平成14年8月20日

福島県知事
 佐藤 栄佐久 殿

 拝啓、時下益々ご清勝のこととお慶び申し上げます。

 平素より、原子力政策の遂行に格別のご配慮を賜り、厚く御礼申し上げます。
 6月12日付け貴知事宛書簡でご提案させていただいた、原子力委員会との意見交換につきましては、去る8月5日に福島県エネルギー政策検討会の場において、その機会を作っていただきました。原子力委員会は貴知事との意見交換が実現しましたことを大変意義深いものと考えております。
 実施にあたり貴知事をはじめ、貴県当局の皆様にご尽力いただきましたことは改めて感謝申し上げます。

 当日は2時間半と限られた時間ではありましたが、貴知事から、ご就任以来の思いを直接伺うことができましたことは、当委員会にとりまして、大変有益でございました。当委員会からも、原子力政策についての考え方を十分説明申し上げたいと考えておりましたが、時間的な制約から、貴知事からご提示のあった「エネルギー政策における疑問点」に対して、十分な意見交換を行うことができなかったことは誠に残念でした。

 その後、報道機関が伝えるところによりますと、「原子力委員会が国民に対してどのように説明していくか見守っているところだ。」とのご発言をされたと承知しております。当委員会といたしましては、これまでも原子力政策について国民各層に説明させていただいているところではありますが、貴知事のご指摘の点について、委員会としての考え方を今回明らかにしていきたいと考えております。さらに、当委員会としましては、先日ご指摘がありました貴知事のご疑問、ご懸念に応えるために、再度、直接ご説明させていただき、対話を進めさせていただきたいと考えており、9月にも公表するといわれている福島県エネルギー政策検討会の中間報告をとりまとめる前に、貴知事のご都合のつく時間をいただければ幸いに存じます。

 再度、お目にかかれることを祈念し、右、原子力委員会の総意をお伝えいたします。ご返事をお待ちしておりますので、よろしくお願い申し上げます。

敬具


原子力委員会