第8回原子力バックエンド対策専門部会の審議結果の概要



1.日 時  平成9年2月13日(木)10:00-12:00

2.場 所  科学技術庁第1、2会議室

3.出席者
 (原子力委員)藤家委員、依田委員
 (専門委員) 熊谷部会長、秋元委員、池亀委員、石榑委員、大桃委員、
        川人委員、草間委員、小島委員、小西委員、佐々木委員、
        佐藤委員、鈴木(篤)委員、鈴木(進)委員、須田委員、
        田中委員、徳山委員、鳥井委員、中尾委員、永倉委員、
        松浦委員、松田委員、森委員、山内委員
 (科学技術庁)加藤原子力局長、今村官房審議官、有本廃棄物政策課長

4.傍聴者 プレス関係 12名
      一   般 16名

5.審議の概要
(1)事務局より資料(専)8-1 に基づき、前回議事要旨(案)の説明があり、承
  認された。

(2)鈴木委員(高レベル放射性廃棄物対策分科会主査)から、原子力バックエ
  ンド対策専門部会報告書案に対する意見の取扱いについて分科会において整
  理、検討を進めていること、分科会構成員のうち2名の交替があったことの
  説明があった。

(3)事務局より、資料(専)8-2 及び資料(専)8-3 に基づき、原子力バックエン
  ド対策専門部会報告書案に対する意見の概要及び分科会での整理・検討状況
  についての説明があった。

(4)引き続き各委員から出された主な意見は以下のとおり。

(廃棄物対策全体について)
  1)我が国の原子力活動の中で廃棄物処分、炉の廃止措置、老朽化対策が遅れて
    いる。現在の技術レベルで最高と考えられる研究開発を早く進めることが重
    要。埋設の行為を実際にはじめるかどうかは将来の時点で決められるよう歯
    止めをかけておけばよい。
  2)国民生活でも産業活動でも日本で一番欠けているのが後始末の問題。しかも
    一番遅れているのが原子力。早く報告書をとりまとめ政策に反映してもらい
    たい。

(研究体制について)
  3)研究の信頼性を増すため、関連の学会、研究機関との協力を広く進め、どん
    どん情報を公開すべき。
  4)このような研究開発は、大きな研究施設を集中する必要があり、中核機関が
    必要。

(分かり易さについて)
  5)地層処分の安全性や安全評価シナリオについてより分かり易く記述する必要
    がある。
  6)原子力長期計画の記述の考え方、経緯について理解しやすい資料等の工夫が
    必要。

(意見への対応について)
  7)意見を寄せられた方々一人一人に丁寧な誠意ある回答をすることが大切。
  8)全体として答えるもの、報告書への反映、一人一人に答えるもの等幾通りか
    の資料が必要。
  9)今後国民の意見を募集する際、非常に多くの意見が寄せられた場合の的確で
    効率的な対応について今から検討が必要。

(専門部会の位置づけについて)
  10)今回の報告書は、関係機関が2000年までに研究開発を進め、成果をとり
    まとめる際の考え方やガイドラインとして位置づけられるものであること
    を明確にするべき。
  11)専門部会の範囲を越える意見については、今後、原子力委員会や高レベル
    放射性廃棄物処分懇談会、新円卓会議等で検討が行なわれるべき。

(意見募集方法について)
  12)北海道、九州からは意見の応募がない。今回の経験を踏まえ、募集の仕方
    についてさらに検討していくべき。関連学会等に対して意見を求めるなど
    を検討していくべき。
  13)20代の意見が少ない。若者の意見を吸い上げる方法について検討すべき。

(その他)
  14)将来にわたり事業を保障できる資金的基盤を今のうちに確保しておくべき。

(5)最後に部会長より、本日の議論を踏まえて、次回は、報告書本文への意見
  の反映、参考資料の充実、個々の意見に対する対応に関し、分科会を中心と
  した整理・検討状況について報告を受け、本部会で審議したい旨の発言があ
  った。
   また、今回寄せられた意見には、本部会の範囲を越えて原子力政策全般の
  あり方について指摘しているもの、今後国民に意見を聞く場合の改善点の指
  摘等があり、本日の議論を受けて、原子力委員会に次の点について報告した
  い旨の提案があり、その方向で検討することとなった。
  1)今回寄せられた意見の多くが、原子力全般のあり方について指摘している
  ので、今後原子力委員会における政策の検討に反映すべきである。
  2)高レベル放射性廃棄物の地層処分について、十分国民に周知し理解を得る
  ため、その内容について分かり易く示すことが重要である。
  3)今後関係の研究開発を進めるに当たり、寄せられた意見のうち技術的事項
  に関するものについて十分考慮すべきである、また、研究開発を効果的に
  進めるとともにその成果について国民の理解と信頼を得るためには、情報
  公開を促進するとともに関係の学会や研究機関などとの幅広い協力と意見
  交換を進めるべきである。
  4)今後の原子力委員会専門部会等における報告書案に対する国民からの意見
  募集に当たっては、今回の経験を踏まえて、より幅広い方々から意見が寄
  せられるとともに的確で効率的な対応ができるよう、その方法について改
  善を図るべきである。

(6)事務局から、資料(専)8-4 に基づき、高レベル放射性廃棄物処分懇談会・
  原子力バックエンド対策専門部会合同会合を3月12日に開催し、高レベル放
  射性廃棄物に関する処分問題についてカナダ、スウェーデンから有識者を招
  へいし講演いただくとともに意見交換を行いたい旨説明があり、了承された。

(7)次回(第9回)専門部会は3月中旬から4月上旬に開催することで調整す
  ることが了承された。