RCAの活動

1.RCAの参加国別拠出金額及び拠出金の使途内訳

別添資料ご参照。

2.RCAの成果
(1)外交的見地からの成果
IAEAと協力しつつ、原子力分野におけるアジア・太平洋との地域協力を構築。地域レベルでの原子力の平和利用を推進。また原子力利用の先進国である我が国の知見を生かした技術協力が促進されることにより、原子力平和利用の分野での我が国の国際貢献をアピールすることに貢献した。

(2)主な個別プロジェクトでの成果

  • 健康「子宮頸癌のLDRとHDRによる近接照射法による治療」プロジェクト
    LDRとHDRを使った治療スキルの向上と近接照射法機器の使用における品質保証プロトコルを発展。特に我が国においては群馬大学で開催されたトレーニングコースを通じて、アジア諸国の医療関係者の技術向上に貢献した。
  • 工業「携帯型微弱放射の計測器を用いる鉱物資源の回収最適化」プロジェクト
    我が国拠出ファンドにて購入された計測機器1台をヴェトナムに設置。同計測器を活用した鉱物(石炭)産業での技術運用(鉱物資源回収)及び微弱放射線源応用の技術移転を行うことで、被援助国への経済効果、原子力技術の利用普及に貢献した。
  • 放射線防護「放射線防護の促進と調和」プロジェクト
    事故対応、医療分野の防護、工業分野の防護、職業被曝管理のそれぞれの分野で各国の必要度に応じたトレーニング、研修等を行い、原子力技術の安全な利用を確保することに貢献。
  • 環境「農林産廃棄物の放射線利用」プロジェクト
    3つのサブプロジェクトが実施され、IAEAが強く期待していたエンドユーザーへの技術移転に関し、各々の分野で実用化の見通しが得られた。


3.上記成果に対する評価
  • RCAの活動促進は原子力の平和利用推進という我が国の政策と一致しており、この観点からRCA活動の促進を評価。また、原子力の平和利用の促進が国際社会の不拡散体制を強化するものとして不可欠な方策であり、右を推進する我が国の外交政策の強化に繋がるものととして重視している。
  • RCAの活動は、上記2.のような個別のプロジェクトの成果と同時に、リードカントリー制度の確立、韓国地域事務所の設置等、組織の効率的な運営のために加盟国がパートナーシップの精神をもって尽力しており、我が国もこれを評価。RCA活動がより効率的かつ地域に密着したものとなるよう今後も協力していく所存。
  • 他方、加盟国のトップドナー国である我が国としては、限られた予算においてより効率的な貢献を目指しており、重要度や緊急度をみつつ、めりはりのある貢献を目指している。特に医療は、我が国の高いレベルの知見を生かすことができる分野の一つであり、リードカントリーの任を引き受けるなど、同分野の活動への支援を重視。 

4.RCAの協定延長決定理由
RCA協定の延長決定については、RCAが、(1)原子力分野におけるアジア・太平洋との地域協力を構築する枠組みであり、地域レベルでの原子力平和利用を推進する意義を有すること、(2)RCAの各分野の活動で、原子力利用の先進国である我が国が積極的に貢献することで、各国の福祉向上に資すること及び我が国の国際貢献の姿勢を強くアピールすることができるとの観点から有意義であることから延長を決定したもの。
拠出金についても、上記の趣旨に鑑み、各プロジェクト・コーディネーターの要請を基に、真に必要なプロジェクトに対し資金の効率的な運用が確保されるものについて精査して拠出を決定している。


1997-2001年の各国別拠出