高速増殖原型炉もんじゅの原子炉
設置変更許可申請の概要

平成14年5月

1.申請の概要
 (1)申請者
核燃料サイクル開発機構 理事長 都甲泰正

 (2) 発電所名及び所在地
高速増殖原型炉もんじゅ
福井県敦賀市白木2丁目

 (3) 原子炉の型式及び熱出力
型 式 プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料ナトリウム冷却高速中性子型
熱出力 714MW

 (4) 申請年月日
平成13年 6月 6日
(平成13年12月13日 本文及び添付書類の一部補正)
(平成14年 4月12日 添付書類の一部補正)

 (5) 変更内容
1. 空気雰囲気下でのナトリウム漏えいに伴う火災に対する影響緩和機能の充実、強化を図るため、原子炉冷却系統施設のうち、2次ナトリウム補助設備の機能として、2次冷却材漏えい時に当該系統のナトリウムを緊急にドレンできる設計とすることを追加する。
2. 計測制御系統施設のうち、蒸気発生器計装としてのカバ-ガス圧力計の記載の明確化を行う。

 (6) 工事計画
平成14年9月~平成16年1月(17ヶ月)

 (7) 変更の工事に要する資金の額及び調達計画
 本変更に係る工事に要する資金は178億9千万円であり、核燃料サイクル開発機構法に基づく政府出資金により調達する予定である。

2.変更にかかる設備改造の概要等
 (1) 設備の改造
1) 空気雰囲気下でのナトリウム漏えいに対する設計
1.2次ナトリウム補助設備の改造(本文、添付書類)
 2次冷却材ナトリウムの漏えい時に、漏えいを早期に終息させるため、漏えい系統のナトリウムを緊急にドレンできるように2次ナトリウム補助設備を改造することとしている(ナトリウムドレン配管の追加、大口径化等の改造:図Ⅰ)。

2.煙感知型及び熱感知型ナトリウム漏えい検出器の設置(添付書類)
 ナトリウム漏えいの検出機能を強化するため、煙感知型及び熱感知型ナトリウム漏えい検出器を設置することとしている(図Ⅱ)。

3.換気空調設備等の改造(添付書類)
 2次冷却材ナトリウムの漏えい時に、煙感知型等のナトリウム漏えい検出器の信号により換気装置を自動停止させるインタロックを設置することとしている。
 また、漏えいナトリウムの燃焼による圧力上昇を抑制できるように、圧力開放ダンパを設置することとしている(図Ⅲ)。

2) 蒸気発生器伝熱管の破損に対する設計
1.プロセス計装の一部変更(本文、添付書類)
 蒸気発生器伝熱管破損時に水漏えいを確実に検出できるように、蒸発器にカバーガス圧力計を追加設置し、多重性をもった設備とすることとしている(図Ⅴ)。

2. 蒸発器放出弁の追加設置(添付書類)
 蒸気発生器伝熱管破損時に、伝熱管内部保有水・蒸気のブローダウンが早期に完了できるように、蒸発器出入口の放出弁を追加設置することとしている(図Ⅴ)。

 (2) 2次冷却材漏えい事故解析(添付書類)
 設備改造を踏まえ、2次冷却材漏えいを想定した事故解析(漏えいナトリウムによる熱的影響の解析)を行うものである。解析結果の概要を図Ⅳに示す。

 (3) 高温ラプチャ型破損の発生防止(参考文献)
 蒸気発生器伝熱管破損時に、高温ラプチャ型破損による破損伝播の発生が防止されることを示す参考文献を追加するものである。高温ラプチャ型破損の概要を図Ⅵに示す。


空気雰囲気下でのナトリウム漏えいに対する設計 図1・図2・図3


空気雰囲気下でのナトリウム漏えいに対する設計 図4


蒸気発生器伝熱管破損対策


もんじゅの経緯


もんじゅ安全性確認概要図