第19回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.日 時2001年5月15日(火)10:30~11:45
2.場 所委員会会議室
3.出席者
藤家委員長、遠藤委員、木元委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
 興政策統括官(科学技術政策担当)
 青山参事官(原子力担当)
(社)日本原子力産業会議
 森副会長
(財)核燃料サイクル開発機構
 相澤理事

4.議 題
(1)原産年次大会の結果について
(2)FBRサイクルの実用化戦略調査研究(Ⅰ)の結果について
(3)遠藤原子力委員長代理の海外出張報告について
(4)新たな原子力委員会の在り方について
(5)その他

5.配布資料
資料1 第34回原産年次大会参加者数
資料2 FBRサイクルの実用化戦略調査研究(フェーズⅠ)の成果について
資料3 遠藤原子力委員長代理の海外出張報告について
資料4-1 今後の原子力委員会における検討体制について(検討用資料)
資料4-2 各専門部会等・懇談会の概要(検討用資料)
資料5 第18回原子力委員会定例会議議事録(案)

1.審議事項
 (1)原産年次大会の結果について
標記の件について、森副会長より資料1に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(森副会長)今回の市民会合で感じたが、情報公開について原子力委員会が積極的な役割を果たされるよう検討されたい。
(竹内委員)青森で開催され、中身のある、いい議論が行われていた。
(木元委員)集客のために使った媒体はなにか。
(森副会長)新聞、ラジオ、テレビを使った。
(木元委員)原子力関係者でない一般の方の出席はどのくらいか。
(森副会長)200名程度である。
(木元委員)パネリストの中に原子力反対の方が入っていたか。
(森副会長)若干名しか入っていない。大会終了後の反省会でも意見が出た。
(木元委員)推進派だけで行っているように受け取られることが残念である。今回、報道は多かったようだが、メディアの反応はどうだったか。
(森副会長)中には厳しいものもあった。
(木元委員)メディアの反応を見てどこが問題なのか今後の反省材料になる。
(藤家委員長)青森開催は、青森県知事の要請でもあったし、成果は大きかった。

 (2)FBRサイクルの実用化戦略調査研究(Ⅰ)の結果について
 標記の件について、相澤理事より資料2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(竹内委員)フェーズⅡは今までの検討を絞り込むのが目的か。
(相澤理事)Aの評価のものを中心に、要素技術の組み替えも併せて行いながら、最終的には、2~4ぐらいまで絞り込みたい。ただし、どの段階でも、もっといい技術があれば切り替えられる余地は持っておきたい。
(遠藤委員)フェーズⅡに係る経費はどれくらいか。
(相澤理事)計画では、5年で300億円程度である。
(木元委員)実用化戦略の戦略は誰が立てるのか。
(相澤理事)最終的に中心となるのは原子力委員会だと考えるが、戦略をオーソライズする過程のベースとなる知見などをサイクル機構で公平な形で整理している。
(木元委員)サイクル機構の中で戦略は誰が立てているのか。
(相澤理事)組織としては、理事長直轄でプロジェクトを設け、実施部隊は本社にFBR開発推進部、大洗工学センターにシステム開発部と要素技術開発部、これら3つの部を中心に、燃料サイクル関係は東海事業所に先進技術開発部、発電プラント関係は敦賀にある国際技術センターにチームを置いている。
(木元委員)戦略を立てるメンバーにサイクル機構以外の人はいるか。
(相澤理事)この事業は、サイクル機構単独のものでなく電気事業者と共同で行っている。連絡協議会を設けるなどして議論しながら進めている。また、個々の専門分野毎に大学や国立研究所の専門家で構成する委員会を設け、適宜意見をいただいている。
(木元委員)これらの検討プロセスが見えれば理解しやすい。
(藤家委員長)今は未だ開発目標が技術論ベースになっているが、実用化時期に社会はどうなっているかという観点で目標設定をすることが大切である。また、過去実施された検討がどこに生かされ、今回どのような考え方で検討したのか。この実用化戦略調査研究は、日本の革新炉開発で重要な位置を占めるので、成果を期待している。
(相澤理事)技術論ベース以外の検討も進めていく。今回の結果は、海外も含め過去の検討を最大限活用した。概念構築はその時代の設計者の意図が入っているのでベースが共通でなかったが、今回は共通のベースでの概念の再整理を行った。

 (3)遠藤原子力委員長代理の海外出張報告について
 標記の件について、遠藤原子力委員長代理より資料3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
(遠藤委員)日本とベトナムの原子力協力をこれ以上進めて行くには、原子力関係者同士の協力だけでは解決できない。ベトナム側が国対国のレベルにどのように上げていくのかわからない。今はベトナム側の動きを注視している。
(木元委員)北部に水力発電が開発されたが、今も電力が逼迫しているのか。
(遠藤委員)電力需要の伸びから考えると2015年頃から逼迫する状況である。原子力開発もそのころを考えている。
(藤家委員長)インドネシアの原子力計画が連想されるが、国対国の話がある程度明らかにならないとコミットしようがない。
(木元委員)ベトナムは原子力開発への強い思いを持っているが、現時点でそれに対する反対はないのか。
(遠藤委員)一部に不安という意見はある。政府は利益団体や利害関係者との調整を行うことで乗り切れると考えているようだ。
(森嶌委員)ベトナムはポリティカルリーダーシップが強く、発電をどうするかより軍事利用の点を考える必要がある。方法としては、大使を通じてベトナムの意向を聞き信頼関係を築き、日本は平和利用に徹するということでなければ協力できないというポリシーを打ち出して、検討してもらう。そうでなければ、コミット後に軍事利用でもということになれば、日本が諸外国から批判を受けることになる。

 (4)新たな原子力委員会の在り方について
 標記の件について、遠藤委員長代理より資料4-1、4-2に基づき説明    があり、以下のとおり質疑応答があった。
(藤家委員長)早く活動を始めることを期待されているものもあり、この体制で準備ができたところからスタートしていきたい。メンバーの人選は主任と副主任の考えを最大限に尊重するので、部会の特徴を生かしたもとしてほしい。
(木元委員)部会のねらいにあった人を発掘していきたい。
(森嶌委員)これだけの部会となると専門情報の準備などのバックアップが必要であるが、事務局の体制はどうするのか。
(藤家委員長)事務局は内閣府となり、内容により関係省庁に協力をしてもらうこととなると考えている。

(5)その他