東京電力株式会社 柏崎刈羽原子力
発電所 原子炉設置変更許可申請
(1号原子炉施設の変更)の概要について

 

平成14年6月

 


1.申請の概要
 (1)申請者
東京電力株式会社   取締役社長   南 直哉

 (2)発電所名及び所在地
柏崎刈羽原子力発電所
新潟県柏崎市及び刈羽村

 (3)原子炉の型式及び熱出力
型式   1号炉
      濃縮ウラン燃料、軽水減速、軽水冷却、沸騰水型

熱出力  1号炉
      約3,300MW(電気出力約1,100MW)

 (4)申請年月日
平成14年1月25日(平成14年3月8日一部補正)

 (5)変更項目
  1. 1号炉の中性子源領域モニタ及び中間領域モニタを起動領域モニタに変更する。
  2. 1号炉の原子炉緊急停止系作動回路電源を変更する。
また、これらの変更に伴い、計測制御系統施設の構造及び設備の記載の一部を最近の記載形式に合わせる。

 (6)工事計画
本変更に係る工事計画は第1図のとおりである。

 (7) 変更の工事に要する資金の額
  1. 起動領域モニタへの変更に係る工事に要する資金は約8億円である。
  2. 原子炉緊急停止系作動回路電源の変更に係る工事に要する資金は約1,200万円である。
 これらの工事に要する資金は自己資金等により調達する予定である。

2.変更の概要
(1)起動領域モニタへの変更(1号炉)
 原子炉出力は,起動から100%出力まで測定範囲が非常に広いことから,従来は,中性子源領域,中間領域及び出力領域の3つの領域に対して,中性子源領域モニタ,中間領域モニタ及び出力領域モニタの3種類の検出器により計測していた。
 このうち,中性子源領域と中間領域とを1つの検出器で計測する起動領域モニタが実用化され,柏崎刈羽原子力発電所1号炉についても中性子源領域モニタ及び中間領域モニタを起動領域モニタに変更する。
 なお、起動領域モニタは、敦賀発電所1号炉等では、順次、設置変更許可を経て採用され、柏崎刈羽原子力発電所6号炉等では、新設許可当初から採用されている。
 中性子源領域モニタ(SRM)/中間領域モニタ(IRM)と起動領域モニタ(SRNM)との比較を第1表に示す。スクラムトリップ方式を,中間領域における中性子束高または中性子束計装動作不能から,中間領域における原子炉周期短または中性子束計装動作不能に変更する。また,制御棒引抜阻止トリップ方式を,モード・スイッチが「起動」位置にある場合で,中性子源領域における指示低及び指示高並びに中間領域における中性子束低及び中性子束高または中性子束計装動作不能から,モード・スイッチが「起動」位置にある場合で,中性子源領域における指示低並びに中間領域における原子炉周期短及び中性子束高または中性子束計装動作不能に変更する。
中性子源領域モニタ/中間領域モニタ,起動領域モニタシステム構成図を第2図に,炉内検出器配置図を第3図に示す。

(2)原子炉緊急停止系作動回路電源の変更(1号炉)
 柏崎刈羽原子力発電所1号炉の原子炉緊急停止系作動回路用電源には、所内電源切替等により所内電源が瞬時停電しても原子炉緊急停止系作動回路が停電しない、との不要スクラム防止の観点から、MGセット(電動機駆動発電機)を用いている。
 第4図に原子炉緊急停止系作動回路MGセット電源構成、第2表にMGセット設備の仕様を示す。
 以上の原子炉緊急停止系作動回路電源を、柏崎刈羽原子力発電所2〜7号炉の原子炉緊急停止系作動回路で十分な運転実績を有する120Vバイタル交流電源を電源とする設備構成に変更し、MGセット設備を撤去する。第5図に変更後の計測制御用電源系統図を示す。
 なお、120Vバイタル交流電源は福島第一6号炉以降、十分な運転実績を有している設備である。

第1表 中性子源領域モニタ/中間領域モニタと起動領域モニタとの比較


工事計画


第2図 中性子源領域モニタ/中間領域モニタ、起動領域モニタシステム構成図


炉内検出器配置図


第5図 原子炉緊急停止系作動回路MGセット電源構成(現状)、第6図 計測制御用電源系統図


参考図

中性子源領域モニタと起動領域モニタの安全保護機能比較図

中性子源領域モニタ/中間領域モニタと起動領域モニタの安全保護機能比較図


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