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第26回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日時 2002年7月2日(火)10:30〜12:00
2.場所 中央合同庁舎第4号館7階 共用743会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員長代理、木元委員、竹内委員
内閣府
 浦嶋審議官
 榊原参事官(原子力担当)、後藤企画官、渡辺参事官補佐
外務省科学原子力課
 馬越課長補佐

4.議題
(1)平成15年度原子力関係予算の処理について
(2)「市民参加懇談会in東京」開催(案)について
(3)原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)について
(4)原子力委員会へのご質問・ご意見について
(5)その他

5.配布資料
資料1 平成15年度原子力関係予算の処理について(案)
資料2−1 「市民参加懇談会in東京」開催計画(案)
資料2−2 「市民参加懇談会in東京」の参加者の募集について
資料3 アジア原子力地域協定(RCA)概要
資料4 原子力委員会へのご質問・ご意見について(集計結果)
資料5 第25回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
  • 議題の変更について、後藤企画官より以下のとおり説明があった。
    (後藤企画官)  先週、外務省よりIAEA理事会についてご報告いただく旨ご連絡したが、IAEA理事会は、原則として非公開を前提として、各国代表が総会に向けて忌憚のない意見交換を行う場であり、特段の事情がない限り、参加各国との信頼関係に鑑みて、その概要を公にすることは適当でない。これに加え、今回の理事会では、来るべき総会へつなげてゆくための準備的な議論を行ったのみであり、報告に値するような特段の成果はなかった。今後の議論の成熟を踏まえた上で、本年の総会の成果を報告することが適当との理由により、今回は報告を見合わせたいとの申し出があった。
    (藤家委員長)  これまで総会の結果については報告を受けていた。理事会で何か問題が生じたときは別途相談していきたい。総会の結果については、従来どおりきちんと報告してほしい。

 (1)平成15年度原子力関係予算の処理について

 標記の件について、渡辺参事官補佐より資料1に基づき説明があり、以下の意見交換の上、決定された。
(藤家委員長)  ご存知のとおり、原子力関係予算の見積もりは、原子力委員会にとって重要な仕事であるが、予算の額が入った段階で審議することは非常に大変なことであり、苦労している。先日の定例会議でも当面の重要課題について議論したが、中長期的な展望を明確にしながら、この課題に対処していきたいと思う。
 近年、原子力予算についての議論の範囲が広がってきている。具体的には、一方で、大学との連携強化が必要とされ、他方で、技術移転も含めて民間との連携が重要視されている。これは、原子力二法人の統合計画の議論でも取り上げられている。こうした点について明確にするために、資料の「備考」に大学の研究経費の報告について追記している。これは2年前から取り組んでいることである。
(木元委員)  藤家委員長の意見のとおり、予算の額が出てきても、それは妥当か、本当に必要なものか、あるいはもう少し見直しが必要なものか、徹底して検証することまでは時間的にできない。このような矛盾を抱えながら、予算を認めていかざるを得ないところがあり、少し居心地が悪く感じる。原子力予算は、国民の皆さんから、なぜここにこんなに使うのか、あるいは、これは必要だからこの額は妥当だ、といった声があるので、国民の皆さんがどこに疑問を持たれているのか吸い上げて、私達もそこを重点的に審議する、といったプロセスが必要だと思う。これをどのように進めるのか、悩ましいことである。
(遠藤委員長代理)  そのとおりであり、非常に難しいことである。これまで、原子力委員会として何をすべきか、という自問自答を繰り返してきている。
(木元委員)  そこまで徹底的にチェックできないもどかしさがある。できる限り検討していくしかないと思う。
(遠藤委員長代理)  同感である。より意味のある審議をしたいと思う。
(木元委員)  そのためには、1年間続けて検討していかなければならないと思う。こちらから求めない限り、過去にこれだけの予算を使い、これだけの成果を出した、ここはもう少しなのでさらに続けたい、といった報告や要望が出てこない。過去にこれだけの予算をとったので、今後もそうする、といった流れ作業のようなところもあるのではないか。どのようにそれを見極めれば良いのかが重要である。
(藤家委員長)  そういった問題意識を持っているので、今年はいろいろな観点から検討を始めている。例えば、研究開発費や施設等の維持費、人件費はどのくらい占めているのか、といった観点からの検討もできる。また、政策の重要度の分類を行ってきており、原子力政策の中で核燃料サイクルが最も重要なものだと考えている。将来展望を考えると、特にITERについては、その費用を果たして従前の原子力予算の中で考えていくことができるのか、どのような影響があるのか。中長期的な計画については議論していきたい。原子力二法人の統合に向けての基本的な考え方では、放射性廃棄物の問題をどうするのか、解体をどうするのか、といったことを述べており、中長期的な課題を明確にしながら、原子力関係予算を審議していきたい。
(竹内委員)  評価することが必要である。原子力委員会は、各省各局の予算を細かく審議することはできないので、どのように評価するのかが重要である。
(藤家委員長)  原子力試験研究については、かつて木元委員や私も評価を行ってきたが、昔から比べるとよりしっかりと評価するようになったと思う。特に特殊法人の予算については、従来と比べると評価し易くなってきているが、どのように見ていくのかが重要である。
(竹内委員)  評価においても、重点化志向で行うべきだと思う。
(藤家委員長)  原子力委員会の各専門部会でも、ある程度評価していきたい。
(木元委員)  重点化志向で評価していかなければならないが、そのためには過去に何をやったのか、そして何ができて、何ができなかったのか、どのように今後展開していくのか、ということを事前に知っておかなければならない。そのための資料をなかなか入手できないし、入手できても検討の時間がない。
(藤家委員長)  各省の予算は省ごとにまとめて報告されるので、木元委員の意見のとおり、難しいところがある。予算の審議は非常に重要な仕事なので、きちんと進めていきたいと思う。
 資料に「内閣府政策統括官組織(科学技術政策担当)に提出すること」とあるが、この統括官組織とは何か。
(渡辺参事官補佐)  これは、原子力委員会の事務局のことである。
(木元委員)  関係省庁からの報告の際は、事前にこちらから注文を付けることが必要だと思う。

 (2)「市民参加懇談会in東京」開催(案)について

 標記の件について、渡辺参事官補佐より資料2に基づき説明があり、以下のとおり意見交換があった。
(木元委員)  6月4日(火)の定例会議でも市民参加懇談会について報告したが、柏崎市・刈羽村は日本で最もホットなところであり、地元からのご要望もあったので、まず刈羽村で開催し、次に柏崎市での開催に向けて現在話合いを進めているところである。また当初から、電力の大消費地でも開催する必要があるのではないか、というご意見が継続してあったので、今回、資料のとおり開催することになった。会場は、四ッ谷駅前の主婦会館であり、いろいろな会で使われているところである。この会場は180名ぐらい入ることができるが、お互いの顔が見えるようロの字型の座席配置とするため、また、報道の方のスペースを考慮して、一般公募は80名とさせていただいた。
 テーマは、まだ(案)の段階だが、資料のとおり、おおまかに3つ挙げている。1つ目の「日本のエネルギー需要と供給はどうあったらいいか」については、私達のライフスタイルまで問われるわけなので、それによって供給サイドはどうすべきか。事業者の方々とは違った見解をお持ちだと思うので、それを深めながら、ご意見を伺いたいと思う。また、資料に「エネルギー自給率」とあるが、これは最近着目し始めた言葉である。農業の自給率については、良く知られており、日本の場合カロリーベースで40%である。フランス、アメリカは100%以上、ドイツは100%近く、イギリスは70%強で、日本と比べるとかなり高い。日本では、農林水産省が自給率を上げようと国民に訴えかけたり、生産者保護やセーフガードといった施策をとったりしているが、エネルギーに関してはそういう施策は出てこない。エネルギーの自給率は、原子力を含めると20%、原子力を含めないと4%ということであり、かなり頼りない値である。日本で生活レベルを現状ぐらいで安定させると、このぐらいのエネルギーの需要がある、そうすると供給は輸入に頼らざるを得ない、その中で石油・石炭をどうするのか、原子力はどうするのか、といったように考える必要があるので、「日本のエネルギー自給率を考える」といったテーマを取り上げた。このテーマについては、コアメンバーの委員からいろいろとご意見があり、この自給率を考える場合には、経済性や安定供給性、どれだけ二酸化炭素を出すのかといった環境特性、大陸の国々のように他国からラインで持ってくるわけにはいかない、といった地理的特性についても考慮しながら、話合いを進めたいと考えている。
 もしかすると、このテーマだけで時間が足りなくなってしまうかもしれない。あるいは、このテーマについて議論しないで、ずばり原子力発電をやっていこう、といったご意見が出るかもしれない。そこで、原子力発電は日本に必要なのか、あるいは全く不要なのか、といったように、はっきりしたところからスタートしたらどうか、といったご意見もあった。必要であればなぜ必要なのか、あるいは不要と考える方はどうして不要と考えるのか、その場合、どのように電力を補填すれば良いのか、といったところまで論議ができれば良いと思う。
 最も重要なことは、懇談会の会議や柏崎市の方々との話合いなどでいつも出てくることだが、原子力政策決定過程において市民の声がどれだけ反映されているのか、ということである。原子力委員会としては、パブリックコメントを募集したり、円卓会議を開催したり、国民の皆さんの声を聞く機会を設けているが、私が見聞きした範囲では、意見として採用されなくても、確かに声は行政に届いている、といった確証を得る段階がないのではないか。そういうことを踏まえ、テーマの3つ目に「原子力政策決定過程と市民のかかわり」を挙げている。国の政策の内容ではなく、政策を作る過程で市民がどのように関われるのか、また、意見をどこにどう持っていけば良いのか、といったことについて具体的に話合いができれば良いと思っている。それと併せて、原子力委員会とはどのようなものか良く分からない、何をするところなのか、といった声もあるので、原子力委員会の存在をもう少しクリアにしたいと思う。また、原子力委員会に対しても、もっと積極的になってほしい、違う展開をしてほしい、といったご意見があるので、是非伺いたいと思う。また、市民参加懇談会への期待もあるので、併せてご意見を伺いたい。
 市民参加懇談会in東京においても、広聴、つまり広くご意見を聴くことから始めたいので、まず資料2−1の2頁の方々からご意見をいただいて、その後、意見交換を行いたいと思う。また、ご提言いただいた方々の間でもご議論があるのではないかと思う。
(竹内委員)  最初にご意見を伺う方々の発表時間はどのくらいか。
(木元委員)  15分である。残りはフリーディスカッションになる。ご意見を述べていただいた後、それはどうしてか、もう少し詳しく聴きたい、ということがあると思う。開催時間は3時間であり、十分に時間をとっている。
(遠藤委員長代理)  原子力委員は、基本的に傍聴することになるのか。
(木元委員)  原則としてはそうである。もちろん、手を挙げて発言することはできるし、是非発言してほしい。
(藤家委員長)  テーマがとても良いと思う。例えば、今年1年間、同じテーマで懇談会を行うのも良いと思う。
(木元委員)  原子力委員会の存在・役割については、初めはその話合いの実施について否定的なご意見もあったが、やはりやろう、ということになった。これは原子力委員会のプレゼンスを明らかにすることにもなり、私達では見えないこと、気付かないことを知ることができるかもしれない。
 市民参加懇談会の基本テーマは、1つ目の「日本のエネルギー需要と供給はどうあったらいいか」である。その次に、政策はどうあるべきか、と展開される。また、柏崎市の方々との話合いでは、原子力委員会の存在についても具体的に質問されたので、議題にきちんと取り上げたいと考えた。
(遠藤委員長代理)  今年度は何回ぐらい開催する予定か。その次の懇談会についてはどうお考えか。
(木元委員)  年に4回ぐらい開催したい。次の懇談会は、柏崎市で開催したいと考えているが、柏崎市議会で動きがあったり、プルサーマルを導入するか否かといった動きがあったりするので、それらを踏まえた上で、いつ頃が良いと柏崎市の方で判断してくださると思う。ご出席いただくメンバーについても、継続して話し合っているところである。出席したくないとおっしゃっている方もいらっしゃるが、今後詰めていきたい。この他に立地地域としては、敦賀や福島、青森も挙げられる。既に九州からもお声がかかっている。それと並行して、大阪や福岡で開催することも考えている。いつどこで開催するかは決まっていないが、同時並行で調整を進めていきたい。
 また、10月26日の「原子力の日」の前後に、大きなイベントを開催したいと思っている。このイベントは、今年の2月9日に開催された「エネルギー・にっぽん 国民会議」in東京に近いものを考えている。どのような方に出席をお願いするかは未定であるが、賛成・反対にこだわらず、原子力にこだわって発言している方をお招きしたい。「エネルギー・にっぽん 国民会議」in東京では、大臣もご出席され、エネルギー全般について話し合ったが、原子力のことに限って話し合ってはいないので、是非原子力の日の前後に開催したいと思っている。

 (3)原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練のための地域協力協定(RCA)について

標記の件について、馬越課長補佐より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員長代理)  我が国の平成13年度の任意拠出金は30万米ドルとのことだが、これはRCA予算の1割弱になる。他にどこの国が多く拠出金を出しているのか。
(馬越課長補佐)  IAEAの技術協力基金からの支出が約300万米ドルであり、大部分を占めている。他にどこの国が任意拠出金を出しているのかについては、手元に資料がないので、正確には分からない。おそらく豪州が多く出していると思う。
(遠藤委員長代理)  他国の拠出額は、我が国と比べてどうか、後で報告してほしい。
(馬越課長補佐)  了解した。
(遠藤委員長代理)  RCAのプロジェクトについては、どのように決定しているのか。
(馬越課長補佐)  政府代表者会議を年1回開催し、そこで意見のすり合わせを行い、プロジェクト候補を決定している。今年はソウルで開催された。プロジェクトは最終的に総会で決定される。
(遠藤委員長代理)  プロジェクトの決定では、これだけ拠出金を出しているので、そのプロジェクトにそれだけ使ってほしい、ということができるのか。
(馬越課長補佐)  ストレートにはできないが、ある程度はできる。
(木元委員)  RCAの予算については、どのプロジェクトにどれだけ使っているのか、どのような成果をあげたのか、といった中身が良く見えない。報告もなかった。今外務省は風当たりが強いので、こういった点についても明瞭にしてほしい。
(馬越課長補佐)  もっと透明性を高めていきたい。
(木元委員)  それは当然のことだと思う。RCAでは、もちろん良いことを行っていると思うが、それは原子力の平和利用の観点から見て、本当に妥当なのか、もっとやらなければならないのか、それとも逆に手を引かなければならないのか、といったことについて良く見えていない。そういった評価を行っていると思うが、報告はなかった。
(藤家委員長)  今年RCAを延長する際、我が国の拠出金についても含めて、これまでのRCAをどのように評価した上で、RCAを延長すべきと考えたのか。これについては、まだ報告を受けていない。
(馬越課長補佐)  ご報告する。
(藤家委員長)  原子力委員会では、FNCA(アジア原子力協力フォーラム)を開催しているが、FNCAとRCAとの関係は非常に深い。我が国の国際協力のための拠出金はとても重要な意味を持っていると思うが、一方で、我が国の原子力は、民主・自主・公開を大原則としているので、常に国民の皆さんにその成果を伝えていかなければならない。また、FNCAとRCAとは、どのような相互関係を持っていけば良いのか、どうすればこれからより良い方向に持っていくことができるのかが重要である。
 また、RCAのプロジェクトは他省庁と調整しなければならないはずだが、他省庁との関係はどうなっているのか。まさに原子力委員会は、関係行政機関の調整を行うところなので、先に向けてきちんと行いたいと思う。
(遠藤委員長代理)  日本原子力研究所や放射線医学総合研究所などの専門家の協力が必要だと思うが、それらの機関の所管官庁との関係はどうしているのか。
(木元委員)  いろいろな省庁が関係している。各省庁ときちんとコンタクトをとって進めているのか。また、どのように進めているのか。
(馬越課長補佐)  関係省庁とは調整を行っている。
(遠藤委員長代理)  これについて、関係者から苦情がある。
(藤家委員長)  この問題については、専門家の一本釣り、といったような表現で言われている。
(遠藤委員長代理)  各機関とも限られた人員と予算でやっているので、専門家の一本釣りでは、各機関は対応に困ってしまうと思う。
(木元委員)  その点ついてはきちんと話し合うべきである。どのような人がどのようなことをするのかについて、皆で納得できるようにしてほしい。
(藤家委員長)  関係行政機関との調整については、正面から取り組みたいと思う。どのような形で報告を受けるのか、関係省庁にも出席を求めるのか等について、今後相談したい。拠出金についても、公開の原則に従って正確に伝えていきたいので、先ほど平成15年度の原子力関係予算の処理について決定したとおり、7月中に定例会議で報告してほしい。
(木元委員)  FNCAやRCAについては、外から見ると良く見えない。それらは、どのような関係なのか、重複しているのではないか、一緒に行うことができるのではないか、といったことが良く分からない。
(藤家委員長)  そのとおりである。一般の方には、かなりオーバーラップしているように見えるのではないかと思う。

 (4)原子力委員会へのご質問・ご意見について

 標記の件について、後藤企画官より資料4に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(木元委員)  例えば、「原子力の平和利用について」といった項目をホームページに作り、そこに関連資料を次々に入れておけば良いと思う。
(後藤企画官)  資料を授業に使いたい、というご要望もあった。早急に準備したい。
(木元委員)  質問が来ているかどうか、毎日チェックしているのか。
(後藤企画官)  担当者が毎日チェックしている。
(木元委員)  早急に対応するといっても、すぐに対応できないものもあるのではないか。
(後藤企画官)  原則としては、1ヶ月以内に回答するようにしている。内容によっては、例えば、議論しなければ回答を作れない、といった時間のかかるものもある。
(木元委員)  例えば、その質問については、既に原子力委員会の見解がここにこのように出ている、といったような回答もできるのか。
(後藤企画官)  ご意見「安倍-福田発言に関して」(番号6)に対しては、国会会議録検索システムのホームページを参照して下さい、という形で回答をしている。
(木元委員)  この件に関しては、6月4日の定例会議で議論している。このようなご質問・ご意見に対しては、特に早急に対応してほしい。
(藤家委員長)  原子力委員会の議事録に容易にアクセスできるようにしてほしい。会議では、かなり重要な議論をしている。
(木元委員)  ご質問「原子力発電について」(番号24)では、「今度授業で原発に関する討論をやるんですが、参考になる資料があったらいただきたいのですが。お願いします。」とある。このような場合は、こちらから相手の方に、例えば、いつやるのですか、どこでやるのですか、結果を教えて下さい、といった質問をしても良いのか。このような双方向コミュニケーションがとても重要であり、とても興味のあることである。
(後藤企画官)  どのようなことができるのか検討したい。
(木元委員)  このような方には、是非市民参加懇談会に出席していただきたいと思う。このような市民の方々の声は、非常に大切なものである。
(藤家委員長)  すべての質問に対して回答したのか。
(後藤企画官)  すべて回答したわけではない。資料についてのご質問に対しては既に回答している。
(藤家委員長)  このような報告は、半年に一度では遅いと思う。原子力委員も回答していきたい。ご質問「原子力の将来性」(番号20)に「どうすれば日本原子力委員会に勤めることができますか?」とあるが、どのように回答したのか紹介してほしい。
(後藤企画官)  「原子力委員会は内閣府に設置されており、その事務局に勤務するためには、国家公務員に採用されることが必要です。ただし、内閣府にも様々な部署がありますので、必ずしもご希望どおり原子力委員会事務局に配属されるとは限りませんし、たとえ配属されたとしても、人事異動があることはご承知おき下さい。」と回答している。
(木元委員)  健気な方だと思う。詮索になってしまうので、実際に目的を伺うことはできないが、なぜ原子力委員会に勤めたいのですか、と質問したくなる。
(藤家委員長)  事務局も大変だと思うが、早急に対応してほしい。
(木元委員)  メールだけではなく、手紙も届いていると思う。最近、「ストップ・ザ・もんじゅ」からお手紙をいただいた。こういった手紙についても、すぐに返事をしなければならないと思う。

 (5)その他
  • 原子力の平和利用について、以下のとおり意見交換があった。
    (遠藤委員長代理)  我が国の原子力の平和利用については、ある時期に外国に向けて発信したいと思っており、未定稿だがペーパーにまとめた。関心のある方には、差し上げたいと思う。論点は3つあり、特に3つ目の論点について議論したいと思っている。論点の1つ目は、我が国の原子力の平和利用の基本的な枠組みはどうなっているのか、2つ目は、この基本的な枠組みをどのように国際的に担保していくのか、3つ目は、原子力委員会はどのような役割は果たしていくべきか、ということである。
     1つ目の「基本的な枠組み」については、国内法や政策でいろいろと謳われている。政策については、佐藤内閣が「非核三原則」を採択しており、それ以降繰り返し確認してきている。国内法については、昭和30年に「原子力基本法」が制定され、条約については、昭和51年に「NPT(核兵器の不拡散に関する条約)」に加盟している。我が国では、このように原子力の平和利用を保障する体制が作り上げられている。
     次に、それをどのように担保していくのかが重要である。その方法の1つが、NPTに基づいたIAEAの査察をきちんと受けていくことである。査察については、NPTに加えて「追加議定書」も率先して受諾し、その保障措置をより強化している。また、すべての核実験を禁止する「包括的核実験禁止条約(CTBT・未発効)」も率先して批准し、さらに、二国間原子力協定も結んでいる。この原子力協定では、核物質や核施設の供給国に規制権を認め、平和目的の利用に限定させることができる。現在、この規制権は包括的同意ということで表面には出ていないが、いざとなれば供給国は伝家の宝刀を抜くことができる仕組みになっている。この協定がなくともIAEAの査察で十分に証明されることだが、供給国側は必ずしもIAEAの保障措置を100%信用しておらず、二国間協定を通じての規制を主張しており、我が国は二国間協定を通じても平和利用を担保している。
     最後に、原子力委員会の役割については、「原子力基本法」とともに「原子力委員会及び原子力安全委員会設置法」が制定されており、その設置法に原子力委員会の役割が規定されている。原子力委員会は、原子力基本法の運営が任務であり、「民主・自主・公開」に則って「原子力の研究、開発及び利用は、平和利用に限る、」といった原則を守ることが最大の任務の1つである。これにちなんで、原子力委員会は「平和利用の番人」と呼ばれており、こういった任務をどのように果たしていくのかが重要である。その第一としては、もし我が国の法体系や政策を変更したり、国際条約から脱退したりしようといった動きがあれば、原子力委員会は全力で対決するべきである。第二としては、保障措置は平和利用を担保する有効な手段なので、保障措置を強化していくことである。我が国の保障措置制度は優れていると自負しているが、必ずしもすべての国から認められているわけではない。常に我が身を省みて、これをきちんと実施していく。特にプルトニウムについては、保障措置が万全に行われていることを示していく必要がある。第三としては、日本に対する不信に対してだが、ここまできちんと実施しても、日本は本当のところどうなのか、といった疑念の声がある。何も知らなくて言っているのか、日本たたきのために言っているのか、いろいろな理由が考えられるが、いずれにしても、我が国の立場を海外に常に発信していかなければならない。これは、原子力委員会ばかりでなく関係者もやっていくべきことだと思う。
     最後に、原子力長期計画には、「プルトニウム利用政策について、その必要性、安全性、経済的側面についての情報を明確に発信するとともに、我が国のプルトニウムの利用については、利用目的のない余剰プルトニウムは持たないという原則を踏まえて、透明性を一層向上させる」とあり、原子力委員会は、プルトニウム利用についてしっかりと見ていかなければならない。私個人の意見だが、「利用目的のない余剰のプルトニウム」というのは、一般論であり、具体的な中身となると解釈は容易ではない。これを具体化していくことが肝心である。繰り返しになるが、原子力の平和利用の順守は、原子力委員会の最大の任務であり、こういった方策でその責務を全うしなければならない。
    (木元委員)  本件については、6月4日の定例会議で議論した。遠藤委員長代理の意見のとおり、こういったことは言わずもがなのことである。福田官房長官のご発言があったときに、すぐに対応して、福田官房長官に申し上げなくて良いのか、と申し上げた。それは、原子力委員会の役割だからである。常に危機感を持っていれば、このようなご発言があったときに、すぐに対応できると思う。残念ながら、6月4日の定例会議では、議題「その他」の中で議論したが、それだけではなかなか表に出てこないのではないか。ペーパーを出す方法もあると思う。福島県知事のプルサーマルについてのご発言のときも、すぐに対応すべきであった。プルサーマルについても原子力長期計画に謳っている、利用目的のない余剰プルトニウムは持たないということを諸外国と約束している、といったことを当事者や国民に対して表明していかなければならない。今度、福島県知事が原子力委員会との意見交換に応じていただけることになったのは、うれしく思っている。こういった動きをするのが、原子力委員会である。しかし、それを分かっていて、改めてメッセージを出すのでは、それまでは確認していなかったのではないかと思われてしまう。
    (遠藤委員長代理)  この議論は、6月4日の定例会議の後にも行っており、今日の議論は3回目である。
    (木元委員)  本件については、6月4日の定例会議で初めて口火を切った。沸々と思っていることがあれば、すぐに発信していけば良いと思う。国民の皆さんもそういうことを期待してくれている。
    (藤家委員長)  遠藤委員長代理は、これまでの原子力利用に関する一連の発言は、どのような理解の下で行われてきたと考えているのか。例えば、昭和53年に法制局長官が憲法解釈について述べたが、そのときの話と今回の発言との間に落差はあるのか。
    (遠藤委員長代理)  落差があるとは思っていない。官房長官のご発言の内容は、憲法解釈だけでなく非核三原則についても述べていた。TPOが適切だったかどうかが問題だった。
    (竹内委員)  我が国の理解と海外の理解との間にギャップがあるということだと思う。紛らわしい発言は、このような望ましくない議論を誘発するので慎まなければならない。また、そういった発言をしてしまった場合は、徹底的に解明する必要があると思う。
    (遠藤委員長代理)  そのとおりだと思う。
    (木元委員)  過去にもそういった発言がたくさんあった。原子力委員会は、それをチェックしていかなければならない。また、そういった発言に対して、意見を言っていかなければならないと思う。
    (竹内委員)  そういった発言があると、外国の方は、やはり、と思ってしまうかもしれない。
    (木元委員)  原子力委員会が黙っていると、もっとそのように思われてしまう。
    (遠藤委員長代理)  ニューヨークタイムズの記事が最も包括的な論評であった。そこには、「おそらく日本の最近の発言は意図的でないのだろう。しかし、最近の一連の日本の発言をみると大きな流れが変わりつつあるのではないか。」とあった。
    (木元委員)  日本の新聞でも取り上げられている。それに対しても、すぐに対応し、我々はこういう覚悟でやっている、というメッセージを出さなければいけない。そういったときに、どのように対応するのか、といった姿勢を確立しておく必要がある。
    (遠藤委員長代理)  それについて、個人的に意思表示をしたいと思っている。
    (木元委員)  それについては、我々は既にわきまえていることであり、皆さんも分かっているので、今さら出さなくても大丈夫だと思う。遠藤委員長代理は、改めてという気持ちで書いたのだと思う。
    (藤家委員長)  一般の方々がこれについてどこまで考えているのか、あるいは外国人がこれを見てどう考えているのか、といったデータはないため正確には分からないことだが、このようにしっかりしたものを発信していくことが重要だと思う。既に分かりきったことだ、というところまでは至っていないと思う。
    (木元委員)  私たちには分かりきっていることだが、外に知らせていないのではないか。インドやパキスタンの核実験のときは、原子力委員会から、前例はなかったが「声明」という形で出した。これまでも機会はあったと思うし、それを逃してはいけない。
    (藤家委員長)  本件に対する政府筋の評価とそれ以外の評価に大きな差があるようである。政府筋は冷静にとらえてくれている。遠藤委員長代理のペーパーを英訳して発信することは大変結構なことだと思う。私の意見としては、広島、長崎の悲劇があって現在に至っているという大きな流れをもう少し強く表現した方が良いのではないかと思う。これだけで書くと、どこの国も同じという感じがする。
    (木元委員)  朝日新聞6月5日の記事と6月18日の朝日新聞のコラムを見てほしい。私は、はっきりと書いている。
     また、先日の国会で官房長官の発言に対し民主党の質疑があったが、既に非核三原則を見直さないと言っているのにもかかわらず、小さな核兵器なら持てるのか、その小さな核兵器とはどのようなものか、といったことを質問していた。これは、非常にナンセンスなことである。その野党の質疑に対しても、それはおかしい、と言わなければいけない。基本的なことについて、その度に当事者に対し意見を言う気構えを持っていきたいと思う。
    (藤家委員長)  似たような話が「あかつき丸」の入港のときにもあったが、そのときは法的な議論をあまりしなかった。核不拡散については、「信頼」と「検証」の2つの側面から見ていかなければならない。原子力委員会として主張すべき点はそこだろうと思う。信頼だけでは、だれも信用してくれない。この2つの側面をどのようにとらえるのかが大事だと思う。
    (木元委員)  信頼というのは日本に対する信頼か、それとも原子力委員会に対する信頼か。
    (藤家委員長)  これは日本に対する信頼である。実績を積み重ねてきたことによる信頼であり、過去の悲劇を踏まえ平和目的に限って利用してきたことによる信頼である。また、それと併せて、国際的な条約に基づき査察を積極的に受けることも重要である。
    (木元委員)  だから、そのことを発言する原子力委員会も信頼されなければならないと思う。そのためにも、何かあったら、惜しまなく発言していかなければならないと思う。
    (藤家委員長)  竹内委員は4月30日の青森賢人会議に出席し、平和利用の原則に則ってきちんとやっていく、といった趣旨の発言をしており、これは、社会に対してとても強いメッセージになったと思う。
    (遠藤委員長代理)  やはり、「利用目的のない」や「余剰の」といった一般論から内容を具体化していく必要があると思う。
    (木元委員)  海外には、利用目的のない余剰プルトニウムがたまるのではないか、そうするとプルサーマルはどうなるのか、といった疑いがある。それに対し、私たちは、このようなメッセージを出して、このように活動している、皆さんと一緒に考えよう、と発信していくべきであり、このような行動がなければ信頼されないと思う。

  • 事務局作成の資料5の第25回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。

  • 事務局より、7月9日(火)に次回定例会議が開催される旨、発言があった。また、定例会議の議題について、以下のとおり意見交換があった。
    (藤家委員長)  重要課題がいくつかあると思う。なるべく1週間前の定例会議で次回の議題を紹介するようにしたい。
    (木元委員)  原子力委員からも、議題を出していくべきだと思う。私は、お休みをいただいているが、市民参加懇談会のご報告の際は必ず出席している。それ以外でも重要な課題があれば、都合がつく限り出席したいと思う。
    (藤家委員長)  議題候補はいくつかあるが、相手との調整等のため遅れていると思う。
    (木元委員)  そのような議題候補でも紹介すれば良いと思う。
    (藤家委員長)  先日議論した当面の重要課題について、1つずつ議論していきたい。