第32回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日時 2002年8月27日(火)10:30〜11:50
2.場所 中央合同庁舎第4号館7階 共用743会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員長代理、竹内委員
内閣府
 大熊政策統括官、後藤企画官(原子力担当)、渡辺参事官補佐
経済産業省 原子力安全・保安院
原子力発電安全審査課 佐藤統括安全審査官、渡辺課長補佐
経済産業省 資源エネルギー庁
 核燃料サイクル産業課 倉崎企画官
文部科学省 研究開発局
 核燃料サイクル研究開発課 谷課長補佐
文部科学省 科学技術学術政策局
 原子力安全課保障措置室 佐伯室長
総務省 消防庁
 特殊災害室 佐藤課長補佐、渡邉係長
原子力安全委員会事務局
 総務課 長野課長補佐、細坪係長

4.議題
(1)北海道電力株式会社泊発電所の原子炉の設置変更(3号原子炉の増設)について(諮問)
(2)我が国のプルトニウム管理状況について
(3)我が国の保障措置活動状況および核燃料物質の保有量等データ(2001年12月31日現在)の集計結果について
(4)各省庁概算要求ヒアリング(原子力委員会、原子力安全委員会、総務省)
(5)福島県知事の「エネルギー政策における疑問点」に対しての基本的な考え方について
(6)その他

5.配布資料
資料1−1 北海道電力株式会社泊発電所の原子炉の設置変更(3号原子炉の増設)について(諮問)
資料1−2 北海道電力株式会社泊発電所原子炉設置変更許可申請(3号原子炉の増設)の概要
資料2 我が国のプルトニウム管理状況
資料3 我が国の保障措置活動状況および核燃料物質の保有量等データ(2001年12月31日現在)の集計結果について
資料4−1 平成15年度原子力関係経費の見積もりについて(総務省)
資料4−2 平成15年度概算要求について(原子力安全委員会)
資料4−3 平成15年度原子力関係経費の見積もりについて(原子力委員会)
資料5 「エネルギー政策における疑問点」に対しての基本的な考え方
資料6 第31回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
 (1)北海道電力株式会社泊発電所の原子炉の設置変更(3号原子炉の増設)について(諮問)

標記の件について、佐藤統括安全審査官より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(竹内委員)  泊3号機では、熱出力一定運転を行うのか。
(佐藤統括安全審査官)  熱出力一定運転については、当方でその考え方を示したところであり、泊3号機でも考慮している。伊方3号機とは、復水器の設計も異なる。
(遠藤委員長代理)  使用済燃料貯蔵設備の貯蔵能力は、全炉心燃料の920%相当分とあるが、30年分ぐらい使用済燃料を保管できるのか。
(佐藤統括安全審査官)  30年弱は可能だと考えている。
(遠藤委員長代理)  泊1号機や2号機についてはどうか。共用の貯蔵プールを建設することは考えていないのか。
(佐藤統括安全審査官)  そういったことの判断は、基本的に電気事業者に委ねている。事業者は、使用済燃料の搬出計画などを考慮して、現時点では必要がないと判断した上で申請をしている、と考えている。
(藤家委員長)  貯蔵施設では、満杯になったところから余裕のあるところへ移動することは行われているが、通常これは一方通行である。そのため全体として均等に貯蔵するように共用するということは行われていない。
 淡水の取水方法については、原則的に海水から淡水を作る、余裕があるときは近くの川からも取水する、という理解で良いか。
(佐藤統括安全審査官)  そのとおりである。
(藤家委員)  耐震設計の指針は変わったのか。
(佐藤統括安全審査官)  変わっていない。
(藤家委員長)  原子力委員会では、「平和利用」及び「計画的遂行」、「経理的基礎」について審議しているが、最近、電力自由化が話題になっており、経理的に問題はないか、ということを考えなければならない。従来は、これまでの実績から問題ないとみなすことができたが、電力自由化を考慮した場合、どのように考えれば良いのか。電力自由化に対して、きちんとやります、といった電気事業者の意思表示があった方が良いのではないかと考えている。
(佐藤統括安全審査官)  経理的基礎については、原子炉を設置するために必要な資金の見積りが適切かどうか、また、その資金の調達が可能かどうかについて審査している。資金の見積りについては、その出力や設備規模を勘案するとともに、過去の同規模の工事と比べてどうか、という観点から審査して、不合理な点は認められなかった。資金の調達については、自己資金や社債の発行、日本政策投資銀行からの借入金で調達するという計画については、事業者の過去の実績から問題ないと判断した。経理的基礎の審査については、原子炉等規制法では、設置に必要な経理的基礎についてと明記されており、運転に係る経理的基礎についての審査は要求されていない。また、設置に必要な経理的基礎については、むこう5年程度の資金の見通しを見ているので、電力自由化の影響は、これまでの判断を変えるような要素にはなり得ないと考えている。
(藤家委員長)  これまでのように総括原価主義で考えるのであれば、従来どおりに見れば良いと思う。しかし、いろいろと情勢が変わってきているので、きちんとやっていく、という事業者の意思表示は必要であり、我々はそれをどのようにサポートしていくのかが重要である。
(竹内委員)  建設資金で問題がないということの他に、電力自由化や電力販売量の見通しなど収入源についても議論しなければならない。この場で審議することではないかもしれないが、こういった話も聞いておきたい。
(佐藤統括安全審査官)  藤家委員長のご指摘は十分理解しているが、運転開始後の経理的基礎については、法令の規定上、審査の中では限定して見るべきである。北海道電力は、現在の状況を踏まえ、今後の社会経済の変化を見通した上で、2010年に向けてのビジョンを発表したりしており、それに向けた対応がされている、と理解している。
(藤家委員長)  そのような意思表示は大変良いことだと思う。ただ、原子力委員会は従来と変わらない審議をした、ということにはしたくない。電力自由化の問題はかなり重要であり、事業者の意思表示は必要だと思う。原子力委員会としては、それを公開の場で伺うことが大事だと考えている。これは、今後の政策を遂行する上で重要な意味を持ってくると思う。
(竹内委員)  これから、新規プラントの建設が進むように支援したい。新設に対し支障となるものがあれば、我々も一緒に考えていかなけれならない。
(佐藤統括安全審査官)  各委員のご指摘は十分理解しているが、これは個別の審査である。
(藤家委員長)  個別の審査だからこそ、事業者の意志を聞く必要があると思っている。電力自由化の一般論については、別に議論できる場があると思う。
 本件については、引き続き審議を行いたい。

 (2)我が国のプルトニウム管理状況について

標記の件について、倉崎企画官及び谷課長補佐より資料2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(遠藤委員長代理)  2頁の「3.分離プルトニウムのうち酸化プルトニウムの使用状況」に供給量と使用量が示されているが、「86kg」とは、JNC(核燃料サイクル開発機構)の再処理施設で生成された量ということか。
(谷課長補佐)  「3.」の表の「JNC再処理施設回収量」は、「1.」の表の「再処理施設」の「内訳」のうち、「硝酸プルトニウム等」から「酸化プルトニウム」に転換された量を示している。つまり、再処理施設において酸化プルトニウムとして回収されたものを示している。
(遠藤委員長代理)  「3.」の表の「海外からの移転量」は何を指しているのか。
(谷課長補佐)  海外から酸化プルトニウムという状態で入ってきた原料があれば、ここにカウントされる。
(遠藤委員長代理)  ここでいう酸化プルトニウムとは、「あかつき丸」で運んできたものと同じものか。
(谷課長補佐)  そのとおりである。
(竹内委員)  ここで「供給量86kg」に対し、「使用量187kg」となっているが、この差はどうして生じているのか。
(谷課長補佐)  「使用量」とは、燃料加工施設内において、原料貯蔵区域から加工工程区域に払出した量を示している。
(遠藤委員長代理)  IAEA(国際原子力機関)には、このデータをこのまま出すわけではないと思う。フォーマットは指定されているのか。
(谷課長補佐)  2頁にまとめたようなデータを、IAEAの国際プルトニウム指針で定められているフォーマットに書き換えて、IAEAに報告している。IAEAには、100kg単位で報告している。
(遠藤委員長代理)  そのフォーマットは、各国で統一されているのか。また、IAEAから公表するデータは、この資料に記載されている項目だけなのか。
(谷課長補佐)  統一フォーマットで提出している。IAEAは、各国からの報告をそのまま公表している。
(倉崎企画官)  2頁の表に近い形だが、もう少し簡略化したフォーマットに従った情報を報告している。
(遠藤委員長代理)  この制度は、我が国が音頭をとってまとめたものである。今後IAEAに報告するときは、例えば中国のようにきちんと報告していない国もあるので、日本以外の国もこの制度に従ってきちんとやってほしい、ということをIAEAに言ってほしい。
(後藤企画官)  内閣府から外務省にこのデータを提示するときに、併せて原子力委員会の意向も伝えたいと思う。

 (3)我が国の保障措置活動状況および核燃料物質の保有量等データ(2001年12月31日現在)の集計結果について

標記の件について、佐伯室長より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(遠藤委員長代理)  査察の回数は増えているのか。
(佐伯室長)  若干増えている。六ヶ所村の再処理施設が稼動すれば、さらに増えると思う。昨年は、東海村の再処理施設の運転が再開されたので、その分だけ増えている。
(遠藤委員長代理)  我が国の原子力利用は平和利用に徹しているが、そのことを発信するだけでは不十分なので、身の証を外に向けて発信していかなければならない。保障措置は大変重要である。我が国は、保障措置活動をきちんと実施しているが、これで良いのかと常に自省してほしい。
(佐伯室長)  IAEAとも今後とも良く相談しながら対応していきたい。
(竹内委員)  「3.」の表で、なぜ「国内査察実績人・日」と「指定保障措置検査等実施機関による保障措置検査人・日」に分けているのか。
(佐伯室長)  法律に基づいて、今までは国の査察官だけが実施していたが、定常的な業務については、財団法人に実施してもらっている。
(竹内委員)  ウランの管理については、濃縮度によって分類しないのか。
(佐伯室長)  この一覧表には載せていないが、詳細に分類している。
(藤家委員長)  この資料の表では、表示する桁数が多い。これらは測定値ではなく、評価値だと思うが、この頃、有効数字(情報として有効な桁数の数字)の概念が薄れてきていると思う。
(佐伯室長)  藤家委員長のご指摘のとおりである。各事業所では、管理区分に従って詳細に管理しているが、全体を見るときはkg単位まで詳しく出しても余り意味がない。まとめ方について今後工夫したい。
(藤家委員長)  測定や評価には精度に限界がある。それについてどのように整理するのか考えてほしい。

 (4−1)各省庁概算要求ヒアリング(総務省)

標記の件について、佐藤課長補佐より資料4−1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(竹内委員)  「2(2)消防活動が困難な空間における消防活動支援情報システムの開発」の計画はどうなっているのか。
(佐藤課長補佐)  12年度〜13年度でシステムを開発し、14年度で主にセンサー技術の開発を実施している。15年度においては、その製品を携行できるよう小型化を図り、実用化するための開発を行う予定である。
(竹内委員)  これは、原子力に限らず汎用性があると思う。
(渡邉係長)  このシステムは、GPS(グローバル・ポジショニング・システム)が使えないところを想定しており、原子力施設の中といった場所でも活用できると考えている。
(佐藤課長補佐)  地下ばかりでなく、建物の中でもGPSは使えないので、そのような場所で活動するときに、どこにいるのか、身体の状況はどうか、といったことを把握できるシステムを開発している。
(藤家委員長)  原子力安全委員会の緊急技術助言組織とは密接な関係があるのか。
(佐藤課長補佐)  原子力災害が発生した場合、対策本部が設置されるが、そこに消防庁も参加することになる。その中で、いろいろと助言をいただいたりすることになると思う。
(藤家委員長)  そのように総合性が発揮できるかどうかが重要である。引き続きお願いしたい。

 (4−2)各省庁概算要求ヒアリング(原子力安全委員会)

標記の件について、長野課長補佐より資料4−2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(藤家委員長)  「1.」の「安全対策機能」の内容を具体的に教えてほしい。
(長野課長補佐)  これは、「2(1)知的基盤の整備」を指している。
(竹内委員)  「リスク・コミュニケーション」については、前回も議論したことだが、リスクばかりでなく原子力の恩恵についても考慮してほしい。
(藤家委員長)  耐震安全性については、かなり前から議論されてきたと思うが、指針にまとめているところなのか。
(長野課長補佐)  いつまでに、ということは決まっていないが、指針改訂に向けて検討をしているところである。
(藤家委員長)  実際の審査には反映されているのか。新しい知見が得られる度にそれを反映していく、というのが安全規制の基本だと思う。
(長野課長補佐)  既存のデータに基づいて審査しているところは、反映されている。技術的な知見が高まってきているので、そういったものを全体的に指針に反映することを行っているところである。
(藤家委員長)  設計安全について見てみると、重大事故や仮想事故を想定した設計条件は、通常の設計条件とかなり差がある。一方で、事故が起きて、設計安全から運転安全、防災対策といったところまで考えるようになったが、全体を見るということをしているのか。防災対策と実際の設計との関係をどうするのかについて今後議論していくのか。原子力安全委員会では、リスクをベースに考えることとしているが、今の審査は決定論がベースになっている。もう少し現実的な安全規制にしたらどうか、という議論も続いていると思う。難しい問題なのでなかなか成果は出ないと思うが、とても関心を持っている。引き続き検討をお願いしたい。

 (4−3)各省庁概算要求ヒアリング(原子力委員会)

標記の件について、後藤企画官より資料4−3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

(遠藤委員長代理)  新規に要求している項目が2つある。「市民参加の促進」がその1つだが、市民参加懇談会は今年も実施している。今年度の予算はどの項目に当たるのか。
(渡辺参事官補佐)  市民参加懇談会開催の経費は、他の専門部会と同様に「原子力委員会運営」の項目の中で実施してきた。懇談会の活動は、これまではフィージビリティ・スタディのようなものとしてだが、来年度は正式な事業とするということで新規に要求している。
(遠藤委員長代理)  「原子力政策に対する国際協力の強化」も新規項目だが、今年度までの予算は、別の省からの付け替えだったのか。
(大熊政策統括官)  これまでもFNCAで大臣級の会合を実施しているが、その会合を支え、部会クラスでの実施体制を充実させるために、新規に要求したものである。

 (5)福島県知事の「エネルギー政策における疑問点」に対しての基本的な考え方について

標記の件について、以下のとおり意見交換があった。

(後藤企画官)  本資料は、先週の定例会議での議論を踏まえ、より分かりやすい内容に修正したものである。22日(木)に福島県知事あてに郵送した。
(藤家委員長)  知事からご返答はあったのか。
(後藤企画官)  昨日、福島県のエネルギー政策検討会を開催し、知事がプレスに対しコメントしたと聞いているが、正式な返事はまだいただいていない。
(藤家委員長)  正式な返事をいただいてから、次のステップを具体的に考えるべきだと思う。
(遠藤委員長代理)  先日の福島県知事との意見交換は、出発点としては良かったと思う。しかし、時間的な制約があって、こちらから説明しきれないところがあった。再度、意見交換の場を設け、我々の考えをより詳しく説明したいと思う。そのときのためにこの資料を作成したわけであり、簡単に説明できることではないので、意見交換の場でより詳しく説明したい、という希望を持っている。
 個人的な考えだが、核燃料サイクルについては、原子力委員会が設置されたときから主張していたとおり、エネルギーセキュリティの観点から避けて通れないものである。ウラン資源も、ワンスルー、つまりリサイクルしないで処分してしまうと、コスト上のメリットが少しあっても、化石燃料と変わらなくなってしまう。それを乗り越えるものが、核燃料サイクルだと思う。再処理しないでワンスルーとする場合、使用済燃料はどうするのか、という課題が出てくるが、どのようにこの点を考えていらっしゃるのか。これは、国全体としての課題だが、立地県での課題でもあるのではないかと思う。国民の皆さんに対して、核燃料サイクルについて説明していくことは、原子力委員会の責務だが、立地県としてはどうするのか、ということも考えなければならないと思う。こういった現実論についても議論を続けたいと考えている。
(竹内委員)  意を尽すためには、対話が必要だと思う。是非、核燃料サイクルの意義をご理解いただけるよう対話の場を設けたい。
 核燃料サイクル事業は、2、3回前の原子力長期計画から謳われている大きなプロジェクトである。電力自由化やコストなどいろいろな議論があるが、エネルギーセキュリティについて議論するときは、国民の皆さんが、これから20年、30年先あるいは半世紀先どうなるのかについて考えることが重要である。ウランを一度しか使わないとすると、遠藤委員長代理の意見のとおり、化石燃料とあまり変わらない。むしろ原子力の方が、放射能の問題があるのでわずらわしいところがある。核燃料サイクルは、ウラン資源を半永久的に使うことができる、といった可能性を持っている。
 我が国では、原子力の技術を20〜30年積み上げてきており、今それが日の目を見ることになるところである。それを気楽に政策変換して良いのだろうか。このように、止めたらどうかといった議論があるので、これからも話し合っていかなければならないと思う。
 核燃料サイクルについては、何回も原子力長期計画で決められてきているので、大きな慣性を持つプロジェクトである。是非、六ヶ所の再処理施設を中心にサイクルの1回り目が完成しようとしているところなので、このまま進めるべきであり、そのように信じてこれまでやってきている。機会があれば、このようなことを話していきたい。
(藤家委員長)  福島県知事との意見交換では、原子力委員会の基本的な考え方について、エッセンスだけを取り上げてご説明した。この資料は、考え方のエッセンスだけを引き出して、最小限の説明しか書かれていない。最初から、この資料は舌足らずと思われるかもしれない、これはあくまでも対話のときの参考であり、拙速と言われても、早いレスポンスが大事だ、ということで出したものである。この資料の説明は、国民全体を対象としたものではなく、福島県との関連性が非常に強いので、もし知事のご発言のとおり、国民に対して説明をしてほしい、ということであれば、これを県民と置き換えて考えた方が良いのではないかと思う。そうであれば、別に話し合いの場を設けることも可能である。例えば、立地地域の市町村に伺って、核燃料サイクルの意義をもっと分かっていただくようにすることが大事である。核燃料サイクルについての国民の皆さんに向けた説明は、知事に言われるまでもなく、これまでずっとやってきている。もちろん、これをさらに強化する必要があることも我々は十分理解している。これらの点についての整理をきちんとしておくことが重要である。これは、立地県の方々との話し合いを行うときの最初のポイントだと思う。原子力委員会らしい姿勢を保ちながら、やっていくことが大事だと思う。
 各委員のご意見のとおり、やはり対話を継続する必要がある。先日の意見交換会では、対話が不十分だったということをお互い認識している。原子力委員会としてはその準備をしていたが、十分に説明できなかった、それを少し整理したものがこの資料である。引き続き対話の継続を求めていきたい。
 我が国では、国が決めたことを国が自分の土地で実施する、というとはできない。必ずどこかの都道府県で実施することをお願いしなければならない。我が国は、全体主義でも独裁主義でもないので、国と地方は、相互理解と緊張感の持続が必要だと思う。それは国の問題だから国だけで、県の問題だから県だけで、という話ではないと思う。

 (6)その他

  • 事務局作成の資料6の第31回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。
  • 事務局より、9月3日(火)の次回定例会議の議題は、各省庁の原子力関係経費の概算要求のヒアリング等を中心に調整中である旨、発言があった。