請について、申請書の本文及び添付書類の記述の適正化を図るため、一部補正を行うものである。
- (2)高温工学試験研究炉(HTTR)の進捗状況について
- 標記の件について、日本原子力研究所 藤城大洗研究所長及び田中高温工学研究炉開発部長より席上配布資料及び資料2に基づき説明がなされた。
これに対し、
- 高温のヘリウムガスの利用方策は何か。また、海外の開発状況はどうか
(原研より)化学プラントにおける利用を念頭に、当面は既に方法として実績のある、メタンに水蒸気添加することによる水素製造への利用を考えている。発電としては、高温ガスを直接利用するガスタービンやコンバインドサイクルへの応用により、理論的には40〜50%の高い熱効率が期待できる。海外においては、1957年に英国で被覆燃料開発が始まり、その後米独などで実験炉3基、原型炉2基の実績がある。また、中国、南アフリカ、ロシア等で開発中である
- 世界初の特徴は何か
(原研より)約1000℃の高温ヘリウムガスを原子炉圧力容器外へ直接取り出し核熱利用に供す方式は世界初であり、将来化学プラントに利用していくために有効
等の質疑応答があり、また、委員より
- HTTRがここまで進捗するのにかなりの時が経過した。早く進捗していれば、製鉄や発電への利用もあり得ただろうが、その間に社会的に要請される目的も変化してきた。研究開発すること自体が目的化してしまうことなく、高温ガス炉に適した実用化方策をよく考えて、将来へつなげていくことが大切
- 地球温暖化への関心が高まる中、石炭のガス化や液化への利用は大変有効であり、国民にも理解されやすいと思う。この点を積極的にプレイアップしていくべき
- 我が国のエネルギー問題を解決するためには原子力の熱利用が重要であり、石炭ガス化等を行うには高温ガス炉が適している。炉の開発は、システム、経済性等実用炉のビジョンを踏まえながら進めるべき。また、高温ガス炉のよい面ばかりを強調するのではなく、解決すべき技術的課題を明らかにし、実用化に向けた道筋を国民に示しながら開発を進めるべき
等の意見があった。
- (3)議事録の確認
- 事務局作成の資料3第22回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。