第１６回原子力委員会臨時会議議事録（案）

１．日　時	２００１年４月２０日（金）１０：００〜１１：２０
２．場　所	委員会会議室
３．出席者	藤家委員長、遠藤委員、木元委員、竹内委員、森嶌委員内閣府　興政策統括官（科学技術政策担当）　青山参事官（原子力担当）　経済産業省資源エネルギー庁原子力政策課　原山課長、森本企画官

４．議　題

（１）	総合資源エネルギー調査会原子力部会「原子力の技術基盤の確保について（とりまとめ（案））」について
（２）	その他

５．配布資料

資料１−１	総合資源エネルギー調査会原子力部会「原子力の技術基盤の確保について（とりまとめ（案））」
資料１−２	原子力の基盤技術の確保について−参考資料集−
資料２	第１５回原子力委員会定例会議議事録（案）

６．審議事項 （１）総合資源エネルギー調査会原子力部会「原子力の技術基盤の確保について（とりまとめ（案））」について

標記の件について、原山課長、森本企画官より資料１に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

ＲＩ・研究所等廃棄物には非常に関心を持っている。クリアランスレベルの検討や資源リサイクルも視野に入れ、関係省庁と推進していきたい。ＭＯＸや再処理についても、同様に推進していきたい。
（原山課長）ＲＩ・研究所等廃棄物の問題は、研究などを行う上での環境整備の観点から大変に重要なことである。一方、ＭＯＸや再処理のように事業化段階を迎えているものに国が補助、支援することはないだろうということがある。国が限られたリソースを投入するので、今までの延長線ではなく、ガイドラインを定めて取り組んでいきたい。
ウラン濃縮は、ナショナルセキュリティーの側面があるので国の支援を受けるほうがよい。
（原山課長）原子力部会でも議論があったが、技術については、国際的な視野での経済性をどれだけ持つかがなければ存立しえない。特定の技術分野で、国際的な相互依存・協力関係に立てるような部分が存在しているのであれば、国としても支援していく。
大変、意欲的な報告書案ができたと考える。先端的・革新的な研究については、現実的・将来の実用化を基本としているが、大学を含む研究機関は、新しい概念を追い求めることの重要さも持っているのでその点も考慮してほしい。技術移転は、原子力委員会が抱えている重要な問題と認識している。当事者同士に任せておくのか、第３者機関を入れるのかなど、今後、議論を深めていく。
（原山課長）技術移転は、最後は人の移動が伴うので、議論を深める必要を感じている。
技術移転は、移動した人が実力を最大限に発揮できる環境整備が、国、民間とも是非必要である。
ＲＩ・研究所等廃棄物の問題は、発生させる当事者意識の醸成が必要で、その上で資源リサイクルなどへ展開が期待できる。
世界で核燃料サイクルを民間だけでやった例はない。日本の状況に合わせて、技術移転を含めどんなやり方がよいかを考えているか。
（原山課長）高レベル廃棄物の処分ですら民間主体で行うことが国政レベルの方針である。ただ、電力自由化の議論を進めていく中で必ず各方面から問いかけが出てくる。今は、技術移転の問題を含め、国・民間がベストを尽くすことが必要。それでも実現しえないものならば政策を変えていくということ。そこに対する努力と検証が先になければいけないと考える。
（興統括官）高レベル廃棄物の処分ですらという発言は妥当でない。動力炉開発等、国が関わることが期待されているものについては、国として役割を果たしていくことが第一義である。国家として技術力を培い、それを移転させることが重要である。他方、民間がその技術を受け入れるか否かは、民間が経済状況等に応じて判断されることとなろう。技術移転にあたっては、技術者一人一人が技術ポテンシャルを持った必要とされる人材なので、受け入れられるための土壌づくりの議論をしっかり行っていく必要がある。
（原山課長）了解した。
原子力部会では、その議論がかなり行われている。

　（２）その他

　委員長より、最近のプルサーマルの状況に鑑み、原子力委員会としてメッセージを出すことの重要性と緊急性があると考えるので議論したい旨の発言があった。原山課長のプルサーマルの現状説明の後、事務局よりメッセージ（案）の紹介があり、以下のとおり質疑の後、一部修正し、緊急メッセージを出すこととなった。

重要なことなので、できるだけ早く出すべきである。１ページ本文２行目の「・・出発することとなりました。」は「出発いたしました。」に直すこと。
原子力委員会として、これだけ逼迫した状況の中で強い決意を持っているので、緊急メッセージという位置付けでよい。
前述が長く、文章が少し弱いと感じるが、国民を含めいろいろな人に理解してもらうには、本構成は適切と考える。
早速、具体的にどうするかを事務局の方でも検討を進めてほしい。
（興統括官）各自治体・各省へ働きかけ始めている。所管官庁における努力も重要である。国を上げて対応していきたい。
事務局作成の資料２の第１５回原子力委員会定例会議議事録（案）が了承された。