第20回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1998年4月14日(火)10:30〜12:05
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 藤家委員長代理、依田委員、遠藤委員、木元委員
資源エネルギー庁原子力発電安全企画審査課
黒木統括安全審査官
小嶋統括安全審査官
駒澤大学 山口教授
(事務局等)伊藤原子力調査室長
吉舗専門委員
中村研究技術課長
森口動力炉開発課長
研究技術課 新田
国際協力・保障措置課 竹内
資源エネルギー庁原子力発電亜安全企画審査課
千葉、中島、石渡、小山
原子力調査室 杉本、池亀
- 4.議 題
(1)北陸電力株式会社志賀原子力発電所の原子炉の設置変更(2号原子炉の増設)について(諮問)
(2)東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)
について(一部補正)
(3)関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)
について(一部補正)
(4)医療・ライフサイエンス分野における放射線利用についての現状と課題及び今後の方向性に関する調査について
(平成9年度委託調査結果)
(5)原子力委員会専門委員の変更について
(6)その他
- 5.配布資料
- 資料1-1 北陸電力株式会社志賀原子力発電所の原子炉の設置変更(2号原子炉の増設)について(諮問)
資料1-2 北陸電力株式会社志賀原子力発電所原子炉設置変更許可申請(2号原子炉の増設)の概要
資料2 東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について
資料3-1 関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)について
資料3-2 関西電力株式会社大飯発電所原子炉設置変更許可申請(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)の一部補正の概要について
資料4 医療・ライフサイエンス分野における放射線利用についての現状と課題及び今後の方向性に関する調査報告書
席上配布 原子力基本法及び動力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法案の審議状況について
資料5 原子力委員会専門委員の変更について(案)
資料6 第19回原子力委員会定例会議議事録(案)
- 6.審議事項
- (1)北陸電力株式会社志賀原子力発電所の原子炉の設置変更(2号原子炉の増設)について(諮問)
- 平成10年4月8日付け平成09・05・20資第1号をもって通商産業大臣から諮問を受けた標記の件について、通商産業省より資料1-1及び資料1-2に基づき説明がなされた。これに対し、
- ABWRは従来のBWRと比較して、再循環配管がなくなったことで冷却材喪失事故を想定しなくてもよくなったことや、原子炉格納容器が小さくてすむこと、非常用冷却系統の分離が進んだことなど、改良がなされていることを評価する
- 反対運動などの動きはあるか
(通産省より)組織的で強力な反対運動については聞いていないが、石川県は原子力の安全確保に関して関心が高い
等の委員の意見及び質疑応答があり、引き続き審議することとした。
注)本件は、商業用発電のために用いる2号原子炉の増設である。
- (2)東京電力株式会社福島第二原子力発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)
について(一部補正)
- 平成10年4月9日付け平成09・02・28資第90号をもって通商産業大臣から通知のあった標記の件について、通商産業省より資料2に基づき説明がなされ、引き続き審議することとした。
注)本件は、平成9年9月11日付け平成09・02・28資第90号をもって諮問を受けた標記申請について、申請書の本文及び添付書類の記述の適正化を図 るため、一部補正を行うものである。
- (3)関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号原子炉施設の変更)
について(一部補正)
- 平成10年4月7日付け平成09・08・01資第12号をもって通商産業大臣から通知のあった標記の件について、通商産業省より資料3-1及び資料3-2に基づき説明がなされた。これに対し、委員より
- 本件については、余裕をもって核燃料サイクルを円滑にまわすための取組の一つと理解している
等の意見があり、引き続き審議することとした。
注)本件は、平成10年1月13日付け平成09・08・01資第12号をもって諮問を受けた標記申請について、申請書の本文及び添付書類の記述の適正化を図るため、一部補正を行うものである。
- (4)医療・ライフサイエンス分野における放射線利用についての現状と課題及び今後の方向性に関する調査について
(平成9年度委員会委託調査結果)
- 標記の件について、山口駒澤大学教授より資料4に基づき、放射線生物学、非密封放射性同位元素の医学利用等、医療・ライフサイエンス分野における放射線利用の現状、課題、今後の方向性等について報告がなされた。
これに対し、委員より
- 原子力開発利用の多様な進展に伴い、非エネルギー分野についても非常に重要になっている。現行の長計を作る際にも非エネルギー分野で一つの分科会を立ち上げて検討した。本件から何を受けとめ、どう対応するかが次の長計にもつながる
- 食品照射や医療について関心があるが、これらの分野における問題点はあるか
(山口教授より)例えば、かつて心臓のペースメーカーの電池にプルトニウムを使用していたときは、国内では放射性同位元素の扱いでなく核燃料物質扱いとなるため使用できなかった。また、劣化ウランを遮蔽材に使用することも、核物質としての扱いとなるためできないなどの問題がある
- 世間では規制緩和が言われる一方、原子力の世界だけは特別視される風潮にある。原子力の開発利用も100年の歴史があり、合理的な考え方を取り入れていかなければならないと考える
- 原子力については分からないから不安になる面が大きい。教育がすべてであり、子供から大人まで学べる土壌を作り出すことが重要
- 本調査の結果について、一般の人向けに分かりやすい冊子としてはどうか
等の意見があった。
- (5)
- その他の議題として、事務局より席上配布資料に基づき、原子力基本法及び動
力炉・核燃料開発事業団法の一部を改正する法案の審議状況について報告があった。
また、引き続き事務局より、日英原子力協力協定の審議状況について、4月1日に衆議院外務委員会において審議があり、プルサーマル、高レベル放射性廃棄物輸送、廃棄物処分、COP3、CTBT等に関する質疑があった旨、また、本日衆議院本会議において承認される予定である旨、報告があった。
- (6)議事録の確認
- 事務局作成の資料6第19回原子力委員会定例会議議事録(案)が一部修正の上、了承された。
- (7)専門委員の変更
- 標記の件については、人事案件に係るものであることから非公開で審議することとした上で、事務局より資料5に基づき説明があり、了承された。
なお、事務局より、次回は4月17日(金)に臨時会議を10:30から開催する方向で調整したい旨発言があった。