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原子力試験研究における研究評価の基本的な考え方及び評価基準について


 原子力委員会が策定した「原子力試験研究に係る研究評価実施要領」(平成13年5月15日原子力試験研究検討会)に基づき、以下の方針にて研究評価を実施した。


1.基本的な考え方
 研究評価は、研究開発の効果的な推進のために実施するものであり、具体的には以下を目的として行う。
国際的な先導性の観点に立って、技術のブレークスルーや創造的技術の創出に繋がる優れた研究を創成し、実施する。
厳しい財政事情のもと、限られた財政資金の重点的、効率的配分を図る。
研究者の創造性が十分発揮されるような、柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境を実現する。
国民に研究開発の実体を公開し、研究開発に対する国費の投入について、広く国民の支持と理解を得る。


2.評価基準
(1) 事前評価
 事前評価の実施に当たっては、
  • 研究開発の方向性・目的・目標等の決定
  • 着手すべき課題の決定
  • 研究資金等の研究開発資源の配分の決定
  • 期待される成果・波及効果の予測
  • 研究開発計画・研究開発手法の妥当性の判断
等を行うため、各WGが当該領域の性格等を考慮して、以下の評価基準により行った。
(a)研究内容は原子力試験研究費の基本方針にかなったものか。
(b)研究目標と研究計画が、最新の学術研究の成果と動向を充分に踏まえて設定され立案されているか。
(c)申請者の準備状況も含め、申請者に、設定された目標を期限内に達成できる能力があると認められるか。
(d)期間が限られたプロジェクトであることから,研究の目的・目標が絞り込まれ,実施の手順,方法が十分検討されているかどうか。
(e)現象の捉え方や手法に独創性があり,その成果が当該分野のみならず,他の分野にも大きな波及効果が期待できるかどうか。
(f)社会的要請が強い課題については、その緊急性に鑑み、研究組織を含めた研究計画全般を見直すことを視野に入れて、評価を行った。
(g)研究経費(案)は、費用対効果を充分に踏まえて立案されているか。
(h)使用または購入する機器や解析手法の開発における予算配分が妥当かどうか(外部委託の程度)。

(2) 中間評価
 中間評価の実施に当たっては、

  • 研究開発の進捗状況の把握
  • 研究開発の目的・目標の見直し
  • 研究開発の進め方の見直し(継続、変更、中止等の決定)
  • 研究資金等の研究開発資源の再配分の決定
等を行うため、各WGが当該領域の性格等を考慮して、以下の評価基準により行った。
(a)これまでの研究が当該課題が採択された当初の研究目的に沿って進展してきたか
(b)研究課題,実施内容が本来の原子力試験研究として相応しいかどうか。
(c)今後の研究計画の展開が,残された期間内に十分な成果が出せるものになっているかどうか。
(d)研究目標の達成度はどうか、達成度に問題がある場合にはその原因の認識と今後の対応策はあるか
(e)得られた研究成果がどのような形でどの程度公表されているか
(f)研究者の能力および研究費は妥当であるかどうか。
(g)研究経費は、購入設備備品の有効使用も含め、効果的に使われているか
(h)新規提案当時に事前評価制度が設けられていなかったためWGによる事前評価を受けずにスタートした課題については、例外的な措置として、研究目的と研究計画にさかのぼってヒアリングを行い、今後更に研究期間を延ばすことによって成果が期待できるか否かを中心に検討した。