「高レベル放射性廃棄物処分への今後の取組みに関する意見交換会」
第3回(仙台)概要
- 1.日 時 平成9年11月12日(水) 13:00〜16:30
- 2.会 場:仙台国際センター2階 大会議室「橘」(仙台市青葉区青葉山)
- 3.参加者(◎は議事進行役)
- (1)地域参加者(10名)
- 芦野 英子 暮らしを考える会代表
- 今入 亜希子 フリーアナウンサー
- 齋藤 武雄 東北大学大学院工学研究科教授
- 塩田 ウメ 原子力モニター(主婦)
- 清水 修二 福島大学経済学部教授
- 須藤 義悦 東北電力株式会社取締役副社長
- 内藤 信寛 柏崎商工会議所専務理事
- 平野 良一 核燃情報連絡会代表世話人
- 松澤 陽明 弁護士
- 三善 万里子 新潟県消費者協会次長
- (2)原子力委員会関係(9名)
- @原子力委員会
- 田畑 米穂 原子力委員
- 藤家 洋一 原子力委員
- A高レベル放射性廃棄物処分懇談会専門委員
- 石橋 忠雄 弁護士
- ◎木元 教子 評論家
- 下邨 昭三 高レベル事業推進準備会会長
- 南 和子 評論家
- 森嶌 昭夫 上智大学法学部教授(高レベル放射性廃棄物処分懇談会座長代理)
- B原子力バックエンド対策専門部会
- 大桃 洋一郎 環境科学技術研究所常務理事
- 小島 圭二 東京大学大学院工学系研究科教授
- 4.一般傍聴者:185名、報道関係者:13社25名
- 5.議事の概要
- (1)地域参加者による意見発表
- ○施設の立地には適地というものがある。青森県の六ヶ所村について誤解や風評被害の問題があったが、これは立地地域だけが負担すべきことではない。国民全体が考えるべきことである。放射性廃棄物の問題は原子力発電を開始するときから考えておくべきであったが、目に見えないことから今まで気にせずなおざりにされてきた。今出来ることをやるべきである。
- ○原子力に関する情報は立地地域以外では非常に少ない。もっとメディアを使って問題提起すべきであり、メディア側にも知らせる義務がある。実際には私たちの子供の世代が処分を行うのであるから、若い世代に関心を持ってもらうことが重要。理解を得るためにも報告書も含めて表現をやさしくすることが必要。議論と並行して研究を進め、その過程を国民に公開して理解を得ることが重要。
- ○自宅で太陽エネルギーを利用しているが、実際に運営するには自分自身が理解しなければならず、またそのための技術が必要。大学において原子力への志望者が減少していることは技術者の育成という点から大きな問題である。処分について、日本においては地下水のレベルやフローの研究が重要であり、国内の地下で研究を行うべき。
- ○子育てが一段落してエネルギー問題に関心を持った。実際に施設の見学に行ったが、身近な言葉で他の関連分野を含めて総合的な説明が欲しい。何を使ってもゴミが出るという理解は進んでいるが、高レベル廃棄物は電気のゴミにもかかわらず身近に感じない。処分の必要性は理解できても、実際の立地の段階では安全性への不安や立地の過程が分からないということから自分の所には来て欲しくないというのが現状。子供には電気を使えば廃棄物が出るということの学習が必要。
- ○発電所の場合雇用効果はあるが、処分場の場合建設時以外の雇用効果は小さく、外部から利益を導入するシステムが必要であり、地域共生は難しい。報告書にある地域共生の議論はもっともなことではあるが、原子力発電所に関して電源三法など従来からあった議論であり、現実にはうまく行っていないということが問題である。このことを前提にその上でどうするかを議論すべき。
- ○高レベル廃棄物について地域で議論を深める良い機会。処分について社会的な理解を得る必要があり、透明性や情報公開が重要。国民に基礎的な知識が浸透するよう施設への訪問の機会を増やすことが重要。資金確保の制度化、実施主体への国民の信頼、長期安定性、処分地選定の際の住民の理解と信頼が重要。
- ○柏崎では国のエネルギー政策に協力・貢献しているつもりであるが、それに対する国民の評価は低い。地域にはそれぞれ役割分担があり、自給自足できない以上それぞれの条件にあった役割を果たすべき。国民一人一人が自分の問題として意識することが重要。放射線や原子力について子供の頃からの教育が重要。処分場の立地については首都移転とセットで行ってはどうか。
- ○青森には現実に高レベル廃棄物が存在し、30〜50年後には処分すると言っているが未だに議論している段階である。既に発生しているものと、今後発生するものについて区別して議論すべき。直接利害関係のある者を除いて議論し、その議論が政策に反映される保証が必要。処分を行う実施主体を早く設立する必要がある。実施主体は国の機関とすべき。処分の研究開発についても実施主体が行うべき。
- ○高レベル廃棄物の問題は原子力発電を始めるときから考えておくべき問題であって、今の時点で世代責任を持ち出すことは倫理のつまみ食い。現時点で再処理を止めて高レベル廃棄物の発生を止めるべき。日本における地下水を考えると地層処分の適地の選定が出来るか疑問。立地が科学的にではなく社会的条件を優先して行われるとすれば不安。地層処分を逃げ道にせず、もし地層処分が出来ない場合にはゴミと向き合うという覚悟を持って研究開発を進めるべきである。
- ○エネルギーは生活の基礎であり、消費者自身が勉強して自らの問題として考えるべき。そのためにも情報の提供が必要であるが、その際に専門家と一般の人とでは常識や関心の持ち方が異なることに留意すべき。消費者にデメリット情報を出すべき。電力の利用については消費者は選択できないことから消費者は自分の問題とする意識を持ちにくい。関係施設の訪問とその場での説明など参加型の機会を増やすことが有効。処分費用は電気料金に加算して消費者が負担すべき。
- (2)意見交換時における主な発言
- ・研究所であっても数十人の雇用があり、また、地域の研究施設等との共同研究を行うことにより長期的に地域共生が継続していく。
- ・地域共生について、現実には地元は経済的メリットを優先して原子力施設を誘致しており、懇談会の発想と地元の発想との間にはギャップがあるのではないか。
- ・懇談会の発想でも結局は電源三法のようなシステムになる。電源三法をやめるところから議論が始まるのではないか。
- ・地域共生について電源三法の過去の役割をどう評価するかではなく、電源三法とは違った発想でどうすれば地域共生が可能であるかについて議論を行ったうえでの提言である。
- ・立地について公募・申入方式で処分地が見つからない場合に強制的手法を想定しているのか。
- ・強制的な手法を用いずに済むためにはどのような要件が必要かということを議論している。
- ・選定プロセスにおいて地元の理解・信頼とあるが、了解や住民投票など議論が当然あったはずだが言及されていないところに疑問がある。
- ・「合意」といった場合に何をもって合意とするのか、また「地元」とは何か意見が分かれる。ここでは処分を進める上で基本となる考え方として記述している。
- ・現に高レベル廃棄物が存在する青森で、どうやれば共生が成り立つのか、地元がどうやれば理解し、地元の意見をいかに反映するのかという議論がまず最初にあるべき。
- (3)一般傍聴者からの意見聴取時の主な発言
- ・高レベル廃棄物問題は先送りせず早急に対応する必要がある。
- ・原子力発電自体は不可欠であるが、原子力発電コストなど国のごまかしが様々な反対の根になっている。こういった姿勢を改めることが必要。
*この概要は事務局が作成したものです。詳細は議事録をご覧下さい。