MOX利用国際セミナー開催結果について

平成14年2月26日
核燃料サイクル開発機構

1.セミナーの目的
核燃料サイクル開発機構の、これまで30年以上のMOX利用技術の開発成果に加え、海外のMOX利用に係る動向について紹介することで国内におけるMOX利用に対する理解を深め、もって今後の我国でのMOX利用の円滑な推進に資することを目的として本セミナーを開催した。

2.セミナーの概要
 (1)日時
平成14年2月18日(月)10:00~18:15
平成14年2月19日(火) 9:30~12:10

 (2)場所
パレスホテル ゴールデンルーム

 (3)主催等
主催;核燃料サイクル開発機構
共催;電気事業連合会、日本原燃株式会社
後援;原子力委員会

 (4)参加者(会場定員:160名)
1) 平成14年2月18日(月)AM10:00~PM6:15  222名(着座)
2) 平成14年2月19日(火)AM9:30~AM12:10  178名(着座)
3) 主な参加者
 別添参照

(5)概要

1) 原子力委員会藤家委員長から、文明の将来を支えるエネルギーの観点から核燃料サイクルの意義を強調した基調講演があった。
2) 続いて、文部科学省中原核燃料サイクル研究開発課長から我が国のプルトニウム利用について経緯も含め基調講演があった。
3) 核燃料サイクル開発機構からは、同機構におけるFBR・ATR燃料の開発の歴史、MOX燃料製造技術、また、「ふげん」における726体のMOX燃料の利用実績等について報告を行った。また、「もんじゅ」の運転再開に向けた理解促進活動への取り組みを紹介した。(講演数;4)
4) 日本原燃からは、平成21年4月頃の操業開始に向けて現在計画を進めているMOX燃料加工工場(JMOX)の計画の概要とともに国内外で既に確立された技術の上でサイクル機構からの協力を得て進めていく旨の報告があった。(講演数;1)
5) フランスCOGEMA社等からは、フランスでは20基でMOX利用を行っており、1500体以上のMOX燃料装荷実績を有していること、またMOX燃料はこれまで燃料破損もなくウラン燃料と同等の安全性を有している等の現状と今後の燃料高度化計画について報告があった。また、フランスにおける一般公衆の理解を得るための取り組みの中で地域での信頼を得るためには透明性の高い情報公開と発電所の良好な運転実績が不可欠のとの報告が併せてあった。(講演数;2)
6) ベルギー、ベルゴニュークレア社からは、同社のMOX燃料製造技術とともにPWR用燃料集合体916体、BWR用燃料集合体440体の製造実績があり、燃料加工に起因する燃料破損は皆無である等の報告とともに一般公衆とのコミュニケーションを確保するためのベルゴニュークレア社の努力について報告があった。(講演数;1)
7) イギリス、BNFL社からは、冒頭同社のデータ改ざん問題に関する陳謝があり、その後BNFL社におけるMOX燃料製造の歴史、新しい品質保証システムを導入したセラフィールド工場(SMP)がプルトニウムを使用するフェーズを向かえていること、MOX燃料の性能はウラン燃料と同等の燃焼度まで確証されていること等の報告があった。
 (講演数;1)
8) パネルディスカッションでは、『MOX利用の意義』をテーマとして活発な議論が行なわれた。
*司会
 日本経済新聞社 論説委員 鳥井弘之 氏 
* パネリスト
  • 福井県原子力平和利用協議会 事務局長 石黒順二 氏
  • 東京電力(株)常務取締役原子力本部長 榎本聰明 氏
  • 核燃料サイクル開発機構 理事・東海事業所長 岸本洋一郎 
  • フランス電力公社 燃料本部副本部長 ミッシェル・ドゥベス氏
  • 柏崎商工会議所 専務理事 内藤信寛 氏
9) プラントツアーについて
 19日の午後にサイクル機構東海事業所プルトニウム燃料第三開発のプラントツアーを企画し、52名が参加。

3.質疑応答での主な論点
  • 原子力事業推進についての国の関与のしかた
  • 核燃料サイクル開発機構が開発してきた技術の特徴について
  • 海外における発生・貯蔵プルトニウムの今後の利用について
  • MOX燃料に関し、電力と地域住民との間での情報共有の認識の差について
  • 住民はプルサーマルの何が問題と考えているかについて
  • アジアとの原子力利用に関する協力のあり方について等

4.その他
 今回のセミナー企画・開催に関するアンケート結果について現在集計・解析を実施しており、今後のMOX利用を推進する各種活動の企画に反映する予定。

以 上



別添

主な参加者(カッコ内は2日目の参加者人数)

プレス関係者17名(8名)
(青森朝日放送、福島民報社、青森放送局、朝日新聞社、電気新聞、共同通信社、
読売新聞社、㈱エネルギーフォーラム、原子力産業新聞、新潟日報社、東京新聞社)
地域関係者(地方自治体、地方議員、オピニオンリーダー)25名(5名)
(青森県、宮城県、新潟県、福島県、茨城県、静岡県、石川県、福井県、愛媛県)
電気事業者・日本原燃63名(15名)
メーカ・商社73名(85名)
国及び政府関係機関関係者28名(3名)
海外原子力事業者9名(9名)
一般9名(9名)