平成15年度予算要求に向けての考え方

平成14年7月23日
文部科学省原子力課

  1. 中長期的な原子力研究開発予算の考え方

     原子力研究開発は、国の存立にとって基盤的であり、長期的な取組みが必要。
     文部科学省としては、平成12年11月に原子力委員会が策定した「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」の着実な推進のため、特に、当面、以下の取組みが重要と考え、適切な予算が確保できるよう努力してまいりたい。

    • 原子力の安全確保と防災対策の推進
    • 原子力やエネルギーに関する教育環境整備
    • 原子力二法人の放射性廃棄物処理処分及び施設廃止措置の計画的推進
    • 高速増殖炉開発をはじめとした核燃料サイクルの実現のための研究開発推進
    • 様々な科学技術分野の発展を支え、将来の経済、社会のニーズに応える原子力科学技術の研究開発推進
    • 核不拡散の国際的課題に対する取組み
    (以上、長期計画掲載順)


  2. 平成15年度予算要求に向けての主な考慮事項

    • 「もんじゅ」のナトリウム漏えい対策等に係る改造工事
       高速増殖原型炉「もんじゅ」については、昨年6月に経済産業省へ原子炉設置変更許可申請を提出したところ。今年5月には、経済産業省原子力安全・保安院から原子力委員会及び原子力安全委員会へ諮問されたところ(2次審査)。今後、安全審査の終了を待って、地元の了解を得た上で、改造工事に着手する予定。

    • 国内誘致を視野に入れたITER計画の推進
       総合科学技術会議の結論を基に、閣議において、「我が国は、国際協力によってITER計画を推進することを基本方針とし、国内誘致を視野に入れ、協議のために青森県六ヶ所村を国内候補地として提示して政府間協議に臨むこと」を了解したことを踏まえ、ITER計画を推進する。

    • 大強度陽子加速器計画の着実な推進
       世界最高レベルのビーム強度を持った大強度陽子加速器の建設を着実に進める。   

    • 革新的原子力システム公募事業の円滑な実施
       産学官連携による革新的原子力技術の開発(公募型研究)を、14年度に引き続き着実に実施する。

    • 原子力艦の原子力災害にかかる放射線モニタリング体制の整備
       本年4月23日に修正された「防災基本計画原子力災害対策編」を受けて、横須賀、佐世保、沖縄の3港周辺の放射線モニタリング体制を強化する。

    • 六ヶ所再処理施設に対する保障措置体制整備
       六ヶ所再処理施設の平成15年度ウラン試験開始に伴う、保障措置検査(査察)及び六ヶ所保障措置分析所(オンサイトラボ)の運用を開始する。

    • 原子力・エネルギーに関する教育の環境整備
       都道府県が実施する原子力やエネルギーに関する教育の取組みを支援する原子力・エネルギーに関する支援事業交付金制度の着実な運用を図る。

    • 日本原子力研究所と核燃料サイクル開発機構との統合に向けた取組み
       統合に向けた研究開発、業務運営等の効率化のため、先行的取組みを実施する。



ナトリウム漏えい対策等に係る改造工事


国際熱核融合実験炉(ITER)計画の概要


大強度陽子加速器計画の推進


産学官連会による革新的原子力技術の開発(公募型事業)


原子力軍艦防災体制の構築


六ヶ所再処理施設等に対する保障措置実施体制整備


「原子力・エネルギーに関する教育支援事業交付金」について


原子力二法人の統合に向けた連携・協力の推進