第28回原子力委員会定例会議議事録(案)


1.日 時   1997年4月22日(火)10:30〜11:10

2.場 所   委員会会議室

3.出席者   伊原委員長代理、田畑委員、藤家委員、依田委員
  (事務局等)加藤原子力局長、林政策課長
        村田原子力調査室長
        池本専門委員
        中村調査国際協力課長
        調査国際協力課  佐伯
        原子力調査室   杉本、新井

4.議 題

 (1)第1回動燃改革検討委員会の結果について
 (2)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正について
 (3)その他

5.配布資料
 資料1   第27回原子力委員会臨時会議議事録(案)  資料2   第1回動燃改革検討委員会の結果について  資料3-1 「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」の一部改正に        ついて(案)  資料3-2 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正する法        律案要綱等

6.審議事項
(1)議事録の確認
事務局作成の資料1第27回原子力委員会臨時会議議事録(案)が了承された。
(2)第1回動燃改革検討委員会の結果について
標記の件について、事務局より資料2に基づき、同検討委員会の結果概要について報告があった。
 これに対し、委員より
・動燃は原研とともに我が国の原子力開発利用の大変重要な要であり、原子力政策を決定する原子力委員会として、この動燃改革検討委員会の議論の方向性について非常に高い関心がある
・もんじゅ、東海アスファルト固化施設、ふげんのそれぞれの事故・トラブル及びその後の情報提供の不適切な対応により、国民に多大な不安を与えたことは非常に残念であり、徹底した原因究明を行い再発防止を図ってもらいたい。また、同検討委員会において幅広い分野からなる第三者的な視点で動燃の抜本的改革の検討が始められたが、この検討により、動燃が幅広く長期的に国民に信頼される姿となることを期待する
・核燃料サイクルは環境負荷が少なく、長期的に安定なエネルギーを確保する上で重要で、我が国のみならず人類にとっても不可欠な技術であり、動燃がその確立のために課せられた役割を果たしていくことを強く希望する
・原子力委員会は国民の信頼回復のため、昨年来、原子力政策円卓会議において議論を行い、情報公開、政策の透明性の確保、国民との双方向の情報交流の促進、アカウンタビリティの重要性について強調してきたが、今回の動燃の不適切な対応は、これらが結果的に十分機能しなかった部分があったということであり、原子力委員会を含め、原子力に携わる関係者は大いに反省すべき
・我が国が原子力利用を推進しようと決めた理由は、資源小国だからであり、その脆弱性は今日でも変わっていない。原子力の研究開発を開始した当時の我が国では、民間の原子力産業が育っておらず、国が中心となって推進する必要があった。また、原子力開発は多分野の多様な技術をシステムに集約する必要があり、このことをどのように実現していくかが課題であった。その中で、動燃が設立され、民間活動になじみにくいような核燃料サイクル全般にわたる研究開発を担ってきた。このような背景を踏まえ、動燃がその大きな役割である核燃料サイクルに関する国産技術の開発を実施し、その成果について、今日的なグローバリゼーションの流れの中において民間に技術移転するにはどうすればよいかを検討し、修正すべき点を考えていくことが必要
・核燃料サイクル全般の研究開発には核不拡散への対応から公表しにくい面があり、それが現在の動燃の体質になったとも考えられるが、時代が変わり原子力が社会性を持ってきたという大きな転換期を迎えた現在、その体質は変えることが不可欠であり、そのための具体的な議論は重要
・動燃の若い研究者・技術者には、この現状において自分たちの存在に関してその将来をどう切り開いていくか、考え方と情熱を示してほしい
・日本にとって原子力の開発利用は非常に重要である。今回の一連の問題が原子力政策に陰を落としたことは残念であり極めて遺憾。これまでの原子力政策を推進していくプロセスについて反省し、原子力委員会としても原子力の歴史的経緯と今日の現実について、将来に向けた解決策を検討すべきである。同検討委員会や各方面の意見に謙虚に耳を傾けることが必要
・今回の件では、動燃が研究開発機関であるというだけでなく、社会的存在であるということについて十分考える必要がある
・若い有能な人材は我が国の宝であり、今後とも活躍してもらわなければならないという視点も今後の検討に当たって必要
・動燃は30年にわたり核燃料サイクルの国産技術開発を進め、国際的にも高い評価を得てきたが、今後、長期にわたる研究開発を実施するとの基本に立ち返り、幅広く議論を進め、社会的要請に応えることが重要
・研究開発集団としての動燃の業務について行政庁として検討することも必要であり、その際には、動燃だけでなく日本全体の核燃料サイクルの問題として、社会との関係を含めて検討することが重要
等の意見があった。
 なお、本件について今後とも同検討委員会の結果について報告を受けながら審議を続けるとともに、本日の議論については次回の同検討委員会に、事務局より伝達させることとした。
(3)核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正について
標記の件について、法律改正の内容が閣議決定まで非公開扱いとされていることから非公開で審議することとした上で、科学技術庁より資料3-1及び資料3-2に基づき、包括的核実験禁止条約(CTBT)の締結に伴う原子炉等規制法の一部改正について説明がなされ、審議した結果、資料3-1を原案どおり決定した。
 なお、資料3-2については、本件について決定がなされる閣議の終了後まで非公開とすることとした。