高速増殖原型炉もんじゅ原子炉設置変更許可申請書の概要
(原子炉施設の変更)

平成13年6月
核燃料サイクル開発機構

1.申請の概要
 (1) 申請者
核燃料サイクル開発機構 理事長 都 甲 泰 正

 (2) 発電所名及び所在地
高速増殖原型炉もんじゅ
福井県敦賀市白木2丁目

 (3) 原子炉の型式及び熱出力
型 式 プルトニウム・ウラン混合酸化物燃料ナトリウム冷却高速中性子型
熱出力 714MW

 (4) 申請年月日
平成13年 6 月 6 日

 (5) 変更内容
2次ナトリウム補助設備を2次冷却材漏えい時に、漏えい系統のナトリウムを緊急にドレンできる設計とする。

 (6) 変更理由
空気雰囲気下でのナトリウム漏えいに伴う火災に対する影響緩和機能の充実、強化を図るため。

 (7) 工事計画
 第1図に示すように、約17か月を要する計画である。

 (8) 変更の工事に要する資金の額及び調達計画
 本変更に係る工事に要する資金は167億円であり、核燃料サイクル開発機構法に基づく政府出資金により調達する予定である。

2.変更にかかわる設備改造の概要等
 (1) 設備の改造
1) ナトリウム緊急ドレン機能の追加(本文、添付書類関連)
 2次冷却材ナトリウムの漏えい時に、ナトリウムのドレンに要する時間を短縮し漏えいを早期に終息させるため、ナトリウムのドレン等を行う2次ナトリウム補助設備について、2次ナトリウム漏えい時に漏えい系統のナトリウムを緊急にドレンできるようにする(ナトリウムドレン配管の追加、大口径化等の改造)。
2次ナトリウム補助設備系統説明図を第2図に示す。また、2次ナトリウム補助設備の改造概念図を第3図に示す。

2) その他の改造(添付書類関連)
① 煙感知型・熱感知型ナトリウム漏えい検出器の設置
 ナトリウムの漏えいが機器・配管等の保温構造外に及ぶ場合の検出機能を強化するため、ナトリウムを内包する機器・配管が設置される空気雰囲気室に、既存のナトリウム漏えい検出器のほか、煙感知型及び熱感知型ナトリウム漏えい検出器を設置する。
煙感知型・熱感知型ナトリウム漏えい検出器の設置概念図を第4図に示す。

② 換気空調設備等の改造
 2次冷却材漏えい時に、煙感知型等のナトリウム漏えい検出器の信号により換気装置を自動停止させるインタロックを設置する。
 また、漏えいナトリウムの燃焼の抑制を図り、また、原子炉補助建物内へのエアロゾルの拡散を防止するために各区画を気密化する改造を行うが、これに伴いナトリウム漏えい時の内圧上昇が大きくなる可能性があるため、区画内の圧力上昇を抑制できるように、圧力開放ダンパを設置する。
 さらに、炉外燃料貯蔵槽冷却系共通配管室を窒素雰囲気化する。
 換気空調設備等の改造概念図を第5図に示す。

③ 窒素ガス供給系設備の改造
 漏えいナトリウムの燃焼の抑制を図るため、ナトリウム燃焼区画に窒素ガスを供給できるように、窒素ガス供給系設備を改造する。
窒素ガス供給系設備系統説明図を第6図に示す。また、窒素ガス供給系設備の改造概念図を第7図に示す。

(2) 安全設計方針及びその適合(添付書類関連)
 「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」及び「発電用軽水型原子炉施設の安全機能の重要度分類に関する審査指針」並びに「高速増殖炉の安全性の評価の考え方」に解説が付与されたことを踏まえ、改造設備の安全設計を行うための安全設計方針及びその適合を追加する。

(3) 2次冷却材漏えい事故解析(添付書類関連)
 設備改造を踏まえ2次冷却材漏えいを想定した事故解析(漏えいナトリウムによる熱的影響の解析)を行う。2次冷却材漏えい時の2次主冷却系配管室における内圧変化を第8図に、2次ダンプタンク室床コンクリート温度変化を第9図に示す。

以上