平成14年度農林水産省原子力関係予算要求について

平成13年8月7日
農 林 水 産 省

1.基本的方針
(1) 農林水産省では、食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)に規定する食料・農業・農村基本計画に基づき、食料自給率向上のための麦・大豆・飼料作物等の品質向上や省力・安定栽培等農業生産の現場を支える技術、主要作物の画期的な品種開発を図るためのゲノム解析等の革新的技術等に関する研究開発を推進している。
(2) それに際しては、原子力長期計画の「国民生活に貢献する放射線利用」の中で示されているように、食料の安定・安全な供給に貢献するための放射線の利用や放射線利用技術開発を行っている。
(3) また、原子力関係試験研究分野は、当省においては独立行政法人が中心となって取組んでいることから、平成13年度に策定された法人毎の中期計画に基づき、放射線育種技術の開発等の先導的、基盤的研究開発を原子力試験研究費により実施している。

2.具体的事項

(1)特殊病害虫根絶事業
奄美群島におけるアリモドキゾウムシ根絶実証防除に必要な経費
 (平成14年度予算要求額:調整中、平成13年度予算額:67百万円)
沖縄県におけるウリミバエ侵入防止事業・イモゾウムシ等根絶実証防除経費
 (内閣府一括計上予算)

 (平成14年度要求額:調整中、平成13年度予算額802百万円)
 国内の一部地域に発生しているアリモドキゾウムシ等特殊病害虫に対して放射線を利用した不妊虫放飼法により根絶事業を実施し、発生地における農業振興を図る。また、既に根絶が達成されたウリミバエについては、不妊虫放飼による再侵入に備えた対策を常時実施することにより、我が国の農産物の安全で安定的な生産に資する。

(2) RI研修施設の有効活用と管理
 (平成14年度予算要求額:調整中、平成13年度予算:43百万円)
 農林分野における研究領域は、バイオテクノロジー等の先端技術を中心としてますます拡大しており、産学官の連携強化や国際的な交流を通じて研究開発を効率的に推進することが必要となっている。このため、RI研修施設では研究交流の拠点として研修や共同研究等の利用に資する。

(3) 原子力試験研究費による研究(文部科学省一括計上予算)
 (平成14年度予算要求額:調整中、平成13年度予算274百万円)
 放射標識DNAを利用した方法による昆虫集団の識別・同定法の開発、突然変異体の作出による新農作物素材の創出技術の開発や「刺さないみつばち」の開発等を行う。

(4) 放射能調査研究費(文部科学省一括計上予算)
 (平成14年度予算要求額:調整中、平成13年度予算146百万円)
 降下放射性物質による作物、牛乳、家畜骨格内の蓄積状況調査(フォールアウト)と、土壌、内水面及び海産生物に蓄積している放射能物質の測定(モニタリング)を実施する。


(参 考)放射線の利用について

1 植物の品種改良のための放射線利用

2 食品照射への放射線の利用