平成15年度原子力関係経費の見積りについて(総務省)
平成14年8月27日
総 務 省 消 防 庁
- 1.原子力防災体制の確立に向けた施策に係る予算要求の基本方針
総務省消防庁としては、従来より、原子力防災体制を確立するため、地域防災計画作成マニュアルの作成・見直し等や消防活動対策マニュアルの作成・見直し等を行ってきているが、地方公共団体における事前の計画策定から原子力災害発生時の応急対策までを全般的に地方公共団体へ指導等を行うため、今年度においても所要の額を下記のとおり予算要求することとする。
2.平成15年度予算概算要求事項(案)
(1)原子力災害対策の指導等に要する経費
○ 要求予定額
16,370 千円(調整中)
○ 平成14年度予算額
9,044 千円
○ 施策内容
- 従来より、原子力防災体制を確立するため、1)地域防災計画作成マニュアル等の見直しに伴う体制整備に係る指導や2)地域防災計画及び消防活動マニュアルの実効性に関する検証について検討委員会を設置して検討を行い、その成果に基づいた地方公共団体への指導等を行うための予算を要求してきているところであるが、平成15年度においては、原子力防災体制の更なる充実を図るため、次のとおり各種マニュアルの作成・見直しを行うために所要額を増額して要求することとする。
1) 原子力防災訓練マニュアルの作成
平成13年度中に原子力災害対策特別措置法により設置が定められている緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)が所在道府県において全て整備が完了したこと等を踏まえ、より実践的な原子力防災訓練が地方公共団体において実施できることに資するために作成しようとするものである。
2) 地域防災計画(原子力災害対策編)作成マニュアルの修正
平成14年4月に防災基本計画が修正され、また、先般、関係省庁により作成される原子力災害対策マニュアルへ輸送編が追加されたこと等を踏まえ、「地域防災計画(原子力災害対策編)作成マニュアル」について所要の見直しを行おうとするものである。
3) 原子力施設等における消防活動対策ハンドブックの作成
「原子力施設等における消防活動対策マニュアル」を平成13年5月に地方公共団体へ配布しているが、消防活動を的確に実施できるよう、原子力施設等において消防職団員が現場で活用できるような、必要な情報がコンパクトにまとまった「原子力施設等における消防活動対策ハンドブック」を作成しようとするものである。
- (2)消防活動が困難な空間における消防活動支援情報システムの開発に要する経費
○ 要求予定額
102,656 千円(調整中)
○ 平成14年度予算額
100,537 千円
○ 施策内容
- 平成12年度補正予算により開発した「大深度地下等における消防隊員の位置特定システム」を基に、平成14年度においては、高度なセンサー技術であるリングーレーザージャイロ等、更なる高度IT技術を活用して、平常時のみならず、原子力災害発生現場や大深度地下等、消防活動が困難な空間における災害発生時の施設の状況下において、消防隊員の位置、行動軌跡及び身体状況の表示機能、有毒ガス等の環境状態並びに現場指揮本部からの指示命令に対する応答機能等を搭載した実用的な消防支援情報システムを開発しているところである。
平成15年度においては、これらの開発結果を踏まえた製品の実用化を目指した開発を引き続き行おうとするものである。