平成14年8月
内閣府
文部科学省
経済産業省
- T.趣旨
- 原子力開発利用長期計画においても示されているとおり、原子力の開発利用に当たっては核不拡散への配慮が不可欠である。特にプルトニウム利用に関しては、NPT体制のもとでIAEAの保障措置により厳格に管理するとともに、管理の透明性の確保に取り組むことによって、国内外の理解を得てきたところである。「我が国のプルトニウム管理状況」は、このような観点から前年末時点における利用形態も考慮した施設区分ごとのプルトニウムの量を取りまとめて公表するものである。
- U.公表データについて
- 1)プルトニウム量は元素重量をkg単位で示し、カッコ内は昨年の公表値である。
2)「分離プルトニウム」とは、再処理工場で分離されてから原子炉に装荷されるまでの状態のプルトニウムを示す。これには次のものが含まれる。
3)「海外の酸化プルトニウム」とは、我が国の電気事業者が英仏に再処理を委託し、既に分離されたもので、まだ我が国に返還されていないものを示す。これらは基本的に海外でMOX燃料に加工し、我が国の軽水炉で利用する予定。
- 再処理施設:抽出工程において分離された硝酸プルトニウム溶液、混合転換工程において転換された酸化プルトニウム
- 燃料加工施設:原料として貯蔵されている酸化プルトニウム、燃料加工工程にあるプルトニウム、燃料体製品。
- 原子炉等:常陽、もんじゅ、ふげん、実用発電炉においては新燃料として保管されているもの。研究開発においては大学・研究機関において研究用に保有しているプルトニウム及び臨界実験装置用燃料。
4)上記の「分離プルトニウム量」は、ある時点(2001年12月末)での保有量を示すものであり、これだけではプルトニウムの使用状況が明確でないため、「分離プルトニウムのうち酸化プルトニウムの使用状況」として、以下の数値を示す。
5)「国際プルトニウム指針に基づきIAEAより公表されている各国のプルトニウム保有量」は、IAEAが公表している各国の国内に保有するPu量を一覧としてまとめたものである。
- 供給量(JNC再処理施設回収量):JNC再処理施設において回収され、酸化プルトニウムに転換された量。
- 供給量(海外からの移転量):海外再処理によって回収された酸化プルトニウムを燃料体に加工せずに国内に輸送した量。
- 使用量:燃料加工施設において、原料貯蔵区域から加工工程に払出した酸化プルトニウム量。