1.日 時 | 2001年8月7日(火)10:30〜12:20 |
2.場 所 | 委員会会議室 |
3.出席者 |
藤家委員長、遠藤委員、木元委員 内閣府 大熊政策統括官(科学技術政策担当) 浦嶋審議官 青山参事官(原子力担当) 原子力安全委員会事務局総務課 川原田課長 総務省消防庁特殊災害室 高砂課長補佐 外務省総合外交政策局科学原子力課 中村課長補佐 文部科学省 科学技術・学術政策局原子力安全課 南山室長補佐 研究振興局量子放射線研究課 奥野課長補佐 厚生労働省大臣官房厚生科学課 磯貝課長補佐 農林水産省農林水産技術会議事務局 波川課長補佐 経済産業省資源エネルギー庁原子力安全・保安院 安全審査課 石田統括安全審査官、渡邉課長補佐 国土交通省総合政策局技術安全課 山尾技術開発推進官 日本原子力研究所高崎研究所 柳澤所長付 |
(1) | 平成14年度原子力関係予算ヒアリングについて(内閣府、総務省、外務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省) |
(2) | (2)放射線利用の経済規模−日米比較− |
(3) | 東北電力株式会社 東通原子力発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更及び使用済燃料の処分の方法の変更)について(答申) |
(4) | 株式会社東芝 研究炉管理センタ−の原子炉設置変更[使用済燃料の処分の方法の変更]について(答申) |
(5) | 部会及び専門部会の構成員について(総合企画・評価部会及び研究開発、放射線、原子力発電・サイクル、国際関係の各専門部会) |
(6) | 原子力委員会への御質問・御意見について |
(7) | その他 |
資料1−1 | 原子力安全委員会における安全研究をめぐる状況について |
資料1−2 | 平成14年度原子力関係の施策について(総務省) |
資料1−3 | 平成14年度原子力関係予算ヒアリングについて(外務省) |
資料1−4 | 平成14年度原子力関係予算ヒアリングについて(厚生労働省) |
資料1−5 | 平成14年度農林水産省原子力関係予算要求について |
資料1−6 | 平成14年度国土交通省原子力関係予算概算要求について |
資料2 | 放射線利用の経済規模−日米比較− |
資料3−1 | 東北電力株式会社 東通原子力発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更及び使用済燃料の処分の方法の変更)について(答申)(案) |
資料3−2 | 東北電力株式会社 東通原子力発電所の原子炉の設置変更(原子炉施設の変更及び使用済燃料の処分の方法の変更)の概要 |
資料4−1 | 株式会社東芝 研究炉管理センタ−の原子炉設置変更[使用済燃料の処分の方法の変更]について(答申) |
資料4−2 | 株式会社東芝 研究炉管理センタ−の原子炉の設置変更の概要について |
資料5−1 | 原子力委員会における担当について(案) |
資料5−2 | 総合企画・評価部会の構成員について(案) |
資料5−3 | 研究開発専門部会の構成員について(案) |
資料5−4 | 放射線専門部会の構成員について(案) |
資料5−5 | 原子力発電・サイクル専門部会の構成員について(案) |
資料5−6 | 国際関係専門部会の構成員について(案) |
資料6 | 原子力委員会へのご質問・御意見について |
資料7−1 | 第30回原子力委員会定例会議議事録(案) |
資料7−2 | 第31回原子力委員会定例会議議事録(案) |
次に、中村課長補佐より資料1−3に基づき、外務省分の説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(木元委員)予算が具体的にはどのように使われて、どのような効果があったのか、わかりにくい。適宜、教えて欲しい。
(藤家委員長)重点化していると言えるのか。
(遠藤委員)日本は分担金を払うだけで、上手く活用していないと思う。もう少し上手く活用することを考えていく必要がある。次に、拠出金の重点化が大切である。
(中村課長補佐)実績と今後の重点施策がわかるような資料を用意することを検討したい。
次に、磯貝課長補佐より資料1−4に基づき、厚生労働省分の説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員)継続研究でスクラップしたものはあるのか。
(磯貝課長補佐)13年度で終了する課題はある。
(木元委員)研究テーマに関する社会的ニーズは年によって違う。国民生活の中で何が一番要求されているか、ということに応じて、テーマが選ばれるべきだと思う。例えば、日本の場合、食品照射はじゃがいもしか許されていない。諸外国では、スパイスを中心として、肉などにも照射を行っている。「22.電子線照射生鮮食品の検知に関する研究」は、照射されたものの検知に関する研究である。この研究が、どのような成果を上げ、国民のニーズに合致するのかが見えるようにして欲しい。生活に密着したものという強い印象を与えられれば、新規や継続に関係なく実施するべきだ、ということになる。
(藤家委員長)放射線は長い歴史を持っている。放射線はネガティブな側面を持つ反面、ポジティブな側面も併せ持っている。ポジティブな面からの研究も大切だと思う。目的指向型の研究であれば、特に歓迎したい。
次に、波川課長補佐より資料1−5に基づき、農林水産省分の説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(木元委員)沖縄県などの病害虫根絶事業で、病害虫は減っていないのか。
(波川課長補佐)一旦絶滅しても再侵入することがあるので、その防止ということで必要な経費を要求している。
(木元委員)食品照射については、厚生労働省と一緒に検討していくことであり、食品照射の有用性が認められた場合、照射された食品が世の中に出回ることが可能となるような状況作りをしていただきたいと思っている。
(波川課長補佐)有用性の裏付けや国民の理解が必要であり、その面での努力が必要と考えている。
(木元委員)士幌農協は、じゃがいもへの放射線利用で発展している。他の農協も実施したいと思っている。国民の理解を得ながら展開していければよいと考えている。
(波川課長補佐)実態としては、周年供給が可能な大規模産地等に限られると思われる。
(藤家委員長)RI研究施設の利用について、研修した人がどのように役立てているのかについての評価も聞かせてほしい。
次に、山尾技術安全推進官より資料1−6に基づき、国土交通省分の説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(藤家委員長)放射性物質を含め、核燃料の輸送は大変な作業だと思う。
(山尾推進官)国際的な対応が大変である。2年に一度の安全基準の見直しにおいては、体制の強化を含め考えていく。
しかし、原子力委員会に関わる制度や体制について、もう少し変わらなければと思うところがある。事務局に、常勤委員と非常勤委員の差について尋ねると、常勤委員と非常勤委員には、それぞれの能力を十分に発揮していただきたく、仕事や責任の重みなど両者に差異はない、との説明をこれまで受けてきた。しかし、非常勤委員には経済的な保証、社会的保障は一切なく、言葉は悪いが日雇いである。使命を感じ頑張ったが、正直に言ってこの3年7ヶ月は苦しかった。事務局の方にいろいろ努力をしていただいたが、制度の改革には時間がかかると言われた。また、細かいことを言えば、先週、移転したばかりのこの庁舎でも、壁の案内プレートには、原子力委員会委員長、原子力委員会委員、原子力委員会委員(非常勤)と記載されており、総務系統かどこか知らないが、常勤委員と非常勤委員とは明らかに違うことを意識させるレッテルを貼っている。また、部屋の大きさも常勤委員の部屋の半分など、実態的には差をつけている。
1月に、今後の新原子力委員会は機動的に動かなければいけないと考え、「21世紀の原子力委員会の発足にあたって」という文書で、基本姿勢を明らかにした。その中で、「原子力委員会は、柔軟かつ機動的な組織として、国民の皆さんや各地域の方々と常に接し、さまざまな意見を十分反映していく努力をしてまいります。」とされており、私はその精神で行動してきたが、そうした自分の思いがなかなか伝わらないという思いもある。私自身は、原子力政策にも原子力委員会そのものにも危機感を覚えている。原子力安全委員会との連絡会の場で、原子力委員会は原子力の平和利用を推進していればよく、外から見えなくてもよいとの発言があり、私以外、反論する方もなくショックを受けたこともある。「委員会は見えなくていい」とか、「原子力ありき」からの発想とか、「基本法があるから」とか、「長計で決められているから」とか、国民と乖離しているムラの論理ではなく、「私たちは、どういう生活をしたいのか」「それなら、エネルギー供給はどうあったらよいか」「なぜ原子力なのか」など、いつも、自他ともに常に、問い返し問い続ける姿勢が必要だと、私は考える。
こうした中で、円卓会議の提言を踏まえ、見える原子力委員会の最も根元的なシステム「市民参加懇談会」を創設し、国民との接点を強めることの必要性を強く申し上げてきた。
以上の結果、精神的に疲れたばかりでなく、経済的な痛みが大きいということで、私の任命者であった橋本元総理などにも相談をさせていただいた。橋本元総理のみならず、内閣府幹部や委員会事務局の皆さんもいろいろ努力して下さったが、制度の改善が必ずしも容易ではないと分かった時点で、いろいろ考え、辞職も考えた。ただ、橋本元総理から、辞めることはいつでもできるが、自分がやり残したことをやり遂げるため、つまり原子力が普通の言葉で理解されるようにするため、辞めるなどと言わず、がんばって欲しいと言われた。他にも、いろいろな方からお励ましをいただいた。
そこで、精神的、経済的な意味で、充電をしたいと思う。したがって、来週から、火曜日の定例会議を休ませていただくこととする。しかし、許されるのであれば、国民との接点である市民参加懇談会には参加したいと思う。仮に原子力委員として無理であるならば、専門委員の立場でもかまわない。 いつ原子力委員会に戻るかについては、今の段階では分からない。経済的な面でも私が納得したと思えるまで、お休みをいただきたい。私を必要と言って下さる方がある限り、戻りたいとは思う。小泉総理の言葉ではないが、ひるまず、おそれず、とらわれず、聖域なき構造改革の気持ちで、話をさせていただいた。
また、原子力に関してご理解をいただく仕事については、個人レベルで引き続き関わっていきたいと考えている。
(藤家委員長)木元委員は、市民との接点という点で不可欠な人材なので、早い時期にお戻りいただくことを強く希望している。