「高レベル放射性廃棄物処分への今後の取組みに関する意見交換会」
第1回(大阪)概要
- 1.日 時 平成9年9月19日(金) 13:00〜16:10
- 2.会 場 梅田スカイビル タワーウェスト22階E会議室
(大阪市北区大淀中1-1-30)
- 3.出席者(◎は議事進行役)
- (1)
- 地域参加者(11名)
- 井上 チイ子 生活・情報評論家(女性職能集団WARP代表)
- 角田 禮子 関西消費者連合会会長
- 加古 美枝 原子力モニター(主婦)
- 金氏 顕 三菱重工業株式会社 神戸造船所副所長
- 神田 啓治 京都大学 原子炉実験所教授
- 小松 左京 作家
- 末田 一秀 日本消費者連盟関西グループ
- 広本 悦子 放射能のゴミはいらない!県条例を求める会
- 前田 肇 関西電力株式会社 専務取締役
- 山下 宏文 京都教育大学 教育学部助教授
- 吉村 清 高速増殖炉など建設に反対する敦賀市民の会 代表委員
- (2)
- 原子力委員会関係(9名)
- @原子力委員会
- 伊原 義徳 原子力委員会委員長代理
- 藤家 洋一 原子力委員
- A高レベル放射性廃棄物処分懇談会構成員
- 石橋 忠雄 弁護士
- ◎
- 木元 教子 評論家
- 近藤 次郎 元日本学術会議会長(高レベル放射性廃棄物処分懇談会座長)
- 下邨 昭三 高レベル事業推進準備会会長
- 松田 美夜子 生活環境評論家(廃棄物とリサイクル)
- B原子力バックエンド対策専門部会構成員
- 鈴木 篤之 東京大学大学院工学系研究科教授
- 徳山 明 常葉学園富士短期大学学長
- 4.一般傍聴者:95名、報道関係者:13社25名
- 5.議事の概要
- (1)地域参加者による意見発表
- ○
- 最近、廃棄物に関する意識が高まってきている。通常の廃棄物と高レベル放射性
廃棄物の相違は放射性物質を含んでいる点であるが、技術の進歩によって、その放射性物質を資源として使い切ってしまうことはできないか。
- ○
- 従来、原子力に関する情報は十分でなく、国民が不安を抱くのも無理はない。議論を国民の広めていくためにもエネルギー教育が必要である。処分について抱く様々な疑問や不安に十分対応して欲しい。発電所の立地地域と消費地域の相互交流が重要。決定したものに対して理解を求めるのではなく、意見の違う人を最初から交えて議論すべきである。国がもっとあるべき原子力政策を示し、政治の場で議論を深めて欲しい。
- ○
- 子供が産まれてから将来のエネルギー教育に関心を持った。親に問題意識がなければ子供も廃棄物に関心を持たない。小さな子供の頃からの教育が重要である。子供への教育の場で電気を使えば廃棄物が出ることを一般常識的に教えていきたいが、そのためにもっとオープンな情報提供が必要。また、放射性廃棄物を何らかの形で利用する研究を進めて欲しい。この問題に関心のない人もいろいろな施設につれていって欲しい。
- ○
- 海外に比べて遅れている地層処分システムを早急に確立することが必要。研究成果をわかりやすく公開することが必要。責任を持った処分の実施体制を早期に確立することが必要。
- ○
- 原子力と医療等では放射線に関する基準が全く異なるが、放射線との生物との関係について総合的に議論されることが必要。廃棄物の減量・利用を図るため、長半減期の放射性物質の分離消滅処理の研究を進めるべき。
- ○
- 日本は原子力の平和利用を掲げており、技術的にもしっかりしている。原子力は理想的なエネルギーが出てくるまで必要であるが、最近のもんじゅ事故等もあり一度見直すことが必要ではないか。
- ○
- 昨今の動燃問題について関係者には当事者意識がかけている。意見を聞く場を持つことは評価できるが、案をまとめる前にこのような場を持つべきである。報告書案では代替案案も提示すべきである。現在、高レベル廃棄物がどのような形態で存在するのかを明らかにすることが必要。処分場の立地に際しては、関係自治体・住民の同意が必要。
- ○
- 地球科学もまだ始まったばかりであるにもかかわらず、30年から50年後には処分を開始するという。使用済燃料の再処理は行うべきではなく、高レベル廃棄物は地上管理を行うべき。
- ○
- 少しでも多くの人に関心を持ってもらうことが必要。処分場立地にあたっては国も前面に出てきて欲しい。
- ○
- 客観的で中立的なエネルギー教育が必要である。日本のエネルギー教育は断片的であり、特に原子力については非常に少ない。このため、国民の間で情報が不足しており、この状態で判断を求めることは困難。
- ○
- 放射性廃棄物全般について一元的に取扱う体制が必要。高レベル廃棄物については電力の大消費地で保管すればよい。しかし、実際にはこれは困難であるから原子力の見直しも必要である。
- (2)意見交換時における主な発言
- ・
- 放射性廃棄物の管理は難しいとの認識が必要。地層処分では管理できないため後世代に負担が残っても地上で管理すべき。
- ・
- 再処理を行わなければ高レベル廃棄物は発生しない。
- ・
- 使用済燃料の長期にわたる地上管理は困難。
- ・
- 長半減期の放射性物質の分離消滅処理研究を進めるべき。
- ・
- 当初は原子力について消極的な人々も、環境問題やエネルギー政策について理解が深まると原子力の捉え方が変わってくる。
- ・
- 地上管理では後世代の人々が管理をしなければならない。地層処分の方が安全である。
- ・
- 議論を深めるためには、地下の研究施設を早期に実現し研究を行うことが必要。施設、研究成果の公開が重要。
- ・
- 原子力についての判断は国民が行うべき。地層処分は唯一のものではなく、多様な方策を検討すべき。
- (3)一般傍聴者からの意見聴取時の主な発言
- ・
- 地層処分を前提にしていることは問題。発生者である電力会社が自社ビル内で保管すべき。
- ・
- 高レベル廃棄物の現状について説明が不足している。
- ・
- 処分を進めることを一旦止め、国民的な議論を行ったうえで、後世代の人々が判断すべき問題。
- ・
- 原子力発電所の近隣住民は放射線被ばくの不安を持っている。
*この概要は事務局が作成したものです。詳細は議事録をご覧下さい。