第8回アジア地域原子力協力国際会議の結果について

1997年3月7日
原 子 力 局 

 近隣アジア諸国における原子力分野の地域協力の具体化に向けて意見交換・情報交換を行い、関係各国により地域協力テーマの推進を図ることを目的に、第8回アジア地域原子力協力国際会議が下記のとおり開催された。本会議では、地域における原子力開発利用の展開:原子力科学技術と原子力発電とのテーマでの各国代表の講演に引き続き、1)研究炉利用、2)RI・放射線の医学利用、3)RI・放射線の農業利用、4)パブリック・アクセプタンス、5)放射性廃棄物管理、6)原子力安全文化の協力についての意見交換が行われ、別添プレス・リリースが採択された。




1.開 催 日
  平成9年3月4日(火)
  作業グループ会合:3月5日(水)、6日(木))

2.開催場所
  日本海運倶楽部国際会場(東京、平河町)(3月4日)

3.参 加 国
  オーストラリア、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、タイ、
  ベトナム、日本(主な出席者は別紙参照)

4.実施体制
  主  催:原子力委員会
  後  援:科学技術庁、外務省、通商産業省、農林水産省、厚生省
  協  賛:日本原子力研究所、動力炉・核燃料開発事業団、国際協力事業団、
       (社)日本原子力産業会議
  事務運営:(社)日本原子力産業会議

5.プログラム
  3月4日(火)講演セッション、意見交換セッション(一般公開)
  3月5日(水)作業グループ会合(実務者レベル)
  3月6日(木)作業グループ会合(同上)

6.結果概要
  別添プレス・リリース参照


(別紙)

第8回アジア地域原子力協力国際会議への主な出席者




○オーストラリア
  原子力科学技術機構安全部長     : ロン・F・キャメロン

○中国
  中国核工業総公司副総経理      :  肇博(チェン・ツァオボ)
  中国核工業総公司国際合作局副局長  :  雪紅(リウ・シュエホン)

○インドネシア
  原子力庁長官            : イヨス・R・スブキ
  原子力庁次官            : ソジアトモ・ソエントノ

○韓国
  科学技術処原子力室長        :  知鎬(キム・ジホー)

○マレーシア
  原子力庁長官            : アーマド・ソブリ・ハシム

○フィリピン
  科学技術大臣            : ウィリアム・G・パドリナ
  原子力研究所長           : カルリト・R・アレタ

○タイ
  科学技術環境大臣          : インパン・マナシィカーン
  原子力庁長官            : クリエンサク・バドラコム

○ベトナム
  科学技術環境省次官         : チュー・ハオ
  原子力委員会理事長         : グェン・ティエングェン




第8回アジア地域原子力協力国際会議

プレス・リリース(和訳)

1997年3月6日

┌──────────────────────────────────┐
│(ポイント)                            │
│○研究炉利用、放射線・RIの医学及び農業利用、PA、放射性廃棄物管理│
│ の既存の地域協力及びオーストラリアの提案による原子力安全文化の地域│
│ 協力のレビュー及び今後のこれら協力への取り組みについて検討した。 │
│○参加各国は、本地域の急速な経済発展と地球規模の環境問題を考慮すると│
│ 原子力開発利用が重要な意義を持つことを認識した。         │
│○各参加国は、具体的な成果を得ることを目的に、地域協力プロジェクトを│
│ 継続していくことで合意した。                   │
└──────────────────────────────────┘





(別紙)

地域協力活動

(アジア地域原子力協力)


  1. 研究炉利用
     中性子散乱研究、放射性同位元素製造、研究炉の安全な運転と保守の3分野に関するワークショップを1997年11月にインドネシアで開催する。

  2. 放射線・RIの医学利用 次回のセミナーは、子宮頚部がんの放射線治療のための標準プロトコールの適用の効果とのタイトルで、1997年10月にフィリピンで開催する。

  3. 放射線・RIの農業利用
     油糧・工芸植物の突然変異育種に関する次のワークショップは、韓国において開催する。そのセミナー後は、次のフェーズとして、突然変異育種の方法論の交換に関するものとしていく。

  4. PA  第7回PAセミナーを1997年の後半にマレーシアにて開催する。ファックスを利用する情報交換ネットワーク(AsiaNNet)を継続するとともに、可能であれば、電子メール、インターネットホームページによって情報交換をさらに拡充する。

  5. 放射性廃棄物管理
     次の放射性廃棄物管理セミナーを中国において開催する。全ての参加者は、放射性廃棄物管理の地域協力として、情報交換、規制面、技術面、訓練・専門家派遣の4つのトピックスについて、継続して議論していくことを支持した。

  6. 原子力安全文化
     次の原子力安全文化ワークショップは、適切なワークショップのあり方及びより具体化した活動が整理されたのち、およそ1年後にオーストラリアで開催する。そのワークショップでは、研究炉の運転・管理への安全文化の適用をレビューすることが推奨された。




    The Eighth International Conference for
    Nuclear Cooperation in Asia

    Press Release
    March 6, 1997