伊原原子力委員長代理の海外出張について

平成9年4月1日
原子力調査室 


 伊原原子力委員長代理は、平成9年3月19日(水)より26日(水)までの間、米国ワシントン市において開催された米国原子力学会(ANS)主催会合における招待講演及び意見交換、米国の原子力関係者との意見交換を行うとともに、サンディエゴ市において国際熱核融合実験炉(ITER)の研究サイト等を視察した。その概要は、以下の通りである。


 1 
米国原子力学会(ANS)における招待講演(3月20日 於ワシントン市)

 ANS主催会合において、伊原原子力委員長代理は日本の原子力政策及びそ の最近の動向に関する講演(別添)を行った。同講演にはANS会員等約80 名が参加、我が国の原子力政策の最近の動向について強い関心が示された。参加者からは、政権が交代するごとに変更される米国の原子力政策の課題と、原 子力開発という長期にわたる政策の継続性に関する我が国への期待が強く示された。
 また、本講演においては動力炉・核燃料開発事業団東海事業所アスファルト 固化処理施設における事故に関しても説明を行い、米国原子力関係者の理解を得ることが出来た。


 2
米国エネルギー省(DOE)ラッシュ原子力科学技術局長との会談(3月20日 於ワシントン市)

 ラッシュ局長は、原子力政策は長期的観点に立ち柔軟性を確保することが重 要であること、国民の原子力政策への関心が高まっている現状では、政策の公 開性を高めることが重要で、日本の最近のアプローチは良いアプローチである とした。また、同局長は、ロシアに対する原子力分野の協力強化の必要性につ いて述べた。


 3
コルヴィン米国原子力協会(NEI)会長との会談(3月21日 於ワシントン市)

 コルヴィン会長は、米国における放射性廃棄物政策の推進が、税制、健康・医療などの問題とともに第2期のクリントン政権にとって重要な政策課題となっていると述べた上で、議会における核廃棄物政策法の成立に期待を表明。(同法案は、昨年度上院本会議で63対37で可決されたものの大統領が予ね て警告していた拒否権を覆すのに必要な3分の2(67票)には至らず、下院 においては採決されなかったが、本年は昨年と同様の法案が3月13日に上院エネルギー天然資源委員会で可決、4月上旬に上院本会議で審議される予定とのこと。)
 また、同会長は、NEIはオピニオン・リーダーへの情報提供を中心に、国民に対する原子力に関する情報の提供活動を行っており、この分野での日本との経験の交換も重要と考えている旨述べた。


 4
その他

 モハベ・ウィンドファーム(カリフォルニア州テハチャピ。総計テハチャピ地区には約4800基の風車が設置されており、そのうちの660基は三菱重工製(1基当たり250kW。合計出力16.5万kW。設備利用率は26〜28 %))、ITERサンディエゴサイト(カリフォルニア州ラホヤ市。下村同サイト副所長等より同サイトにおける研究活動の概要について説明を聴取)、ジェネラル・アトミック(GA)社・ダブレットVーD施設(カリフォルニア州サンディエゴ市。シモーネンGA社副社長より、米国DOEとの研究契約により行っている核融合分野の基礎的研究から応用研究の概要について説明を聴取)を視察した。