第31回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日 時2001年7月24日(火)10:30〜12:00
2.場 所委員会会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員、木元委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
 大熊政策統括官(科学技術政策担当)
 青山参事官(原子力担当)
文部科学省
科学技術・学術政策局原子力安全課
 吉田安全審査企画官
研究振興局量子放射線研究課 関課長
研究開発局原子力課 中西課長
研究開発局原子力課核融合開発室 大竹室長
経済産業省資源エネルギー庁長官官房総合政策課
 和田企画官
原子力試験研究検討会座長(東京大学人工物研究センター教授)
 岩田 修一

4.議 題
(1)総合資源エネルギー調査会総合部会及び需給部会報告
(2)株式会社東芝 研究炉管理センターの原子炉設置変更[使用済燃料の処分   方法の変更]について(一部補正)
(3)原子力試験研究検討会の事前・中間評価結果について
(4)ITER理事会等の結果について
(5)その他

5.配布資料
資料1 今後のエネルギー政策について
資料2 株式会社東芝 研究炉管理センターの原子炉設置変更[使用済燃料の処分の方法の変更]について(通知)
資料3 原子力試験研究の事前及び中間評価結果について
資料4 ITER理事会等の結果概要
資料5 第29回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
 (1)総合資源エネルギー調査会総合部会及び需給部会報告
 標記の件について、和田企画官より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(森嶌委員)地球温暖化推進大綱では、エネルギー起源のCO2はマイナス 0.5%とすることになっていたのではないか。
(和田企画官)報告書の6ページにあるとおり、大綱では、エネルギー起源 のCO2は90年度比横這い(0%)であり、メタン、亜酸化窒素等の排 出抑制により、全体でマイナス0.5%とすることになっている。
(竹内委員)事業者にとって、石油を天然ガスに転換するのはまだよいが、石炭を天然ガスに転換することは難しいと思う。原子力発電所を建設する方がメリットがあると思う。本報告では、今後原子力をどうしていくか、という点が明確でないと思う。
(和田企画官)建設中の石炭火力発電所をLNG火力発電所に転換することは考えていない。省エネにより、必要な発電電力量が減少することから、新規分については、なるべくLNG火力を現行計画通り建設し、石炭火力を後送りにするということを言っているだけである。原子力については、電力自由化との関係や核燃料サイクルについて、部会で正面から取り上げないのか、という声があった。今回、それらについては議論しなかったが、原子力発電所を今後建設しないケースを検討したことにより、特に環境面での原子力の有用性について認識が深まったと考えている。また、最終的には、原子力発電モラトリアムケースは採ることができないという結論になったので、報告書の9ページや17ページに、原子力の重要性について記述したつもりである。
(木元委員)原子力関係者が加わっていないような会合での結果が一人歩きして、原子力関連の情報として国民に受けとられている。そのような状況において、原子力推進への合意を形成していくためには、原子力は必要です、といきなり言っても国民の理解は得られないと思う。
(藤家委員長)この報告を、国民向けにわかりやすく説明することは考えているのか。
(和田企画官)省エネルギー等国民1人1人の協力が必要なものについては、木元先生とも相談しながら、パンフレット作り等を進めている。
(木元委員)札幌で行われた地方会議でも、泊原子力発電所3号機のかわりに、同じ能力の風力発電所を建設すればよいという意見があった。よく聞くと、設備容量だけを比較しただけで、稼働率を全く考慮していないことが分かった。やはり、いろいろな場面で説明していくことが大切である。


 (2)株式会社東芝 研究炉管理センターの原子炉設置変更[使用済燃料の処分の方法の変更]について(通知)
 標記の件について、吉田安全審査企画官より資料2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員)日米協定上、この使用済燃料のアメリカへの移転については包括同意の対象になっていないと思うが、どのような取り扱いにするのか教えて欲しい。

 (3)原子力試験研究検討会の事前・中間評価結果について
 標記の件について、岩田座長より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(竹内委員)多くの省庁の研究課題が扱われていることをみても、原子力の基礎・基盤研究はかなりの裾野の広がりがあることがわかる。私も検討会に出席したが、研究課題の評価は、内容の精査を含め、十分な時間をかけて行われていた。
(藤家委員長)研究成果は、各分野毎に発表しているのか。
(岩田座長)今は、個々に発表が行われているが、原子力試験研究として、ウエブ上でまとめて公表できるように考えていきたい。
(木元委員)これらの研究は、実生活と離れたところで行われているという印象がする。身近に感じられるよう、アピールの方法を考えた方がよい。

 (4)ITER理事会等の結果について
 標記の件について、中西課長より資料4に基づき説明があり、以下の質
疑応答があった。
(遠藤委員)日本はどのような話をしたのか。
(中西課長)現在の国内状況を話した。
(遠藤委員)公式協議と非公式協議はどのように違うのか。
(中西課長)正式なマンデートに基づいて、各国が協議を行うのが公式協議と考えている。
(藤家委員長)いつからカナダを加えた4極となったのか。
(中西課長)正式会合の場で、カナダの取扱いは議論されることになると考えている。
(大竹室長)正式会合が始まると、サイト提案を取り扱うルールを作ることとなる。

 (5)その他