平成14年7月23日
文部科学省

第8回原子力二法人統合準備会議 有識者意見の概要

(住田裕子委員)  「『もんじゅ』事故などを契機とした動燃改革により」というところは、「その反省の上に立った」のような一言を入れていただきたい。
(秋元委員)  統合の意義の一番頭に「研究開発事業の整理合理化」が出てくるのは、やや全体の二法人統合の意義というのが後ろ向き。
(住田健二委員)  「広義の放射線利用」について、はっきりと大項目に挙げるなら挙げるらしく、もう少し書いてほしい。例えば「エネルギー・セキュリティと地球環境」の合い言葉に「放射線利用による推進」とか。
 原研は、共同利用研究所として大型研究施設の利用によって、科学技術の基礎研究に対して寄与している。歴史的な経緯のところで重要視していただきたい。
 研究炉についてあまり書いていない。特に原研がこれまで研究炉を実際にいろいろつくって動かしてやってきたことを、どこかで少し書き込んでいただきたい。
(熊谷委員)  新法人設立の積極的な意義の最後の段落の最初の2行あたりは先頭にこないほうがいいのではないか。
 「エネルギーセキュリティと地球環境保全の観点」というのは、非常に大きい柱だが、頭の部分でエネルギーの問題だけを取り上げて、「放射線利用」や「加速器」がないのはいいのか。
(田中委員)  問題の経緯というようなことから始めないで、「はじめに」というタイトルで、統合への強い意思というようなものをうたいたい。
(秋山委員)  12の研究所、事業所を基本的にどのような観点で再編していくか、というあたりを書き込む必要はないのか。
(住田裕子委員)  各部門、各組織等の有機的な連携というようなキーワードを散りばめていただきたい。例えば、「各部門についても有機的に連携させる」とか。
 「(5)安全確保の徹底と立地地域との共生」に関して、対外的に見たときの責任体制を明確にしていただきたい。
(小林委員)  事業者の使命というものは書いてあるが、国と新しい法人とのそれぞれの責任の所在を。国が少し表に出てきていただきたい。
(木村委員)  独立行政法人になるときに、12の研究所、事業所はこのままの形でいくのか。12は必ず数として存在する、と考えるのか。
(住田健二委員)  「新法人の業務としてふさわしい範囲で」と、放射線利用研究に対して但し書がついていることの意味は何かあるのか。その議論を改めてやるということなら、前向きに取り上げる姿勢が欲しい。
(秋山委員)  大学で抱えている困難な課題、研究炉の燃料の最終的な管理等について、新法人と大学とで困難な課題を緩和する、相乗効果を生かしていくということでお願いしたい。
 核不拡散の活動の強化に資する全体的な活動の中で、そのための技術面での貢献を主にした受け皿、例えば核不拡散のための国際的な技術協力センターというようなイメージのものを。
(秋元委員)  新法人の今までの業績がどうなるかまで議論が深まらない。料理の中身を議論しないと、どんなお皿を用意したらいいかも出てこない。だから、どうして二法人の統合が必要で、将来はどんな明るい未来があるのか、ということについて説得力がない。
 どこが日本の放射線利用の中心になって全体の流れを引っ張っていくのか、というのが見えてこない。
 国際協力についても、アメリカ、フランスなどとどういう協力をしていくか、アジアの研究機関とやっていくか、というような問題についてももう少し出てくる必要がある。
(秋山委員)  ITERを支える物理・化学的な基礎研究のような基礎的な研究開発の活動を、新法人の中で目配りいただきたい。
(田中委員)  新しい法人の一つの夢の部分として核融合というのはやはり必須条件ではないか。
(小林委員)  ITERは別枠で。エネルギー予算とはなじまない。
 デコミや処分費用について、新法人発足前にぜひ国が関与して、新しいスキームをつくって、将来、新法人が憂いなく研究開発に進めるようにしていただきたい。
(木村委員)  運営費交付金で廃止措置のお金あるいは廃棄物の処理費用を出すということはおそらく不可能。仕組みを考えておかないと、独立行政法人としては成り立っていかないのでは。
(秋元委員)  経営基盤の確立という点で、廃棄物の問題はやはり非常に問題。原子力関係の一般予算が毎年減り続けている中から廃棄物関連やITER関連のお金を出すと、新しい研究をやる余地はなくなる。新法人の前向きのところには予算は確実に確保する、というような枠組みが必要。廃棄物関連については、具体的な枠組みを、国が積極的に主導して、発足の前に決めていただきたい。
(住田裕子委員)  独立行政法人となると、新たな会計制度が導入されるので、適切な公正な会計諸原則の趣旨を踏まえて、ということについてどこか一言と入れていただきたい。

注)本資料は、第8回原子力二法人統合準備会議における有識者委員の発言をもとに、事務局において作成したものであるが、その内容については未だ各有識者委員の了解を得ていない。