第38回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日時 2002年10月1日(火)10:30〜12:10
2.場所 中央合同庁舎第4号館7階 共用743会議室
3.出席者
 藤家委員長、遠藤委員長代理、竹内委員
内閣府
 榊原参事官(原子力担当)
英国大使館
 エネルギー部 レイナー参事官
経済産業省
 政策評価広報課 近藤課長、藤野企画調査官
 原子力安全・保安院 成瀬原子力安全調整官
文部科学省
 原子力課 核融合開発室 大竹室長
 原子力安全課 原子力規制室 倉田安全審査企画官

4.議題
(1)英国LMAについて
(2)東京電力点検記録等不正の調査過程に関する評価委員会中間報告(案)について
(3)第5回ITER政府間協議の結果について
(4)核燃料サイクル開発機構大洗工学センターの原子炉の設置変更[高速実験炉原子炉施設の変更]について(答申)
(5)遠藤委員長代理の海外出張報告について
(6)原子力委員会へのご質問・ご意見について
(7)その他

5.配布資料
資料1 原子力の遺産の管理行動のための戦略
資料2−1 中間報告書(案)
資料2−2 原子力発電所における事業者の自主点検作業記録に係る不正等に関する原子力安全・保安院における申告案件等の調査経緯
資料2−3 委員会において提示された論点に対する評価及び対応策について
資料2−4 東京電力の原子力発電所における自主点検作業記録の不正等に係る調査対象29案件に関する暫定的な調査結果について
資料3 第5回政府間協議について
資料4−1 核燃料サイクル開発機構大洗工学センターの原子炉の設置変更[高速実験炉施設の変更]について(答申)(案)
資料4−2 核燃料サイクル開発機構大洗工学センター原子炉設置変更許可申請(高速実験炉原子炉施設の変更)の概要について
資料5 遠藤原子力委員長代理の海外出張報告について
資料6 原子力委員会へのご質問・ご意見について(集計結果)
資料7 第36回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
 (1)英国LMA(債務管理機関)について

標記の件について、英国大使館エネルギー部レイナー参事官より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員長代理)  BNFL(英国原子燃料会社)やUKAEA(英国原子力公社)は、これまでの債務をLMAに引き渡すことで身軽になり、国際市場にも進出していくことができる。これは、我が国にとっても参考になると思う。
 これから出てくる債務については、どのように処理するのか。
(レイナー参事官)  これまでの債務はLMAで処理することになるが、例えば、ブリティッシュ・エナジー社(英国の電力会社)のように商業ベースで利用されている施設については、LMAの管轄外であり、債務は自己の負担になる。そのため、ブリティッシュ・エナジー社は、自分で「デコミッショニング・インベストメント・ポートフォリオ」という資金を準備し、その資金を市場に投資したりして資金を増やし、債務を処理するための資金を作らなければならない。BNFLは、オペレーティング・カンパニー(事業会社)になっても、例えば、セラフィールドの施設で、顧客の使用済燃料を再処理したりする際、将来必要となる放射性廃棄物の処理や施設の廃止措置のための費用を、顧客との契約の中で考慮しなければならない。
(遠藤委員長代理)  ブリティッシュ・エナジー社と同じように、日本の電力会社も、自分で廃止措置のための資金を準備している。BNFLでも、今後の運転で出てくる負債の処理のための費用は、国の負担ではないということか。
(レイナー参事官)  BNFLの今後の商業活動によって出る負債については、自分で負担することになるので、BNFLも廃止措置のための基金を作ることになる。
(遠藤委員長代理)  UKAEAでは、研究も行っているが、このための費用はどうするのか。
(レイナー参事官)  おそらく、LMAの設立の後は、ある時点から過去のものは、LMAの管轄内ということになると思う。その後は、政府機関同士でのビジネスでも、商業契約と同様になる。例えば、研究を行うときは、債務を処理するための費用を前もって計算して、契約に盛り込むことになる。
(藤家委員長)  こういった課題に手をつけるのに早過ぎることはないが、現時点で始めたのは、何か理由があるのか。
(レイナー参事官)  BNFLを設立したときに、40年代から60年代の政府の研究施設や廃棄物を引き継いだ。試算すると、これから放射性廃棄物を処理するためのコストが高いことが分かっている。BNFLの経営状態は良好だが、こういった重い荷物を抱えており、将来会社がつぶれてしまうかもしれない。そこで、政府が包括的で戦略的な解決方法を検討していかなければならない、ということになった。
 また、英国環境省が、放射性廃棄物の処理・処分について政策を検討しているところでもあり、LMAについて包括的に検討することになった。
(藤家委員長)  レイナー参事官は、今度転勤されることになったが、これまで我が国との良好な関係を維持するためご尽力いただいた。深く感謝の意を表したい。

 (2)東京電力点検記録等不正の調査過程に関する評価委員会中間報告(案)について

標記の件について、近藤課長より資料2に基づき説明があった。


 (3)第5回ITER政府間協議の結果について

標記の件について、大竹室長より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(藤家委員長)  貢献度に応じて利益を分配するとのことだが、実際はどうするのか。
(大竹室長)  知的所有権などについては、意見交換をしているところである。時宜を得てご報告したい。
(藤家委員長)  中国にも、ロシアと同等のコスト負担を要求するのか。
(大竹室長)  ロシアと同等以上は必要だと考えている。中国は、別途4極と相談したいと言っている。
(遠藤委員長代理)  中国は、どこが担当しているのか。
(大竹室長)  科学技術部である。

 (4)核燃料サイクル開発機構大洗工学センターの原子炉の設置変更[高速実験炉原子炉施設の変更]について(答申)

標記の件について、倉田安全審査企画官より資料4−2に基づき説明があり、平成14年3月29日付け13文科科第753号(平成14年8月28日付け14文科科第301号をもって一部補正)をもって諮問のあった標記の件に係る核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第26条第4項において準用する同法第24条第1項第1号、第2号及び第3号(経理的基礎に係る部分に限る。)に規定する許可の基準の適用については妥当なものと認め、文部科学大臣あて答申することを決定した。


 (5)遠藤委員長代理の海外出張報告について

標記の件について、遠藤委員長代理より資料5に基づき以下のとおり説明があり、質疑応答があった。
(遠藤委員長代理)  ウィーンでは、エルバラダイIAEA事務局長とも会談を行った。事務局長からは東京電力等の一連の問題に対し対外的な透明性を確保するため、IAEAから調査団を派遣しても良いとの提案があった。また、各国の代表団とも会談を行い、特にFNCA(アジア原子力協力フォーラム)メンバー国と、10月末に開催する同フォーラムに向けて、特に環境問題における原子力の価値を見直すべき、といったことについて議論した。
 第9回日仏原子力専門家会合では、米ロで進めているロシアの解体核についても議論を行った。しかしながら、日本から提案している、バイパック(振動充填)法により製造したMOX燃料をBN−600で燃やすという方法が全く考慮されていないようであった。私からは、日本はとりあえず2億ドルの拠出を約束しているが、日本の拠出金は日本の技術を使うものでない限り拠出することは極めて難しい旨発言したところ、仏国から、日本が提案する方法では、どのくらいのプルトニウムを、どのくらいの経費・時間で処理できるのか示してほしいと要求があり、専門家グループで協議することになった。
 また、仏国より、仏国にて保管しているプルトニウムの返還計画を示してほしいとの要求があった。仏国では、1991年に放射性廃棄物の処理に関する法律が制定されたこともあり、敏感になってきている、とのことである。私からは、我が国のプルサーマル政策の難しい現状を述べた上で、最大限努力することを伝えた。
(藤家委員長)  バイパック法で製造したMOX燃料をBN−600で燃やす方法では、20年で20トン燃やすことができるので、34トンの余剰兵器プルトニウムを処理することは、ヨーロッパ勢が言っているほど非現実的なことではないと思う。この方法の実現性については、主張していかなければならない。
 また、核燃料サイクルの確立については、政策順位第1位と掲げていることを言うだけでは済まないことであり、自ら検討し、引き続き社会に向けて発信していくことが重要である。
(遠藤委員長代理)  我が国が預けているプルトニウムの返還については、仏国だけでなく、英国にも影響が出る可能性があると思う。
(藤家委員長)  国際的な約束は守らなければならない。引き続き検討したい。

 (6)原子力委員会へのご質問・ご意見について

標記の件について、榊原参事官より資料6に基づき説明があった。


 (7)その他

  • 事務局作成の資料7の第36回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。
  • 事務局より、10月8日(火)の次回定例会議の議題は、「IAEA総会結果報告について」等を中心に調整中である旨、発言があった。