第10回原子力委員会定例会議議事録(案)


1.日 時   2001年3月13日(火)10:30〜11:40

2.場 所   委員会会議室

3.出席者   

藤家委員長、遠藤委員、木元委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
 青山参事官(原子力担当)、嶋野企画官
経済産業省原子力安全・保安院
原子力発電安全審査課
 古西統括安全審査官
文部科学省研究開発局
原子力課(国際協力)
 竹内国際原子力協力企画官
(社)日本原子力産業会議 大井参与
核燃料サイクル開発機構
国際・核物質管理部 岩永部長

 


4.議 題
(1)中部電力株式会社 浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原子炉施設)について(諮問)
(2)第2回国際シンポジウム「原子力平和利用と核不拡散との調和をどう図るか−アジアから原子力開発を考える−」開催結果について
(3)第3回JNC原子力平和利用国際フォーラム−原子力平和利用技術と国際貢献−開催結果について
(4)その他

5.配布資料
資料1−1 中部電力株式会社 浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原 子炉施設)について(諮問)
資料1−2 中部電力株式会社 浜岡原子力発電所原子炉設置変更許可申請(5号原子炉施設の変更)の概要について
資料2   第3回JNC原子力平和利用国際フォーラムの開催結果について
資料3   原子力平和利用・核不拡散研究会主催 第2回国際シンポジウム 「原子力平和利用と核不拡散との調和をどう図るか−アジアから原子力開発を考える−」結果概要の報告
資料4−1 第7回原子力委員会定例会議議事録(案)
資料4−2 第8回原子力委員会定例会議議事録(案)
資料4−3 第9回原子力委員会定例会議議事録(案)

6.審議事項
(1)中部電力株式会社 浜岡原子力発電所の原子炉の設置変更(5号原子炉施設)について(諮問)
 標記の件について、古西統括安全審査官より資料1−1、1−2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
・こういった構造は初めて採用するものか。
(古西統括安全審査官)マグネットカップリングは、原子力施設では放射性廃棄物施設、一般産業ではガスステーションなど油を扱うところで使われている。制御棒駆動機構には初めて採用する。
・設備の実証試験は行っているか。
(古西統括安全審査官)電力共同研究などで実証試験は行っている。
・この変更は効率化を狙ったのか。
(古西統括安全審査官)コスト面は分からないが、駆動する電源系やコントローラを含めた全体の設備の簡素化ができるものと考える。
・この方式は他でも使われることになるのか。
(古西統括安全審査官)大間、島根3号で申請が出されている。

(2)第2回国際シンポジウム「原子力平和利用と核不拡散との調和をどう図るか−アジアから原子力開発を考える−」開催結果について
標記の件について、竹内国際原子力協力企画官および大井参与より資料 3に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
・具体的にどのように日本から発信したということになるのか。
(大井参与)昨年は提言という形で発信した。今回は日本側の考えをパネル討論を通じて世界に発信したと考えている。
・この結果をまとめ、諸外国に配布することを考えているか。
(大井参与)ウエブサイトに載せている。パネル討論を含めた文書をまとめ、海外の主要な核不拡散関連の団体に送付することを考えている。
・出席者の過半数は分野別参加者において「その他」となっているが、どのような人が集まったのか。
(大井参与)いろいろな人が含まれている。この核不拡散分野は一般の人が理解するには難しいかも知れない。
・プレス関係者が5名で少ない。一般の人が理解できないことでも、メディアを通して内容や日本が努力していることを伝えることができる。
(大井参与)大きな会議とプレスブリーフィングが重なってしまい、集まりに影響があったのかも知れない。
・核不拡散は重要なテーマであり一般新聞に掲載されるように努力してほしい。

(3)第3回JNC原子力平和利用国際フォーラム−原子力平和利用技術と国際貢  献−開催結果について
標記の件について、岩永部長より資料2に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。
・今回と前回の違いはなにか。
(岩永部長)期待していた内容は聞けなかったがロシアの解体核の状況と実用化戦略調査研究の成果発表である。
・今回、核拡散抵抗性について議論が進められたようだが、結果をどう使うのかに焦点をおいて議論しないと意味がない。これからも議論は続けられると考えるが、今後どのように理解し、発信していくのか説明いただきたい。
(岩永部長)核拡散抵抗性の技術については、種々の選択オプションの特性を理解することが大切である。例えば、再処理技術では、湿式の場合の低除染サイクル等では、核分裂生成物が残存同伴することにより、核物質への接近が困難になり抵抗性が増すとされる。一方では、プルトニウム量を管理する上では、接近が困難で測定分析の精度を下げることとなり保障措置上の効果を損ねる方向になる。このため、特徴に応じた測定分析の技術開発を合わせて考えることが国際的にも重要であると考える。
・そういった点を、主体的に核燃料サイクル開発機構が主張することが大事だと思う。

上記シンポジウムおよびフォーラムの説明後、以下のとおり発言があった。
・公的資金で行われたフォーラム等は、政策決定等の参考になりうるものである。今後は、担当行政庁の結果評価や前回との比較評価を踏まえて、内容を審議していきたい。
・フォーラムを行うことは評価する。しかし、主催者が考えている費用対効果と一般の目から見た効果は違う。一般の人がいいことをやってくれた、いい提案をしてくれたという評価に近づけるにはかなりの開きがある。次回は、より広い視野に立ったフォーラムのあり方を検討していただきたい。

(4)その他
 青山参事官より、「平成13年度原子力研究・開発及び利用に関する計画について」の審議準備が進められている旨、紹介があり、3月23日(金)に臨時会議を開き、審議することが了承された。

・事務局作成の資料4−1の第7回原子力委員会定例会議議事録(案)、資料4−2の第8回原子力委員会定例会議議事録(案)、資料4−3の第9回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。