原子力委員会からの緊急メッセージ

平成13年4月20日


  1.  原子力委員会は、今般の中央省庁等再編により、内閣府に移行し、新たに出発いたしました。
     この、言わば「新生原子力委員会」の所信として、去る1月23日に、「21世紀の原子力委員会の発足に当たって」を発表いたしました。
     この中において、今後、原子力委員会としては、

    •  昨年11月に策定した「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」を誠実に、また積極的に具体化し、着実に進めていくこと、
    •  柔軟かつ機動的な組織として、国民の皆さんや各地域の方々と常に接し、さまざまな意見を十分に反映していく努力を行うこと

     などを明らかにしております。

  2.  「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」は、約1年半をかけ策定のための会議を重ね、その間、全国3カ所で「ご意見をきく会」を開催し、広く国民の皆さんと議論するとともに、50日間にわたって意見募集を行うなど、多様な立場の方々との論議を経て策定したものであり、今後の我が国原子力政策の根幹として、閣議に報告されたものです。
     同計画は、原子力を、資源の乏しい我が国にとって、エネルギーの安定供給に貢献するものと位置付けるとともに、「プルサーマル計画」については、燃料をほぼ全量輸入に依存する現状の下で、原子力の供給安定性を一層確実にできること、ドイツ、フランスなど海外では既に1980年代から利用が本格化していることなどを踏まえて、着実に推進していくことが適切であるとしています。

  3.  また、我々は、この1月以降、新しい原子力委員会が今後どのような活動を行っていくべきかについて検討を進めてきており、近々その内容を明らかにすることとなりますが、その中で、「いつでも、どこでも、だれとでも」対話することを心がけ、そのための体制を整えていくことを最重要課題の一つとして位置付けております。

  4.  この間、「プルサーマル計画」を巡って様々な論議が生じています。
     この数ヶ月の間、「プルサーマル計画」の何が問題とされているのか、皆さんがどのような意識をお持ちなのかについて、重大な関心をもって注目して参りましたが、最近の動きを見て、あらためて、「プルサーマル計画」を含む原子力政策全般について説明し、ご理解をいただくための努力が必要だとの思いを強くいたしました。

  5.  したがって、原子力行政の民主的な運営のために設置された原子力委員会として、新たな決意をもって、広く国民の皆さんや、平成8年の三県知事提言を出された福島県、新潟県及び福井県並びに核燃料サイクル施設が立地する青森県及び茨城県を始めとする立地地域の方々と、ご意見、ご要望を伺いながら、膝を交えて率直な話合いをして参りたいと考えております。
     つきましては、そのような機会を持つことに、是非ご協力をいただきたいと思います。

    以上