「高速増殖炉サイクルの実用化戦略調査研究」の
第1期の成果と第2期の計画の概要について

平成13年11月6日
核燃料サイクル開発機構

 本研究の第1期は、将来社会の多様なニーズに柔軟に対応できる有望なFBRサイクルの実用化候補概念を幅広い技術選択肢の調査・評価を行った上で抽出し、併せて第2期の研究計画を策定することを目的として、一昨年7月から、電気事業者等と協力して、オール・ジャパン体制で検討を進め、本年3月に第1期を終え、その成果と第2期の研究計画を取りまとめたところです。(図1)


1.第1期の成果の概要

  • 当初計画どおりに幅広い選択肢の調査・評価を行い、開発目標(図2)に照らして、以下の有望な実用化候補概念を抽出しました(図3)。
    (1)0FBRシステムについては、基軸電源対応としての大中型炉に対し、ナトリウム冷却大型及び中型モジュール炉概念、鉛−ビスマス冷却中型炉概念、ガス炉概念(ヘリウム冷却炉か、炭酸ガス冷却炉かについては平成13年度に決定)、水冷却大型炉概念を抽出すると共にそれぞれについて開発目標達成の可能性のあるシステムを提示しました。また、多目的利用の小型炉システムに対してナトリウム冷却炉概念及び鉛−ビスマス冷却炉概念を抽出しました。
    (2)燃料サイクルシステムについては、酸化物燃料及び窒化物燃料を対象とした先進湿式法と簡素化ペレット法、振動充填法との組み合わせ、及び乾式法[酸化物電解法(窒化物燃料を除く)、金属電解法]と振動充填法の組み合わせ、並びに金属燃料を対象とした金属電解法と鋳造法との組み合わせを抽出すると共に、それぞれについて開発目標達成の可能性のあるシステムを提示しました。

  • 上記の抽出概念について、さらに革新的な技術を取り込むと共に、定量的な比較評価が可能なように設計研究を進め、また、要素技術試験による裏づけとなる根拠を固めることを併せて実施し、最終的に2〜3の実用化候補概念に絞り込めるように、第2期研究計画を策定しました(図4)。

2.第2期の取組み

(1)第2期では、第1期で抽出したFBRシステム及び燃料サイクルシステムに関する有望概念について、5年程度をかけて候補概念相互の可能な限り定量的な比較評価を実施できるレベルまで設計研究を深めます。また、定量的な絞込みを実施する上で必要となる要素技術開発(データを取得する試験の実施、設計評価技術の整備等)についても実施します。これらの成果を基に、FBRサイクル全体の整合性に配慮しながら、実用化候補概念として、有望な2〜3の候補に絞り込みます。

(2)第1期で抽出した実用化候補概念への革新的な技術の取り入れを継続します。このため、自ら独創的なアイデアを創出することに努めると共に、第1期に引き続き、第2期においても、革新的技術の公募を行いました。

(3)第2期の研究実施体制については、第1期に引き続き、電気事業者、電中研、原研等との研究協力を継続し、研究を進めます。

以 上