平成12年度革新的実用原子力技術開発費補助金について

平成13年4月3日
経済産業省
原子力政策課

1.事業の目的と概要
(1)目的
 (財)エネルギー総合工学研究所が大学、研究機関、企業等が実施する革新性の高い実用原子力技術開発テーマを公募により採択して技術開発を実施する事業に対し、国が補助することにより、我が国の原子力発電及び核燃料サイクルの安全性・経済性に係る技術の飛躍的向上に資することを目的とする。
(2)対象とする技術開発
 原子力技術のうち、柔軟な発想により安全性・経済性が飛躍的に向上することが期待される革新的な技術概念・要素技術等に係る技術開発を対象とする。
平成12年度は、基礎研究によって実用化の可能性が具体化しており、実用化の時期や安全性・経済性の効果について具体的な予測ができる段階にある、以下の分野の技術開発を対象とする。
革新的実用原子力発電関連技術の開発(例:新型炉技術、新型燃料技術、等)
革新的実用核燃料サイクル関連技術の開発(例:廃棄物の処理処分技術、等)
①及び②に共通する技術、両者を包含する総合的な技術又は評価技術の開発(例:被ばく低減技術、リスク評価技術、等)
(3)応募資格
 応募資格は国内の大学、研究機関、企業等とする。ただし、共同研究を行う場合において、外国法人が参加することはできるが、技術開発契約の対象は国内の大学、研究機関、企業等が行う技術開発のみとする。
(4)技術開発期間及び技術開発費
①技術開発期間:原則として3年以内(実施効果が高く、特に必要と認められる場合については最長で5年)とする。
②技術開発費:1件当たり、年間1億円以内
(5)平成12年度採択数
 10件

2.平成12年度の状況
平成12年度は、応募テーマ58件の中から審査の結果、以下の10件の技術開発テーマを採択した。現時点では、これらの技術開発を開始したところである。
① テーマ名:「地層処分場の高圧環境における性能評価手法に関する技術開発」
 実施機関:(株)神戸製鋼所、東京大学、(株)コベルコ科研
② テーマ名:「フッ化揮発法と溶媒抽出法のハイブリッド再処理に関する技術開発」
 実施機関:(株)日立製作所、埼玉大学、名古屋大学
③ テーマ名:「軽水炉MOX振動充填燃料の開発」
 実施機関:(株)東芝、大阪大学、日本ニユクリア・フユエル(株)、日本核燃料開発(株)
④ テーマ名:「長半減期MA・FP核種の分離回収システムの開発」
 実施機関:東京工業大学、三菱マテリアル(株)、日本原子力研究所
⑤ テーマ名:「高経済性低減速スペクトルBWRに関する技術開発」
 実施機関:(株)東芝、岐阜大学
⑥ テーマ名:「超臨界圧水冷却炉の実用化に関する技術開発」
 実施機関:(株)東芝、東京大学、九州大学、(株)日立製作所
⑦ テーマ名:「放射性廃棄物地層処分における天然バリア中の物質輸送予測」
 実施機関:(株)富士総合研究所、東京大学、日本原子力研究所
⑧ テーマ名:「受動的安全性を具備した低減速軽水炉に関する技術開発」
 実施機関:日本原子力研究所、日本原子力発電(株)、(株)日立製作所、東京工業大学
⑨ テーマ名:「核燃料サイクルシステムの外部性評価手法体系に関する技術開発」
 実施機関:(株)三菱総合研究所、埼玉大学
⑩テーマ名:「新型熱交換器(AIHX)に関する技術開発」
 実施機関:三菱重工業(株)、大阪大学

3.平成12年度「革新的実用原子力技術開発提案公募事業」審査委員会委員
(順不同、敬称略)
委員長東京大学 大学院工学系研究科 教授近藤 駿介
委員埼玉工業大学 先端科学研究所 教授石榑 顕吉
委員筑波大学 機能工学系 教授内山 洋司
委員工学院大学 学長大橋 秀雄
委員核燃料サイクル開発機構 東海事業所長岸本洋一郎
委員東京大学 大学院工学系研究科 教授鈴木 篤之
委員京都大学 大学院工学研究科 教授東  邦夫
委員東京工業大学 原子炉工学研究所 所長藤井 靖彦
委員電気事業連合会 原子力開発対策委員会 委員長前田  肇
委員滋賀職業能力開発短期大学校 校長宮﨑 慶次
委員京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授吉川 榮和