第1回高速増殖炉懇談会の結果について


平成9年3月7日
動力炉開発課



1.日 時 : 平成9年2月21日(金) 14:00〜17:30

2.場 所 : 科学技術庁 第1、2会議室(科学技術庁2階)

3.出席者
    (原子力委員)伊原委員長代理、田畑委員、藤家委員、依田委員
    (専門委員) 秋元委員、植草委員、内山委員、大宅委員、岡本委員
           河野委員、小林委員、近藤委員、鷲見委員、竹内委員
           中野委員、西澤委員、松浦委員、吉岡委員
    (科学技術庁)加藤原子力局長、今村審議官、木村動力炉開発課長
         その他 関係者等


4.傍聴者等
    (一般傍聴者) 20名(希望者48名より、抽選により20名を選出)
    (プ レ ス) 46名(カメラマンを含む)


5.概要
(1)東北大学名誉教授西澤委員が座長に選出された後、現行の高速増殖炉開発
  計画等について、事務局、動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力発電
  (株)から説明がなされた。

(2)各委員からの抱負等について
  各委員からの主な抱負等は以下の通り。
  1)軽水炉主体の現在の全体システムの中でのFBRの在り方について、原子力
    の将来を憂う一人として今後も発言していきたい。
  2)賛成派・反対派とも、なるべく基礎的なデータを提供してもらい、それを基
    に、中立的に判断したい。
  3)経済、エネルギー、環境、人口問題等のグローバルな視点から、将来のエネ
    ルギー、原子力の在り方について議論できる場になることを望む。
  4)これまで安全だと言い過ぎており、それを解きほぐす努力が大事。
  5)国際情勢の観点から日本の原子力の問題に興味を持っている。東アジアの経
    済と人口の増加がエネルギーの安全保障にどういう影響を及ぼすかが関心。
  6)現状では、FBRに賛成し難い点が多い。地元県民の痛みを行政に反映して
    欲しい。核燃料リサイクルの輪は一部途切れており、長期計画の改訂を考え
    るべき。是非、福井県から知事、市長等の地域の代表を懇談会に呼んで、意
    見を聞いてもらいたい。
  7)これからは物質エネルギーである放射線(量子力学)のエネルギーの時代。
    FBRはウランを人類の永遠のエネルギーとして使おうというもくろみであ
    り、それを実証炉につなげてほしい。
  8)原子力の問題は非常に時間がかかるという要素を十分認識して考えていく必
    要がある。本懇談会ではFBRの必要性が議論になる。必要ならばどのよう
    なタイプのものが可能か、ナトリウム冷却のFBRはどのような発展段階に
    あるのか、「もんじゅ」はどういう役割でどうするのか、という段取りで議
    論が進んでいくものと考えている。
  9)FBRには合理的、科学的判断に基づき反対。会議の進め方としては、徹底
    的に勉強してあらゆる側面に精通し、その上で決定を下すという手続きが必
    要。きちんとデータが出された上で議論することが必要。報告書をまとめる
    場合は、当事者として責任を持てない内容のものに署名はできないため、少
    数意見も尊重し、記録を残してもらいたい。

(3)今後の当面の懇談会の進め方について
  事務局より今後の当面の懇談会の進め方についての説明がなされ、主な意見
 等は以下の通り。

  1)次回以降、委員が作成した資料を自由に配布したい旨の意見があったが、資
    料については、その場で承認された上で配布してもらいたい。
  2)様々な論点に対して、委員の間で共通の理解を持つことが重要であり、次回
    以降、様々な方から意見を聞くことを開始しても良いのではないか。
  3)これまでの審議会はお墨付きを与えるだけのものもあったが、本懇談会は今
    までとは違い、皆で模索しながら進めていくことも重要である。しかしなが
    ら、議事進行を円滑に進めるためにも、何が重要で何を議論すべきかという
    点については事務局で明確にすべき。
  4)議事要旨だけでは意思決定の記録が残らないため、逐語的議事録を是非作成
    してほしい。

(4)次回は3月27日(木)の午後2時、第3回は4月15日(火)の午後2
  時、第4回は5月8日(木)の午後2時に開催の予定。