第6回原子力委員会定例会議議事録(案)
1.日 時 1997年1月28日(火)10:30〜
2.場 所 委員会会議室
3.出席者 伊原委員長代理、田畑委員、藤家委員、依田委員
資源エネルギー庁黒木統括安全審査官
(事務局等)加藤原子力局長、今村審議官
林政策課長、村田原子力調査室長
池本専門委員
中村調査国際協力課
調査国際協力課 佐伯、白井
泉核燃料課長
木村動力炉開発課長
有本廃棄物政策課長
原子力発電安全企画審査課 藤田
原子力産業課 土井
原子力調査室 松尾、杉本、新井
4.議 題
(1)関西電力株式会社美浜発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3号原子炉
施設の変更)について(答申)
(2)関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号
原子炉施設の変更)について(答申)
(3)第8回アジア地域原子力協力国際会議の開催について
(4)当面の核燃料サイクルの具体的な施策について
(5)その他
5.配布資料
(1)関西電力株式会社美浜発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3号原子炉
施設の変更)について(答申)(案)
(2)関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号
原子炉施設の変更)について(答申)(案)
(3)第8回アジア地域原子力協力国際会議の開催について(案)
(4)当面の核燃料サイクルの具体的施策の主要点
6.審議事項
(1)関西電力株式会社美浜発電所の原子炉の設置変更(1号、2号及び3号原子炉
施設の変更)について(答申)
平成8年11月5日付け8資庁第8899号をもって諮問のあった標記の件に
ついて、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第26条第4項
において準用する同法第24条第1項第1号、第2号及び第3号(経理的基礎に
係る部分に限る。)に規定する基準の適用については妥当なものと認め、通商産
業大臣あて答申することとした。
注)本件は、1号炉及び2号炉の原子炉容器上部ふたの取替えに際し、出力分
布調整用制御棒クラスタ駆動装置を撤去するとともに、原子炉容器上部ふ
たの取替えに伴い、蒸気発生器保管庫(1号及び3号炉共用)を1号、2
号及び3号炉の共用にし、1号炉及び2号炉の取り外した原子炉容器上部
ふた等を蒸気発生器保管庫(1号、2号及び3号炉共用)に貯蔵保管する
ものである。
(2)関西電力株式会社大飯発電所の原子炉の設置変更(1号、2号、3号及び4号
原子炉施設の変更)について(答申)
平成8年11月5日付け8資庁第8900号をもって諮問のあった標記の件に
ついて、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第26条第4項
において準用する同法第24条第1項第1号、第2号及び第3号(経理的基礎に
係る部分に限る。)に規定する基準の適用については妥当なものと認め、通商産
業大臣あて答申することとした。
注)本件は、1号炉及び2号炉の原子炉容器上部ふたの取替えに際し、出力分
布調整用制御棒クラスタ駆動装置を撤去するとともに、原子炉容器上部ふ
たの取替えに伴い、1号炉及び2号炉の蒸気発生器保管庫を1号及び2号
炉の共用にし、1号炉及び2号炉の取り外した原子炉容器上部ふた等を蒸
気発生器保管庫(1号及び2号炉共用)に貯蔵保管するものである。
(3)第8回アジア地域原子力協力国際会議の開催について
1997年3月4日(火)に東京で開催する標記の件について、事務局より資料
3に基づき、開催趣旨、開催場所、参加国等について説明がなされ、審議の結果、
了承された。
(4)当面の核燃料サイクルの具体的な施策について
標記の件について、第5回原子力委員会臨時会議での議論を踏まえ、原子力委
員会としての今後の取り組みについて引き続き審議がなされた。
審議において、委員より、
・21世紀に人類が生き残るためにはリサイクル社会の確立が大切。資源の有効
利用、環境負荷の低減という観点から、核燃料サイクルの着実な展開が大切。
進捗状況を的確に把握しチェックアンドレビューをしながら柔軟な政策展開を
行うことが必要。
・安全に対する社会のとらえ方は大きく変わっているが、技術的な観点を安全の
基本として捉えることが大切。安全審査も放射性物質を外に出さないことを安
全の基本としており、運転実績もある。また、MOX燃料を利用するに当たっ
て、安全委員会でも3分の1炉心までは現在の軽水炉の特性の観点からも大丈
夫だとしている。また、一昨年、ATRの代わりにABWRで全炉心MOXと
しても安全性は見込めるとして当委員会でも結論を出した。実績についても、
国内の美浜、敦賀、ふげんの実績や海外実績もあることを考慮すべき。
・日本は世界のウラン利用のうち13%を占めるが、将来にわたって原子力利用
を考える上でウラン資源の有効利用は大前提。ワンススルーでは資源制約を大
きくする。ウラン経済の安定を考えると、プルトニウム利用はさけて通れない。
MOX加工は確かに割高であるが、ウラン探鉱、精錬、濃縮は必要ないので相
殺されること、また、燃料費の割合が原子力発電では小さいことから、そのコ
ストの増分は十分吸収でき、ウラン資源利用の保険と考えるべき。
核不拡散の問題については、余剰プルトニウムを持たないことが重要であり、
プルサーマルにおいて確実にプルトニウム需給のバランスをとっていくのが重
要。そのためにも、電気事業者がプルサーマル計画を具体化していくことが大
切であり、長期的にはプルトニウムの利用を着実に推進していくことが必要。
・MOX使用済燃料の再処理については、従来からの再処理に比べて溶解度、溶
媒の分解等が変わるだろうが、クリティカルな問題ではなく、研究がかなり進
んでいると理解。動燃の東海再処理工場を活用してMOX使用済核燃料再処理
技術の開発を行うことが考えられる。解決すべき課題もあろうが海外でも十分
な見通しがある。
・使用済燃料の再処理については、資源的な制約と環境保護の観点から、使用済
燃料の最終的な全量再処理は我が国にとってとらねばならない道。しかし、全
量処理を前提に、使用済燃料の発生量と処理量のバランスを調整することが必
要。来世紀には敷地内の貯蔵だけでは対応できないサイトも出てくるだろうか
ら、敷地外貯蔵についても、電気事業者や関係省庁においても検討しなければ
ならない。
・敷地外貯蔵については、法令等の見直しも含めて関係省庁で調整する必要があ
る。
・バックエンド対策については、現在、高レベル放射性廃棄物処分懇談会と原子
力バックエンド対策専門部会の場で検討が進められており、これらの結論を踏
まえ、研究開発を加速するとともに、社会的、経済的側面を踏まえた幅広い議
論を通じて処分対策の具体化を図っていく。
廃止措置についても、総合エネルギー調査会原子力部会の報告にもあるよう
に、技術開発を進めるほか、各種制度の整備も行うことが必要。
・高速増殖炉については、原子力に何が期待できるか、どんな可能性をもってい
るかの視点から考えることが重要。長期的にはサイエンスをベースにして可能
性を追究し、現実的な模索としては、社会、経済、政治などの関連の中で技術
をどこまで積み上げていくのかの観点がある。高速中性子の世界を築くという
原子力の夢をかなえていくチャレンジングな側面を社会に訴えることも必要。
「もんじゅ」事故を含めてこれまで様々な議論がなされたが、原子力のこうい
う長期展望や、高速増殖炉のもつ重要な意味まで否定するものではない。様々
な意見があろうが、高速増殖炉懇談会で議論していくべき。
・FBRは超長期的に見れば、軽水炉からプルサーマルにつながる核燃料サイク
ルの1セットに含まれており、資源の安定供給、環境保全の観点からも国益だ
けでなく地球益にもなる。
・プルサーマルにより、FBRの必要性がなくなるという議論があるが、全くあ
たらない。ワンススルーではウラン供給からせいぜい数十年、プルサーマルで
は1回再処理してもウランを25%程度しか節約できない。プルトニウムとい
うマッチで、ウラン238という薪を燃やすべき。プルサーマルはあくまでプ
ルトニウム利用時代の最初の段階である。
・円卓会議での要請もあり、原子力委員会は高速増殖炉懇談会を設置して、将来
の高速増殖炉開発のあり方について幅広く議論したい。
・原子力の安全について、これまで説明不足の感があったことは反省。国の安全
審査では、事故は起こりがちなもの、人は間違いをおかしがちなものであると
いう前提に立って、事故が起きても敷地外には影響を与えないという意味で災
害の防止上支障がないことを確認するのであり、それが即、安心につながらな
いことはよくわかるが、実績としても災害防止の観点からは安全性は確保され
ていることを含めて、分かりやすく説明することが重要。
等の意見があり、次回は具体的に書き下ろした案文で審議を継続することとした。
なお、本議題に関する議事については、第4回原子力委員会定例会議での決定
に基づき、報道関係者に公開された。