第2回高速増殖炉懇談会の結果について
平成9年4月8日
動力炉開発課
1.日 時 : 平成9年3月27日(木) 14:00~17:00
2.場 所 : 科学技術庁 第1、2会議室
3.出席者 :
(原子力委員)藤家委員、依田委員、田畑委員
(専門委員) 西澤座長、植草委員、内山委員、岡本委員、木村委員、
河野委員、小林委員、近藤委員、鷲見委員、住田委員、
竹内委員、中野委員、松浦委員、吉岡委員、
(招へい者) 栗田幸雄 福井県知事
(科学技術庁)加藤原子力局長、木村動力炉開発課長 他
(通産省) 谷口資源エネルギー庁審議官、中富新型炉開発企画官 他
4.傍聴者等
(一般傍聴者)19名(希望者33名より、抽選により20名を選出)
(プレス) 26名(カメラマンを含む)
- 5.概要
- (1)地元自治体からの意見聴取
- 西澤座長より開会宣言が行われた後、栗田福井県知事より、地元自治体首長としての意見、要望等についての発言があった。
- <主な発言内容>
- ○国が安全性の確保に責任を持つことなどを前提に「もんじゅ」の立地に同意した経緯がある。
- ○核燃料再処理施設での事故の発生及びその後の不適切な対応は、「もんじゅ」事故の教訓が生かされておらず誠に腹立たしい。得られる様々な教訓を今後の核燃料サイクル政策に確実に反映させる努力が必要。
- ○今後の高速増殖炉の在り方については、技術的安全性の観点はもとより、①意義と必要性、②国際環境、③経済性や開発体制、④プルサーマル計画との関係、⑤安全審査のあり方、⑥新型転換炉「ふげん」の取扱い、など総合的に判断し、「もんじゅ」の位置付けを明らかにすべき。
- ○懇談会の結論をまとめる際は、消費地も含めた幅広い国民の意見を反映し、合意形成に努め、着実に長期計画に反映してほしい。
- ○「もんじゅ」運転再開反対の16.5万人の署名が提出されたことを十分認識し、国民の声を幅広く聞く機会を検討してほしい。
- <質疑等>
- ○「プルサーマル等の原子力委員会決定は、三県知事提言に答えていないのではないか」との問いに対して、「今後さらにプルサーマルについての国の説明を聞き、提言との関係を明確化する必要がある」旨の回答があった。
- ○「国民的な合意形成とはどういうものをイメージしているのか」との問いに対して、「尺度を示すことは難しいが、国会で活発に論議され、国民の意見を集約した原子力政策が打ち立てられ、さらに県議会や地元自治体で議論することが必要である」旨の回答があった。
- (2)第1回会合に欠席された委員からの抱負等について
- 委員からの主な抱負等は以下の通り。
- ○互いに不安を抱えながら、少しでも安心できる結論を導き出したい。
- ○FBRが人知の及ぶことができないのか、解決できるのか見極めていきたい。
- (3)包括的な意見聴取について
- 村田原産会議副会長が急に欠席されたことから、藤家原子力委員より、高速増殖炉も含めた原子力開発について講演があった。主な講演内容、質疑等は以下の通り。
- <主な講演内容>
- ○原子力は総合科学技術であり、利用から調和への転換が必要。
- ○原子力開発では、長期的展望と、柔軟性のある現実的方策の模索が重要。
- ○究極の炉に至るには必ず高速中性子炉をやる必要がある。
- ○高速増殖炉は、エネルギーの安定供給確保、廃棄物の低減、国際貢献の観点から有意義。
- <質疑等>
- ○「核分裂に限定して議論した方がよい」との発言に対し、「総合科学技術として見るべき」との回答があった。
- ○「消滅処理が出来れば、大きなメリットであるが、実用化の見通しはあるのか」との問いに対し、「科学的解はあるが、工学的にどこまで近づけるかが課題である」旨の回答があった。
- ○メリットを列挙しているが、デメリットも摘出して総合判断すべきとの発言があった。
- ○「国際貢献」については、固有の問題を抱えている日本では、各国がどうあろうと我が道を行くべきとの発言があった。
- ○FBRは科学的可能性は既に示され、技術的可能性に向けて、