第38回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日 時2001年9月18日(火)10:00〜11:40
2.場 所中央合同庁舎第4号館7階742会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
 嶋野企画官(原子力担当)
経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部
原子力政策課 放射性廃棄物対策調整室
 山形室長
核燃料サイクル開発機構 大洗工学センター
 柳澤所長

4.議 題
(1)総合資源エネルギー調査会原子力部会高レベル放射性廃棄物処分専門委員会での検討状況について
(2)大洗FBRサイクルシンポジウムの開催結果について
(3)市民参加懇談会の構成員について
(4)その他

5.配布資料
資料1 総合資源エネルギー調査会原子力部会高レベル放射性廃棄物処分専門委員会での検討状況について
資料2 大洗FBRサイクルシンポジウムの開催結果について
資料3 市民参加懇談会の構成員について(案)
資料4−1 第36回原子力委員会定例会議議事録(案)
資料4−2 第37回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
 (1)総合資源エネルギー調査会原子力部会高レベル放射性廃棄物処分専門委員会での検討状況について
 標記について、山形室長より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員)概要調査地区の応募主体は市町村(連合体を含む)となっているが、県知事との関係を経ないで市町村長は応募できることになっている。県知事が関係してくるのはどの段階か。
(山形室長)原子力発電環境整備機構からの実施計画の変更申請を経済産業大臣が受け取った後、県知事及び市町村長の意見を聴くこととなっている。その意見を十分に尊重することとなっている。県知事及び市町村長の意に反して選定は行わない。
(竹内委員)適正さに関する情報の公開を早めにしないと、地域の方々が熱い思いで見るのかどうか、つまり期待感が違ってくると思う。情報公開はどうするのか。
(山形室長)公募の段階で出す選定上の考慮事項に必要な情報は記載する。
(竹内委員)14年度から公募を開始するということだが、13年度に選定上の考慮事項などが決まるのか。
(山形室長)検討の進捗状況によると思う。
(藤家委員長)原子力発電所の立地の場合、適正な場所というのは工学的に対応できればよい。この処分場の場合、最初の段階から適正な場所でないという振り分けができるかどうか、応募の数との関係も出てくると思う。
(竹内委員)工学的に対応できる場合とできない場合があるので、条件を整備しないと、応募する市町村は判断に困ると思う。
(森嶌委員)地質学上無理な場所である、この程度であれば工学的に対応できるなどということは、選定上の考慮事項の中で具体的に示していきたい。技術的なことは大事であるが、示された方が明確に判断できるようにすべき、という意見があるので、この専門委員会で確認していきたい。
(竹内委員)この手続きが上手く進むことを願っている。公募する地域によっては、1つの夢として熱い思いで見ているところもあると思う。そのためにも必要な情報を提供しなければいけない。また、常に不安というものはあるもので、六ヶ所の場合は、極力現地を見ていただき不安の解消を図ってきた。原子力発電環境整備機構だけでなく、国も含めた関係者が不安を解いていかなければいけないと思っている。
(藤家委員長)概要調査地区の選定手順の中で、原子力委員会や原子力安全委員会はどこに関係してくるのか。
(山形室長)原子力発電環境整備機構からの実施計画の変更申請を経済産業大臣が受け取った後、経済産業大臣は原子力委員会の意見を聴くこととなる。
(藤家委員長)原子力を進めていく上で、事業者、行政と原子力委員会とが上手く連携を取りながら独自の立場で対応することが必要と考えているので、その手続きについて選定手順の中に表現しておいてほしい。


 (2)大洗FBRサイクルシンポジウムの開催結果について
 9月6日(木)〜7日(金)に開催された大洗FBRサイクルシンポジウムの開催結果について、柳澤所長より資料2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員)中国はFBR研究を行っているが、今回参加していないのはどうしてなのか。
(柳澤所長)費用の関係もあったが、中国には当方の駐在員が今春まで情報収集を行っており、昨年、敦賀の国際フォーラムに来てもらったこともあり、今回は参加をお願いしなかった。
(遠藤委員)韓国はFBR研究をどの程度行うつもりなのか。
(柳澤所長)米国との関係があり、国として研究を進めることは難しい。しかし、勉強している感じであり、3つのフェーズに分けて考えているようである。概念の構築、概念設計、基本設計の3つであるが、今はまだ概念の構築にも至っていないようだ。
(遠藤委員)米国がどの程度まで認めると考えているのか。
(柳澤所長)学問や研究レベルであれば、韓国もできるであろうが、日本が国として協力するわけにはいかない。しかし、今後はアジア全体としてコミットしていくことが大切だと思う。
(藤家委員長)韓国との協力関係は徐々に進んでいる。中国のFBR実験炉はかなり活気があるが、どうして呼ばなかったのか。次回は是非中国を呼んでほしい。
(遠藤委員)核不拡散は米国の大きな政策課題であることを考えると、韓国は今後FBRを進められるのか。
(柳澤所長)やはり、国全体として直ぐに進めていくことは難しいと思う。
(竹内委員)FBRが理想形であることは、原子力発電に携わってきた者であればみんな知っている。このようなシンポジウムは、そういうことを知ってもらうにはよい機会である。次回はいつ頃開催する予定か。
(柳澤所長)敦賀と大洗とで交互に、毎年行いたいと考えている。敦賀の場合はもんじゅ周辺の地元の方々のことを考慮したもの、一方、大洗の場合は研究開発を主テーマで開催していくことを考えている。
(藤家委員長)動燃がサイクル機構に変わったときに、シンポジウムは、国際協力も含めたサイクル機構がこれから目指すもののメッセージを発信する場にするべきと言った。ところが、最初はサイクル機構自身の主張をなるべく控えるような形で行われ、これでは支持できない、といってきた。それによって、段々サイクル機構自身の話がでてきた。しかし、今回もそうであるが、サイクル機構の主張がまだ十分見えない。サイクル機構が持っているポテンシャルはわかったが、開発研究機関である限り、自分で描いたシナリオを持っていなければ意味がない。それを行わない限り、存在価値が問われることとなってしまう。自分たちは何ができるのか、自分たちはこのようにしたい、ということがあって、初めて国などからのサポートが得られるのだと思う。これまで、何故サイクル機構に裁量権を渡そうと苦労してきたのかということである。今、世の中に何を訴えたいかということが整理されていないという印象を強く持った。自己主張をもっと出してほしい。
(森嶌委員)サイクル機構側の関心事項を満たすためにシンポジウムを開催するのもいいが、研究開発は地元だけにとどまらず、一般の国民が理解をしてくれないと進まない。さらに、なぜここまで費用をかけて行うのか、ということになる。サイクル機構として、自分たちはこういう方向で行ってきて、ここまで進んでいる、というようなポジティブな核燃料サイクルという点でも、安全性という点でも、サイクル機構が担っているということを積極的に発信しないといけない。核燃料サイクルは政策として実施されているが、見えない最大の点はここだと思う。一般の方々に対して、政策を支える技術者としてどのような見通しで何をしているのかということを発信するシンポジウムをやったほうがよいと思う。
(柳澤所長)これまでのプロジェクトを含めて個々のプロジェクトについて発信しようと考えている。
(藤家委員長)もう少しドラスティックな対応をしてほしい。サイクル機構になって3年も経っている。自らの責任で進めていくことが大切である。
(竹内委員)2020年頃に登板すべき革新炉、その中のひとつとしてFBRもある。今の発電方式を永遠に続けるわけにはいかないので、次は何か、ということをサイクル機構から発信してほしい。
(藤家委員長)20世紀はアメリカ型原子炉が占めてきたが、今、革新炉の時代が到来し、社会が求める原子力は何かということが問われる中で、日本型の原子炉を考えるということが専門部会の大きな目標である。高速炉はいますぐにでもできると思っている。今後20年、30年の間に何をやっていくのかについての説明をどうするのか。このような状況の中、国が最後の方針までサイクル機構へ見せることはないと思う。実用化研究は15年であるが、それが長いか短いか判断してほしい。

 (3)市民参加懇談会の構成員について
 市民参加懇談会の構成員について、嶋野企画官より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があり、一部修正を行い決定された。
(遠藤委員)本来、市民参加懇談会に参加する原子力委員会委員は全員のはずであり、この書き方では木元・森嶌両委員だけが構成員であるように見えてしまう。書き方を主任、主任補佐と書けばどうか。
(森嶌委員)担当原子力委員とした上で、主任、主任補佐という書き方をすればよいのではないか。

 (4)その他