原子力関係特殊法人の改革に関する政府決定
平成13年12月19日
文部科学省
- 本日、閣議にて決定された特殊法人等整理合理化計画において、原子力関係特殊法人の改革については別紙とおりとされましたので、御報告させていただきます。
今後、原子力研究開発を総合的に行う独立行政法人の設置に向けて、慎重に検討を進めてまいります。
(別 紙)
特殊法人等整理合理化計画(原子力関連)
ー平成13年12月19日閣議決定ー
日本原子力研究所 1.事業について講ずべき措置
【原子力研究開発(原子力エネルギー研究、放射線利用研究等)業務】
- エネルギー研究全体の中で、核燃料サイクル開発機構の研究開発、日本原子力研究所のエネルギー開発研究及び新エネルギー・産業技術総合開発機構等のエネルギー開発研究の位置付けを明確にする。国が各事業について具体的な目標を設定するとともに、経済波及効果をできるだけ定量的に表して費用対効果分析を行い、安易な新規プロジェクト着手は行わない。また、中間評価及び事後評価に当たっては、第三者評価の徹底を図り、進捗状況等を勘案し、評価結果を反映した資源配分の実施により業務を重点化する。
- 核融合研究については核融合科学研究所と、加速器利用研究については高エネルギー加速器研究機構、理化学研究所等と密接に連携・協力して行い、業務の重複を排除する。
- 研究開発に充てる資金供給を一般会計からの出資金により行うことについて基本的に廃止するとともに、費用対効果分析を可能な限り実施し、資源の重点配分を行った上で、柔軟・弾力的な研究開発の実施に配慮しつつ、補助金等に置き換える。
- これまで国費によって達成されてきた研究成果をできるだけ計量的な手法で国民にわかりやすく示す。
【子会社等】
- 関連法人に過大な利益が生じていると考えられることから、競争的な契約を拡大し、委託費を抑制する。
2.組織形態について講ずべき措置
廃止した上で核燃料サイクル開発機構と統合し、新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置する方向で、平成16年度までに法案を提出する。
1.事業について講ずべき措置
核燃料サイクル開発機構
【高速増殖炉開発、核燃料物質再処理技術開発、放射性廃棄物処理・処分技術開発等】
- エネルギー研究全体の中で、核燃料サイクル開発機構の研究開発、日本原子力研究所のエネルギー開発研究及び新エネルギー・産業技術総合開発機構等のエネルギー開発研究の位置付けを明確にする。
- 高速増殖炉開発までに要するコスト、期待される成果、開発までの道筋、新エネルギー開発、核融合開発との優先順位、想定されるリスク等を国民にわかりやすく示すとともに、毎年度、厳格な第三者評価により事業のあり方の検討も含め進行管理を徹底する。
- もんじゅが運転を中止してから現在に至るまでの研究開発の成果及びそれに要した費用を国民にわかりやすく提示するとともに、再開までは予算・要員を縮減する。
- 核燃料物質再処理技術開発については、技術的課題を明確にした上で、課題解決に向けたコストと道筋を国民にわかりやすく示すとともに、毎年度、厳格な第三者評価により進行管理を徹底する。
- 軽水炉使用済ウラン燃料の再処理は、新規契約を行わないこととする。
- 高レベル放射性廃棄物処理・処分技術開発については、技術的課題を明確にした上で、課題解決に向けたコストと道筋を国民にわかりやすく示すとともに、毎年度、厳格な第三者評価により進行管理を徹底する。
- 既に整理することが決められている事業については、予定のスケジュールに沿って業務を廃止し、それに合わせて要員、予算も縮減する。
- 国民への理解増進のための取組みを効率的かつ効果的に実施すべく、近隣に複数設置されている展示館は整理を行い、別途の効果的手法を検討する。
- 研究開発に充てる資金供給を一般会計及び電源開発促進対策特別会計からの出資金により行うことについて基本的に廃止するとともに、費用対効果分析を可能な限り実施し、資源の重点配分を行った上で、柔軟・弾力的な研究開発の実施に配慮しつつ、補助金等に置き換える。
- これまで国費によって達成されてきた研究成果をできるだけ計量的な手法で国民にわかりやすく示す。
- 事業の実施状況、予算の執行状況等を国民にわかりやすく情報提供する。
【量子工学試験施設(大洗工学センター)】
- 量子工学試験施設における研究は基礎研究を行う組織において実施する。
【子会社等】
2.組織形態について講ずべき措置
- 関連法人に過大な利益が生じていると考えられることから、競争的な契約を拡大し、委託費を抑制する。
廃止した上で日本原子力研究所と統合し、新たに原子力研究開発を総合的に実施する独立行政法人を設置する方向で、平成16年度までに法案を提出する。