| (遠藤委員長代理) |
これらの終了課題について、途中の段階で中間評価を実施したのか。 |
| (岩田座長)
| 中間評価を実施したものと実施していないものがある。 |
| (遠藤委員長代理)
| C評価の研究課題があったことは、非常に残念なことである。この研究課題は、中間評価を実施してもこのような評価結果になってしまったのか、あるいはそうではないのか、ということが気になっている。このような評価結果とならないように、中間評価を実施し、必要に応じその段階で計画を見直すべきであると思う。 |
| (岩田座長) |
研究評価ワーキンググループの主査からは、事前評価の時に適切な方向付けが必要だった、とコメントがあった。 |
| (関課長) |
現在の制度では、事前評価及び中間評価を行うことになっているが、その制度は昨年度から、つまり平成14年度にかかる研究課題からであった。C評価になった研究課題は3年計画のものであり、その時点では現在の制度が整備されていなかったので、中間評価を受けていなかった。 |
| (遠藤委員長代理) |
今後さらに原子力の基盤を作り上げていくために、他の分野の方をうまく巻き込んでいく必要がある、というご意見があったが、具体的にはどのように進めていけば良いとお考えか。 |
| (岩田座長) |
新規課題の募集については、できるだけオープンにして実施する方が良いのではないか、と考えている。良いアイデアや良い技術を持っているのにもかかわらず、応募できないところがある。例えば、大学からは、この原子力試験研究に直接応募ができない。オープン・コンペティションが認められれば、研究の中身がさらに向上するのではないかと思う。この原子力試験研究の予算はかなり大きく、これを有効に使えば、よりすばらしい成果を出すことができると思うので、そういった競争を強化していくことが大切だと思う。ただし、競争だけを強化し過ぎると、なかなかモティベーションが強まらない、ということもあるので、非常に良い成果を出した研究に対しては、次へのフォローアップもしっかり行うことが大切だと思う。研究評価ワーキンググループの主査からも、あるテーマについては、ある先生にも研究に携わっていただければ、成果は随分違っていたのではないか、といった個人的なご意見があった。また、そういった方にいろいろな形でうまく参画いただけるよう、予算配分の枠をもう少し広くした方が良いのではないか、というご意見もあった。 |
| (竹内委員) |
それは、応募する機関が限定されているので、オープンになっていない、ということか。 |
| (岩田座長) |
対象となる機関は、ある程度限定されていると思う。この予算はここに振り分ける、といったような事前の枠組みがあると思う。その枠組みをすべて壊すことも問題かと思うが。 |
| (竹内委員) |
そうなると、原子力分野に限らず、他の分野でも競争的な予算を持っていると思うが、その予算の源から考えなければならない。 |
| (岩田座長) |
予算配分において、どれだけ全体を戦略的に連携させるのか、ということが非常に大切だと思う。 |
| (竹内委員)
| そのためには、各省庁が持っている予算をすべてまとめて、それを分野ごとに整理し直す、といったことが必要なのかもしれない。 |
| (森嶌委員) |
従来、原子力試験研究のほとんどは、国の研究機関が対象になっている。もちろん大学の方も参加できるが、単独では応募できない。また、各省庁は、所管の機関に予算を配分する、といったところがあるので、岩田座長のご意見のとおり、国の研究費の配分方法そのものを見直していかないと、オープン・コンペティションはできないと思う。特にこのような大型の研究の在り方については、もう少し戦略的に統合的な仕組みを考えていかなければならない。これは原子力だけの問題ではないので、総合科学技術会議や各省庁とともに検討する必要がある。飛躍的で先進的な成果を出せるよう合理的に考えてほしい。 |
| (藤家委員長) |
原子力試験研究の対象となる機関のうち、大学以外で抜けているところはあるのか。 |
| (関課長) |
原子力試験研究は、内閣府、総務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省の8府省が所管する28機関が対象になっている。原子力利用に関する試験研究の予算は、昭和32年以来、かつての科学技術庁に一括計上した上で、各府省に移し替えるという形でやってきている。本原子力試験研究の予算を見直すにあたっては、他府省との関係や他の予算との整理が必要であり、大変大きな問題であると認識している。その意味において、岩田座長のご意見は、予算枠をどのように組み直すのか、ということになるので、非常に難しい課題かと思う。 |
| (藤家委員長) |
原子力委員会としては、検討会での議論の内容をどんどん政策に反映できるようにしていきたいと思っている。トップダウンとは、ある段階まで検討したところで決断し、このようにしてくださいとお願いする、ということだと思う。原子力委員会の委員だけでは検討しきれないので、専門部会でいろいろと検討をお願いしているところである。この課題についても、かなり前から議論してきているので、いろいろと整理できてきたと思っており、それが少しずつ形になってきている。また、研究の評価では、ネガティブなチェックではなく、先を切り開いていけるような前向きで指導的な評価を行っている。その成果が出てきており、大変結構なことだと思う。
核融合炉材料の研究成果についても、大変関心を持って聞かせていただいたが、このような研究は20年以上前からやっていて、今どこまで進んでいるのか、というのが良く見えていない。核融合炉の候補材料が絞られてきているのだろうか。これに関し、岩田座長はどのようにお考えか。 |
| (岩田座長) |
ご指摘のとおりであり、核融合炉の構造材料の課題の一つに、クリープがある。これについては、今まで定量的なデータがなかったが、この研究により、きちんと定量的データを出せるようになり、これは大きな成果であると思う。また、中性子照射によって生じる気泡についても、そのサイズが、どのレベルから材料の脆化に影響するのか、ある程度定量的に分かるようになった。こういったことも、この実験によって初めて明らかになったことである。 |
| (藤家委員長) |
原型炉以降の核融合炉では、高速増殖炉に比べ、構造材料の応力は10倍程度、ヘリウム生成量は100倍程度になるとのことだが、それに耐えうる材料はもう視野に入ってきているのか、ということも重要である。 |
| (岩田座長) |
基本的には、実際に使ってみて、不具合が出たら調査する、といった具合に、計画を進めながら技術も成熟させていく、といった進め方になると思う。この実験では、厚さの薄い材料に照射しているが、実機の厚さの場合でもこの実験結果が当てはまるのか、について十分に確認できていない。実機で起こりうる事象を理解するために必要な基礎を培った段階で、実機で試験を始め、不具合が出たらその都度その事象を解釈していく、といったアプローチになると思う。かつて海外の技術をキャッチアップしていた頃は、事前にすべてのデザインを完了させてから計画を始めることができたが、これから新しいものを作り出していく場合には、そういったアプローチが必要であると思う。これまでの研究により、いろいろな失敗を理解するために必要な基礎は、ある程度蓄積できたと考えている。
それから、問題を1つ紹介すると、実は、この研究はたった1人で行っており、このような大事な研究に携わる研究者が減少傾向にあるのではないか、と感じている。このような人材確保の問題は、長い期間で考えなければならない原子力においては、特に心配なことである。このような成果を若者にしっかりとアピールするために、原子力委員会定例会議などで紹介する、といったことが大事であると思う。 |
| (藤家委員長) |
原子力委員会としては、ITER計画をどのように進めるのか、といったことと並行して、IFMIF(国際核融合材料照射施設)の計画をどうするのか、といった問題が出てくる。材料が中性子照射に対しどれだけ耐えられるのか、といったことを判断する上で、どのような意味を持っているのか、今日の資料だけでは判断しかねるところがある。このような巨大技術では、基礎研究や基盤技術が大事であると同時に、実際にモノも作っていかなければならない。それらをうまく関連させることが重要である。これまでの財政的にゆとりのあった時代の進め方ではなく、これからのゆとりのない時代において、どのように基礎研究と基盤技術開発とシステム合成をバランス良く進めていくのか。これからも先生方にご意見を伺いたいと思っている。 |
| (岩田座長) |
専門家グループでしっかりとしたロードマップを作成し、提案させていただく。そのロードマップどおりに進まない場合もあると思うが、その都度失敗した原因をしっかり究明して説明する。こういったことを積み重ねながら進めていくことが重要だと考えている。 |
| (藤家委員長)
| ロードマップを作るといったアクティビティは、核融合の分野ではどのような位置付けになっているのか。我が国ではそれをあまり行ってこなかった。例えば、軽水炉の実用化においては、それが必要なかった。 |
| (竹内委員) |
核融合の構造材料の候補となるような低放射化のフェライト鋼は、いくつか見つかっているのか。 |
| (岩田座長) |
構造材料は、ある程度デザインされてきている。ただ、その材料がどこまで耐えられるのか、ということについては、まだ研究中である。 |
| (竹内委員) |
核融合炉の構造材料には、100年ぐらい耐えられるような贅沢な材料を選ぶことになるのか。 |
| (岩田座長) |
このデータは、構造材料としての寿命ではなく、その後の廃棄物管理の難易を評価するために準備されたものである。例えば、ステンレス鋼の場合、廃棄物になった後、長い期間管理しなければならない。核融合炉の構造材料は、そうではなく管理が容易な低放射化材料であることが重要である。また、力学的にも耐えられる材料でなければならないので、クリープやヘリウム生成についても研究を進め、それについて定量的に評価できるようになる必要がある。そういったことに資する基礎研究をこの研究課題で行った。 |
| (竹内委員) |
加速器を利用することにより、この研究成果を早く得ることができたのではないか。 |
| (岩田座長)
| 加速器による試験にも、良いところと悪いところがある。それを考慮しながら評価しなければならない。 |
| (藤家委員長) |
原子力委員会の定例会議で、このように原子力試験研究の成果について紹介していただくことも意味があることだと思う。引き続きよろしくお願いしたい。 |