第25回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日 時2001年6月12日(火)10:30〜11:15
2.場 所委員会会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員、木元委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
興政策統括官(科学技術政策担当)
 青山参事官(原子力担当)
文部科学省
研究開発局核燃料サイクル開発課
 坂口課長補佐
核燃料サイクル開発機構
 都甲理事長
 竹内副理事長
 菊池理事

4.議 題
(1)高速増殖原型炉もんじゅの原子炉設置変更許可申請について
(2)その他

5.配布資料
資料1−1 高速増殖原型炉もんじゅ原子炉設置変更許可申請について
資料1−2 高速増殖原型炉もんじゅ原子炉設置変更許可申請書の概要
資料2 第24回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
 (1)高速増殖原型炉もんじゅの原子炉設置変更許可申請について
 標記の件について、都甲理事長、竹内副理事長、菊池理事より資料1−1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(木元委員)77万人の反対署名とあるが、福井県では何人署名したのか。
(坂口補佐)先日、官房長官へ提出があったのは、約3万人分だけで、77万人の内訳は不明である。
(木元委員)77万人の反対署名というのは、反対している側の発表ということか。
(坂口補佐)そうである。
(木元委員)それを資料に明記しないと、77万人の反対署名という言葉が一人歩きしてしまうのではないか。また、全国規模の理解活動については、関係者だけで行うのではなく、関係者以外の方を中心に行わなくてはいけない。そのためには新しいやり方を考える必要がある。
(菊池理事)原子力関係以外の人が行うのが一番よいと考えている。原子力関係者が傍聴者となって、原子力関係者以外の方々に原子力に期待することはなにか、どのようなことを考えているのかを議論していただいたことがあったが、かなり有意義であった。
(木元委員)なぜ、もんじゅなのか、核燃料サイクルなのか、原子力なのかまで遡って、原子力関係者以外の方々と何度も議論していかなければならない。そして、こうした議論を通じて、参加者の口から広く伝わっていくことの意義は大きい。
 また、当事者ではなかなか説明できないこともあるので、議論に際し、中立の立場で内容を吟味して話のできる人を作らないといけない。
(竹内委員)全国規模の理解活動については、計画的に考えているのか。
(菊池理事)地元レベルでは自信をもって行っていけるが、全国規模となると、サイクル機構の枠内で実施するのは難しい。
(竹内委員)地元レベルでは、今までどのように進めてきたのか。
(竹内副理事長)敦賀市の全戸訪問など、我々ができることは全て行ってきた。その結果、知事や県会議員の方に意見を聞いていただける状況になった。今後も、この精神で行っていくつもりであるが、地元レベルだけでも大変なので、全国大のこととなると新たな仕組みを考える必要がある。
(菊池理事)消費者の方々がどのように考えるか、という視点が大きいと思う。もんじゅだけでなく、プルサーマルを含めて説明する方が、一般の方に分かりやすい。
(木元委員)基本的なことを理解してもらうことが重要であり、専門的なことを言われると、つい構えてしまう。私が出席する総合資源エネルギー調査会地方会議でも、普通の言葉で説明することに大きな意味があると考えている。
(藤家委員長)安全を見直す点で、焦点はなにか。
(菊池理事)いろいろな方面から指摘されている耐震などが中心になってくると思う。
(都甲理事長)全体の安全は、安全総点検の結果を原子力安全委員会が審査しているので、今回、その審査の結果も踏まえた審査が行われると思う。
(藤家委員長)6月5日に福井県の副知事が来られて、福井県知事からの要請書を受け取った。その要請書の中に、「高速増殖炉サイクル技術開発の意義や「もんじゅ」の位置付けと果たすべき役割について、今後とも国民や県民の理解が得られるよう、国において継続的に取り組むこと」とある。原子力委員会として、もんじゅのナトリウム漏えい事故以来、いろいろな形で対応してきたが、更にこうした要望に応えていく必要があると感じている。長計に書かれていることをよりわかりやすい形で表現し、社会へ説明していくことが大事だと思う。同時に、県から期待されていることに十分対応していきたい。ここで、サイクル専門部会の主任である竹内委員の意見を聞きたい。
(竹内委員)意義や位置付け、役割を整理して、国民に対して発信できるような体制を組んでいきたい。
(遠藤委員)今後どうするかの具体的なシナリオについて、どう考えるか。
(竹内委員)長期計画などから意義や位置付けを再度整理し、国民にアピールしていくつもり。
(木元委員)今何が問題であり、何をアピールしていくことが必要なのかを整理した後、アピールするには、どうやっていくのが一番効果的なのかを考えることが重要である。まず専門部会の設置をというのではなく、プライオリティは外からの意見を整理することである。
(竹内委員)今までのプロダクトアウト的発想を、マーケットイン的発想に切り替えていかなければならないと感じている。
(森嶌委員)もんじゅを巡って、今までの経験から、なにが論点なのか、どのようなことを発信すべきかを、まずサイクル機構が整理する。その結果を受けて、市民参加懇談会や専門部会で議論し、どのような形で発信していくのかを決めるほうがよい。ただし、一体的に行うのではなく、お互いに情報交換を行いながら進めていくということである。
(藤家委員長)事業者と行政と原子力委員会が、それぞれの機能に応じて、対応していくべきと考えている。早く行動に移すにはどうすればよいか、を考えるためのデータベースを早く作ることが必要である。これまでのサイクル機構の努力は評価するが、マイナスの話も聞きたい。
(森嶌委員)2ヶ月先に情報交換できるように準備を進めてほしい。
(木元委員)地元の女性から、安全審査入りの話を聞きたいという要請はあるか。
(菊池理事)安全審査入りの話より、六ヶ所のサイクル施設や高レベル放射性廃棄物の処分など、もんじゅ以外の原子力の話に関心があるようだ。

(2)その他