平成14年1月29日
核燃料サイクル開発機構

核燃料サイクル開発機構の超深地層研究所計画に関する
「土地賃貸借契約書」及び
「土地賃貸借契約に係る協定書」の締結について

 核燃料サイクル開発機構は、岐阜県瑞浪市に設置を計画している超深地層研究所について、「土地賃貸借契約書」及び「土地賃貸借契約に係る協定書」の締結を、下記の通り実施いたしました。

  1. 日時
    平成14年1月17日(木) 13:30~14:05

  2. 場所
    経済産業省 (本館17階 第2特別会議室)

  3. 主な出席者
    岐 阜 県 瑞 浪 市:髙嶋市長
    核燃料サイクル開発機構:都甲理事長
    岐  阜  県:梶原知事
    経 済 産 業 省:古屋経済産業副大臣
     河野資源エネルギー庁長官

  4. 締結文書
    ○土地賃貸借契約に係る協定書(別添1)
    ○土地賃貸借契約書(別添2)

(参考)
  ○超深地層研究所計画の概要(参考1)

以 上


(別添1)

土地賃貸借契約に係る協定書


瑞浪市(以下「甲」という。)及び核燃料サイクル開発機構(以下「乙」という。)は、平成14年1月17日に締結した土地賃貸借契約(以下「土地契約」という。)第13条に基づき、次のとおり協定を締結し、信義に従ってこれを誠実に履行しなければならない。
 なお、この協定において使用する用語の定義は、土地契約の規定を準用するものとする。

第1条  乙は、次に掲げることをしてはならない。
 (1) 放射性廃棄物を研究所へ持ちこむこと又は研究所で使用すること。
 (2) 研究所を放射性廃棄物の最終処分実施主体へ譲渡し、又は貸与すること。
2 甲は、乙が前項各号のいずれかに違反した場合は、土地契約を一方的に解除するものとする。

第2条  乙は、毎年度の研究内容、前年度の研究成果、各試験研究段階ごとの具体的な事業内容等を甲に十分説明するとともに、積極的に情報公開を行うものとする。

第3条  乙は、研究所を建設期間中を含め公開し、開かれた施設とするものとする。
2 乙は、研究所を児童・生徒の地層の科学に関する学習に活用できる施設とし、積極的に開放するものとする。

第4条  乙は、本件土地のうち整地済み部分の代替となる土地を整備し、研究所の設置に関連する工事用道路、土砂運搬道路等の整備に必要な経費のうち応分を負担するものとする。

第5条  乙は、研究所の設置又は研究の実施に関し、環境に影響を及ぼさないように努めるものとする。
2 前項の目的を達成するため、甲及び乙は、環境の保全のための措置について協議を行うものとする。
3 井戸涸れ等の環境に関する問題が発生した場合は、甲乙協議し、その問題が乙の責に帰する理由により発生したと認められる場合は、乙は、誠意を持ってこの問題に対応しなければならない。

第6条  この協定に定めのない事項については、甲乙協議して定めるものとする。
この協定の成立を証するため、本書4通を作成し、甲、乙及び立会人署名押印の上、各々その1通を保有する。

平成14年1月17日


甲  岐阜県瑞浪市上平町1丁目1番地
     

     瑞浪市長 


乙  茨城県那珂郡東海村村松4番地49
     核燃料サイクル開発機構

     理事長  


立会人
   岐阜県岐阜市藪田南2丁目1番1号


     岐阜県知事 


立会人
   東京都千代田区霞ヶ関1丁目3番1号
     経済産業省資源エネルギー庁 

   長官    


(別添 2)
土 地 賃 貸 借 契 約 書


 土地賃貸人瑞浪市(以下「甲」という。)と土地賃借人核燃料サイクル開発機構(以下「乙」という。)は、次のとおり賃貸借契約を締結する。

(賃貸借物件)
第1条
賃貸借物件は、別表に掲げる土地(地上及び地下を含む。以下「本件土地」という。)と
する。

(使用目的)
第2条  
乙は、本件土地を高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究であって、地層処分研究開発の基盤となる深地層の科学的研究を行う目的で設置する超深地層研究所のうち、立坑、水平坑道等の地下施設及び主立坑用掘削タワー、換気立坑用掘削タワー、コンクリートプラント、排水処理プラント、受変電設備等の地上施設その他研究に必要な施設からなる研究所(以下「研究所」という。)の用地として使用するものとする。

(賃貸借期間)
第3条 賃貸借の期間は、研究所の研究期間を勘案し、平成14年1月17日から平成34年1月16日までの20年間とする。ただし、期間の延長が必要となる場合には、甲乙別途協議して決定するものとする。

(賃貸借料及び支払方法)
第4条 本件土地の賃貸借料は、年2,495,470円とし、乙は、甲の請求により毎年6月30日までに当該年度(4月1日から翌年3月31日まで。以下同じ。)分を一括払いするものとする。

2 平成13年度の賃貸借料は、623,860円とし、乙は、甲の請求により平成14年3月末日までに支払うものとする。

3 当該年度の賃貸借期間が1年に満たない場合は、賃貸借料を月割り計算とする。この場合において、賃貸借期間のうち1月に満たない期間があるときは、1月として計算する。

(賃貸借料の改定)
第5条 甲又は乙は、第4条第1項に定める賃貸借料が、本件土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の地代等に比較して不相当と判断した場
合は、根拠を明示したうえで、賃貸借料の増額又は減額の請求ができるものとし、甲乙協
議してその額を定めるものとする。

(督促手数料及び延滞金)
第6条 乙は、乙の責により、第4条第1項及び第2項に定める支払期限までに賃貸借料を支払わない場合で、甲から督促を受けたときは、瑞浪市督促手数料及び延滞金徴収条例(昭和60年条例第4号)の例により督促手数料及び延滞金を甲に支払わなければならない。

(賃借人の義務)
第7条 乙は、本件土地の賃借権を第三者に譲渡し、転貸し、又は担保の目的に提供してはならない。
2 乙は、研究所を第三者に譲渡し、貸与し、又は担保の目的に提供してはならない。
3 乙は、第2条の目的又は同目的以外の学術研究等で、大学等の研究機関に研究所の施設を使用させる場合は、甲の承認を得なければならない。
4 乙は、善良な管理者としての誠意をもって本件土地を維持管理し、近隣の環境保全に努めるものとする。

(瑕疵担保)
第8条 甲は、本件土地の使用に支障を生じる瑕疵を消滅させた上で、乙に引き渡すものとする。乙が引渡しを受けた後、第三者から本件土地の使用を阻害する権利の主張があった場合には、甲は、誠意を持って解決するものとする。

(協力事項)
第9条 甲及び乙は、本契約の各条項を誠実に履行するものとする。
2 乙が研究所の設置又は研究に関わる事業を推進するに当たり関連法規等の手続きを要
する場合は、乙は甲に協力を要請し、甲はこれに応えるものとする。

(契約の解除)
第10条 甲は、乙が第2条又は第7条第1項若しくは第2項の規定に違反した場合は、本契約を一方的に解除するものとする。この解除により乙に損害が発生しても、乙は、甲にその補償を請求することができない。
2 甲又は乙は、前項に定める場合を除き、いずれか一方が本契約に定める義務の履行を怠った場合には、相当の猶予期間を定めて催告を行い、この催告を受けた一方が期限内にその義務を履行しないときは、本契約を直ちに解除することができるものとする。
3 前項の規定による契約の解除により損害が発生した場合は、解除者からの正当な請求に基づき被解除者がその損害に相当する金額を負担するものとする。

(中途解約)
第11条 賃貸借期間中、乙の都合により本件土地の全部又は一部について賃借の必要がなくなった場合は、乙は、甲に対してその6月前までにその旨を書面で通知の上、当該土地を甲に返還するものとする。ただし、契約解除の時点で乙が甲に支払った当該土地に係る賃貸借料については、甲は、一切乙に返還しないものとする。


(返還時の措置)
第12条 乙は、第3条に定める賃貸借期間の終了又は前2条の理由による契約の解除により、甲に当該土地を返還する場合は、原状に復さなければならない。ただし、甲が研究所の全部又は一部の利用を希望する場合においては、返還する土地等が原状と相違することを踏まえた上で、甲乙協議し、乙は誠意を持ってこれに対処するものとする。

(協定の締結)
第13条 甲及び乙は、本契約に関し、別に協定を締結するものとし、その協定は、本契約と一体をなすものとする。

(協議)
第14条 本契約に定めのない事項又は本契約の各条項の解釈に疑義を生じたときは、甲及び乙は誠意をもって協議のうえ解決するものとする。

本契約の証として本書2通を作成し、甲乙記名押印の上、各々その1通を保有する。

平成14年1月17日

      甲    岐阜県瑞浪市上平町1丁目1番地
            瑞浪市代表者

            瑞浪市長 


   
      乙    茨城県那珂郡東海村村松4番地49
            核燃料サイクル開発機構    

            理事長   


土地の表示(岐阜県瑞浪市明世町山野内大狭間及び戸狩大狭間)


土地賃貸借 丈量図


(参考1)

超深地層研究所計画の概要

平成 14 年 1 月
核燃料サイクル開発機構
東濃地科学センター


1.超深地層研究所計画の位置づけ
 原子力委員会が2000年11月に決定した「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」では、高レベル放射性廃棄物の最終処分の実施に向けて必要な取り組みや関係機関の役割分担が示されました。サイクル機構には「これまでの研究開発成果を踏まえ、今後とも深地層の研究施設、地層処分放射化学研究施設等を活用し、地層処分技術の信頼性の確認や安全評価手法の確立に向けて研究開発を着実に推進すること」が求められています。また、「深地層の研究施設は、学術的研究の場であるとともに、国民の地層処分に関する研究開発の理解を深める場としての意義を有し、その計画は、処分施設の計画と明確に区分して進めることが必要である」との方針が示されました。
 これらの役割分担や方針に基づき、サイクル機構東濃地科学センターでは、「深地層の科学的研究」(以下、「地層科学研究」という。)を進めています。地層科学研究は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究であり、地層処分研究開発の基盤となる研究です。
 超深地層研究所計画では、放射性廃棄物の持ち込みや使用は一切行いませんし、将来においても放射性廃棄物の処分場にはできません。
 なお、高レベル放射性廃棄物の処分事業は、「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律(平成12年6月7日 法律第百十七号)」に基づき、原子力発電環境整備機構のみが行うことが明確に定められました。


2.超深地層研究所計画の目的
 サイクル機構は、「深地層の研究施設」として、日本の代表的な岩石である花崗岩と堆積岩を対象に、前者については超深地層研究所計画(岐阜県瑞浪市)を、後者については幌延深地層研究計画(北海道幌延町)を進めています。
 超深地層研究所計画では、地質環境の評価のための体系的な調査・解析・評価技術の基盤の開発と、深地層における工学的技術の基盤の開発を目的とした地層科学研究を進めます。
 この研究で得られる成果は、幌延深地層研究計画、茨城県の東海事業所で実施している地層処分研究開発等の成果と合わせて、地層処分技術の信頼性向上および安全評価手法の高度化に反映するとともに、国が行う安全基準等の策定や、実施主体が進める最終処分事業の推進にも基盤情報として活用されます。

3.超深地層研究所の設置場所
 超深地層研究所が建設される岐阜県東濃地域は、日本の代表的な岩石の1つである花崗岩が広く分布し、地層科学研究の対象として重要な地下水および断層やウラン鉱床などが存在します。また、東濃地科学センターが今までウラン資源探査などを通して培ってきた経験や情報などを地層科学研究に有効に活用できる、などの利点があります。
 東濃地科学センターは、これまで正馬様用地に研究坑道等を建設することを計画して超深地層研究所計画を進めてきましたが、今後は、瑞浪市の市有地に研究坑道等を設置することとして、市有地と瑞浪市のサイクル機構の所有地(正馬様用地)で超深地層研究所計画を進めます。市有地や正馬様用地の地下には、同じ花崗岩(土岐花崗岩)が分布するため、市有地では、これまでに正馬様用地で行われた研究の成果を踏まえて研究を進めることができます。
 正馬様用地は、地下の土岐花崗岩中に、月吉断層とその周囲に発達した割れ目が分布し、断層周辺の水理学的な特徴を把握するための調査技術の開発に適しています。

4.超深地層研究所計画の運営
 この研究を実施するにあたっては、他の地層科学研究で得られた成果や研究資源をあわせて活用することにより、研究を効率的に進め、また、成果をより充実させます。これらの成果は、透明性を確保する観点から、研究報告書などに取りまとめ積極的に公表します。また、学識経験者や専門家によって構成される委員会を設置し、研究に関する助言や成果の評価を受けます。
 研究所の施設は、東濃研究学園都市構想に相応しい国内外に開かれた研究施設とするため、地元大学をはじめとして、国際協力を含めた研究機関等との協力を進めるとともに、研究者による深地層についての学術的研究にも寄与できる総合的な研究の場として整備します。また、研究所の施設は、地震研究や地下空間を利用する研究の場として期待されていることから、広く国内外の研究者に開放し、極限環境における最先端の研究が行われる中核的な研究施設となるよう努めます。
 また、研究所は、建設段階から安全確保を図りながら公開していく予定であり、児童・生徒の学習の場としても活用して頂けるように整備し、積極的に開放していきます。さらに、施設の建設および研究の実施に際しては、環境の保全に努めます。
 地層科学研究終了後の研究所の跡利用の計画については、地域の方々や関係自治体の参加を得た「跡利用検討委員会」での検討の結果を踏まえて決められます。

5.研究の内容
 市有地における研究計画および施設計画、正馬様用地における研究計画は、別添1、別添2に示します。

 別添1  市有地における超深地層研究所計画の概要
 別添2  正馬様用地における超深地層研究所計画の概要


(別添1)

市有地における超深地層研究所計画の概要


 市有地での超深地層研究所計画における地層科学研究は、以下の3つの段階で進めます。
 研究坑道(立坑および水平坑道)の建設に先立って、物理探査や地表からのボーリングなどにより地質環境を予測する研究を行います(第1段階)。その後、研究坑道の建設を行いながら、地表から予測した結果を地下の調査で確認します(第2段階)。さらに、掘削された研究坑道を利用して研究者が直接地下に入り詳しく研究を行います(第3段階)。この間、地質環境に関する予測とその予測結果の確認を段階ごとに繰り返して行い、地上や地下から、高い精度で、かつ効率よく、地質環境を調査・評価する手法の有効性を段階的に確認します。このような総合的かつ計画的な研究は、人工的な地下構造物の影響を受けていない自然の状態の地質環境を出発点とする超深地層研究所計画において初めて可能となります。
 超深地層研究所計画においては、他の地層科学研究で得られた成果や研究資源をあわせて活用することにより、研究を効率的に進め、また、成果をより充実させます。

1.研究計画
 正馬様用地では、これまでに、電磁探査や反射法弾性波探査などの物理探査、表層水理調査、深い4本のボーリング調査を実施し、調査技術の開発と、地質環境の情報の蓄積およびそれに基づく地質環境のモデル化手法の検討を実施してきました。市有地の地下には、正馬様用地に分布する花崗岩と同一の花崗岩が連続していることが既往の調査結果から推測されることから、今後は、正馬様用地での知見や他の地層科学研究での知見を活用して、市有地で第1段階の研究を行います。その結果を踏まえて第2段階以降の研究を実施し、あわせてこれらの研究に必要な調査技術の開発を行います。
1.) 地表からの調査予測研究段階(第1段階)
 第1段階では、地表からの地質調査、表層水理調査、物理探査およびボーリング調査で、本来の地質環境の状態を、できるだけ乱さずに正確に把握することが課題となります。これらの調査の結果に基づき地質環境のモデル化を行い、地層の分布などの地質環境を予測するとともに、研究坑道の建設が地質環境に与える影響を予測します。また、予測された地質環境に基づいて、第2段階で建設される立坑等の研究坑道の詳細な設計、第2段階の研究内容の具体化を行います。
2.) 坑道の掘削を伴う研究段階(第2段階)
 第2段階では研究坑道の建設と研究を並行して進めます。この段階では研究坑道内から岩盤の直接的な観察や調査を行い、第1段階と比べ詳細な情報を系統的に取得します。
 第2段階では、第1段階に掘削したボーリング孔などに設置された機器での観測に加え、研究坑道内において、坑道周辺の地層や割れ目の調査、坑道内での地下水の調査および坑道を掘削する時の地層の歪みや地層にかかる力の調査などを行います。これらの結果に基づいて、地質環境のモデル化手法の信頼性を確認します。これら第2段階における研究の成果を、地質環境に関する信頼性の高い情報として整理するとともに、第1段階の調査や評価で用いた手法の有効性の確認に必要な情報としても利用します。また、研究坑道の施工に伴い、坑道等の設計技術や施工技術などの有効性が確認されます。さらに、この段階において、第3段階の研究計画を具体化します。
3.) 坑道を利用した研究段階(第3段階)
 第3段階は地下約1,000 mまで展開した研究坑道を利用して、坑道周囲の地層にかかる力、地下水の流れ方や性質についての調査、地質環境での物質の動きに関する調査および地質環境のモデル化などを行い、地質環境における物質の移動などの現象を詳しく研究していきます。また、深地層における工学技術の基礎に関する研究も主としてこの段階で進めます。さらに、地震などの天然現象が地質環境に与える影響についても研究を進めていきます。それらにより、本来の地質環境と、坑道の掘削や地震などの天然現象が地質環境に与える影響などを、高い精度で効率よく調査・予測・検証することのできる総合的な技術を確立していきます。

2.施設計画
1.) 主要施設
 市有地での超深地層研究所計画の主要な施設は、地上施設と研究坑道に大別できます。地上施設としては、立坑の掘削に必要となる櫓(やぐら)を収納した掘削タワーと巻上機、掘削に伴い必要となる給排水設備、換気設備、コンクリートプラント、排水処理プラントなどの付帯設備、そして、作業全体に係わる設備としての受変電設備、非常用発電機、資材置場、火工所、現場事務所などを設けていきます(図1)。研究坑道は、深度約1,000 mの主立坑と換気立坑の2本の立坑、両立坑を深度約100 m毎につなぐ予備ステージ、主に第3段階の研究を行う中間ステージと最深ステージの水平坑道から構成されます(図2)。
2.) 施設計画の進め方
 立坑等の研究坑道の工事は、まず造成工事を行い、立坑坑口部分に掘削タワー等を設置し、その後、研究坑道の本格掘削を行います。主立坑と換気立坑の掘削を同時に進め、深度約100 m毎に予備ステージを掘削して両立坑をつないでいきます。立坑の途中には第3段階の研究のための中間ステージを設けます。中間ステージでの研究を開始しつつ、最深部に向け両立坑の掘削を続けていきます。深度約1,000 mまで到達した後、換気立坑においては、それまでの掘削用の巻上設備から第3段階の本格的な研究に備えた昇降設備に更新していきます。主立坑では、掘削用の巻上設備を用いて、引き続き中間ステージの追加掘削と最深ステージの掘削を行いながら研究を行っていきます。

3.スケジュール
 研究期間は、正馬様用地においてはこれまで20年間を予定しておりましたが、今回の超深地層研究所計画の全体的なスケジュールは表1のように予定しています。なお、研究計画は、研究の進捗状況などを考慮して、必要に応じて見直していきます。


図1 地上施設イメージ

図2 超深地層研究所イメージ

(別添2)

正馬様用地における超深地層研究所計画の概要

 正馬様用地では、地下数百mの土岐花崗岩(結晶質岩)中に月吉断層が分布しています。この地質学的な特徴と、これまでに行われた研究の成果を活用して、正馬様用地における研究では、地質環境、特に断層周辺の水理を評価するための体系的な調査・解析・評価手法を開発し、高度化を図っていきます。
 そのために、透水性割れ目の調査、表層水理調査、ボーリング孔を利用した水理学的調査および地下水の地球化学特性調査などを行い、その結果に基づいて、地質環境のモデル化および地下水流動解析を実施します。その後は、既存のボーリング孔等による観測を主体とした水理学的調査を行います。

正馬様用地における超深地層研究所計画の概要


超深地層研究所の位置図