第2回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)大臣級会合の開催結果について (報告)

平成13年12月4日
原子力委員会

  1. 主催:原子力委員会(日本)

  2. 日時:平成13年11月29日(木) 9:30〜17:00

  3. 場所:東京、高輪プリンスホテル

  4. 日本からの主な参加者及び各国からの代表参加者:別添参照

  5. 議事概要:
     (1)開会セッション
     藤家原子力委員長の歓迎挨拶の後、尾身科学技術政策担当大臣より、開会の挨拶が行われた。

     (2)各国代表者によるカントリーステートメントの発表
     カントリーステートメントは、参加各国の多様性を反映して多岐にわたったが、いずれの国からも、FNCAの活動を含む各々の原子力利用の現状及び政策が説明された。
     また、いずれの国も参加国間の原子力分野での協力の重要性を再確認し、今後の一層の協力を進めることの必要性を述べた。これに関連して、FNCAの役割の重要性について言及があった。
     我が国からは、遠藤原子力委員長代理より、以下の内容の発表が行われた。
    • 省庁再編後の新しい原子力行政体制
    • 我が国における原子力利用推進と国民社会及び国際社会と  の関係
    • 我が国の原子力政策における原子力発電、核燃料サイクル  の位置付け
    • 国民生活に貢献する放射線利用、及びその国際協力
    • 核不拡散体制の維持及び原子力損害賠償制度の整備 等

     (3)円卓討議
     以下の2つのテーマについて、意見交換を行った。
      (テーマ1)「持続可能な発展と原子力」
     最初に、遠藤原子力委員長代理より、経済発展(Economic Growth)、エネルギー安全保障(Energy Security)及び環境保護(Environmental Protection)の3つの「E」の同時達成の必要性に関するスピーチがあり、その後各国による活発な討議が行われた。議論のポイントは以下のとおり。
    • エネルギーと持続可能な発展には密接な関係がある
    • 原子力は、重要なエネルギー源の一つとして認識されたが、安全な施設の運転、パブリック・アクセプタンス及び核不拡散等の条件を満たす必要がある
    • クリーン開発メカニズム(CDM)と原子力の関係は継続して検討していく
      (テーマ2)「放射線利用分野における協力のあり方」
     竹内原子力委員からのリードオフ・スピーチの後、討議が行われたが、このテーマは参加国に共通する部分が多く、以下の点で概ねの意見の一致をみた。
    • 放射線の利用は人類の福祉を目的とし、環境、医学、農業、及び工業といった多岐の分野にまたがる
    • この分野での協力はFNCAの場を通じて一層拡大されるべきであり、他の国際機関及び二国間等で行われている協力との関連を考慮すべき

     (4)議長サマリー
     遠藤委員長代理より、本会合の結果をまとめたサマリーを後日各国に送付する旨連絡した。

     (5)その他
     第3回開催(2002年)は韓国で行うことが決定しているが、本会合では、第5回(2004年)以降(1年毎に日本と他の参加国で開催するため第4回会合(2003年)は日本にて開催する予定)について、マレーシア、フィリピン、ヴェトナムより開催の意向が示され、最終的にヴェトナムで開催することとされた。


(別添)

第2回アジア原子力協力フォーラム大臣級会合参加者リスト

1.日本からの主な参加者

尾身 幸次 科学技術政策担当大臣
藤家 洋一  原子力委員会委員長
遠藤 哲也  原子力委員会委員長代理
竹内 哲夫  原子力委員会委員
森嶌 昭夫  原子力委員会委員
浦嶋 将年  内閣府 大臣官房審議官(科学技術政策担当)
青山 伸   内閣府 政策統括官(科学技術政策担当)付参事官(原子力担当)
中西 章   文部科学省 研究開発局原子力課長
 町  末男  (社)日本原子力産業会議常務理事、FNCAコーディネーター

2.各国からの代表参加者

豪州  ジョン・ローランド  原子力科学技術機構(ANSTO)政府広報部長
中国  張 華祝  国家原子能機構(CAEA)主任
インドネシア ハッタ・ラジャサ  研究技術担当国務大臣
韓国  キム・ヨンファン  科学技術部(MOST)大臣
マレイシア  ロウ・ヒェン ディン  科学技術環境大臣
フィリピン ロヘリオ・パンラスィギ  科学技術省次官
タイ  クリアンコーン・ペチャラブ  原子力庁長官
ヴェトナム ホアン・ヴァン フェイ  科学技術環境副大臣

以上