第3回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合
開催結果について


平成14年4月9日
内閣府
文部科学省

1.開催経緯
 本会合は、原子力委員会が主催するアジア原子力協力フォーラム(FNCA)の枠組みの下で開催され、各国当たり1名選任されたコーディネーターによる、協力プロジェクトの新設、改廃、調整、評価等に関する討議を目的とする。2000年から毎年1回開催されており、今回が3回目である。

2.開催概要
 開催日:2002年3月6日(水)〜3月8日(金)
 主催 :内閣府・文部科学省
 場所 :東京都港区(東京グランドホテル)

3.参加国、参加者数
 FNCA 9カ国(日本を含む)のコーディネーター(代理)、プロジェクトリーダー等及び国内オブザーバーの37名が参加。国別の内訳では、中国、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピンから2名ずつ、タイ、ベトナムから3名ずつ、オーストラリアから1名参加(別添1参照)。日本はコーディネータとプロジェクトリーダー10名を含めて11名(オブザーバーを除く)が参加した。

4.日程
 第1日(3月6日)
  • 開会セッション
    開会挨拶:町FNCA日本コーディネーター
    歓迎挨拶:遠藤原子力委員会委員長代理
  • セッション1 第2回FNCA本会合での成果について
  • セッション2 FNCA協力活動の推進状況に関するカントリーレポート
  • セッション3 プロジェクトの進展と現状
    • 研究炉利用分野 1) 研究炉利用全般、2) Tc-99mジェネレーター、3) 放射化分析、4) 中性子散乱
    • 農業利用分野  1) 放射線育種、2) バイオ肥料
    • 工業利用分野  ○電子加速器利用

 第2日(3月7日)
  • セッション3続き
    • 医学利用分野  ○放射線治療
    • 原子力広報分野
    • 人材養成分野
    • 原子力安全文化分野
    • 放射性廃棄物管理分野
    • 全体討議

  • セッション4 原子力広報と人材養成の今後の進め方について
    • 原子力広報:合同調査/各国での原子力広報活動計画(スピーカーズビューロー)等
    • 人材養成:国家的人材養成戦略

第3日(3月8日)

  • セッション5 第2回FNCAコーディネーター会合以降の継続審議案件
    • アジアの持続的発展と原子力エネルギー
    • アジア原子力科学技術大学(AINST)
  • セッション6 新規プロジェクトに関する各国からの提案について
    • 原子力関連技術による海洋汚染の研究と測定
    • 原子力関連計装機器の保守
  • セッション7 FNCA枠組み下の協力活動の運営について
  • セッション8 議事録起草に関する討議
           アナウンスメント:第3回FNCA本会合の開催について
  • 総括セッション
    議事録採択
    閉会挨拶:文部科学省研究開発局原子力課 竹内国際原子力協力企画官

5.主な成果、注目すべき提案等
討議の結果、以下のような成果、あるいは提案があった。

  • 広報について
     高校生を対象とした放射線利用に関する認知度・意識調査を、各国共通のプロジェクトとして実施することが合意された。なお、サンプリング対象等実施細目については、プロジェクトリーダーを中心として更に詰めていくこととされた。
  • 人材養成について
     人材養成戦略を考えるに当たっては、まず各国の現状把握が大切であるとの認識で一致し、そのための基礎データの収集を各国で行うことが合意された。
  • 前回会合からの継続審議案件について
    • インドネシア提案の「アジアの持続的発展と原子力エネルギー」については、本年秋に開催されるFNCA本会合において、これに関する新たなプロジェクトを立ち上げることを提案することが合意された(オーストラリアを除く各国のコーディネータ等が賛同)。
    • インドネシア提案の「アジア原子力科学技術大学(AINST)」構想については、人材養成プロジェクトの下で継続審議することとなった。
  • 新規提案について
     ベトナムとインドネシアから、それぞれ「原子力関連技術による海洋汚染の研究と測定」と「原子力関連計装機器の保守」が提案されたが、日本のコーディネータがIAEA(国際原子力機関)のRCA(原子力科学技術に関する研究・開発及び訓練のための地域協力協定)における類似、関連する取組との重複をチェックすることとなった。


別添1

第3回FNCAコーディネーター会合参加者名簿

[オーストラリア]
Dr. (Mr.) John F. Easeyオーストラリア原子力科学技術機構(ANSTO)
上級研究科学官
[中国]
  Mr. Li Xiang中国国家原子能機構(CAEA)国際合作司
地区合作主管官員(FNCAコーディネーター)
  Mr. Ding Yungfeng中国核工業集団公司(CNNC)核電運転部
上級工程師

[インドネシア]
  Mr. Iyos Subkiインドネシア原子力庁(BATAN)長官
  Dr. (Mr.) Bakri ArbieBATAN次官(FNCAコーディネーター)

[韓国]
  Mr. Joe Tai-Surp科学技術部(MOST)
原子力協力課課長補佐(FNCAコーディネーター代行)
  Mr. Chung Joon-Keuk韓国原子力研究所(KAERI)
プロジェクトマネージャー

[マレーシア]
  Mr. Adnan bin Haji Khalidマレーシア原子力庁(MINT)
企画・対外関係部長(FNCAコーディネーター)
  Mr. Mohamad Radzuan bin OthmanMINT企画・対外関係部上級研究官

[フィリピン]
  Dr. (Ms.) Alumanda M. dela Rosaフィリピン原子力研究所(PNRI)所長代行
(FNCAコーディネーター)
  Ms. Pilar C. RocelesPNRI技術協力部長

[タイ]
  Dr. (Mr.) Manoon Aramrattanaタイ原子力庁(OAEP)次官
(FNCAコーディネーター)
  Ms. Jindarom ChvajarernpunOAEP化学部上級原子力化学官
  Dr. (Ms.) Ampan Bhromsiriチェンマイ大学農学部
土壌科学・保全科助教授

[ベトナム]
  Dr. (Mr.) Le Doan Phacベトナム原子力委員会(VAEC)
国際協力企画部次長
  Mr. Nguyen Thanh BinhVAECダラト原子力研究所副所長
  Dr. (Mr.) Le Van SoVAECダラト原子力研究所RI製造部長


第3回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合・プログラム