第７回原子力委員会定例会議議事録（案）

１．日　時	２００１年２月２０日（火）１０：３０〜１１：２０
２．場　所	委員会会議室
３．出席者	藤家委員長、遠藤委員、竹内委員内閣府　浦嶋官房審議官　青山参事官（原子力担当）文部科学省科学技術・学術政策局原子力規制室　吉田安全審査企画官核燃料サイクル開発機構　大和理事

４．議　題

（１）	日本原子力研究所大洗研究所の設置変更（ＪＭＴＲ原子炉施設の変更）について（一部補正）
（２）	ロシア余剰兵器プルトニウム処理処分への協力の現状について
（３）	その他

５．配布資料

資料１	日本原子力研究所大洗研究所の設置変更（ＪＭＴＲ原子炉施設の変更）について（通知）
資料２	ロシア余剰兵器プルトニウム処理処分への協力の現状について
資料３−１	第４回原子力委員会定例会議議事録（案）
資料３−２	第５回原子力委員会定例会議議事録（案）

６．審議事項

（１）日本原子力研究所大洗研究所の設置変更（ＪＭＴＲ原子炉施設の変更）について（一部補正）
　標記の件について、文部科学省科学技術・学術政策局原子力規制室吉田安全審査企画官より資料１に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

３ページの「ＬＥＵ燃料：６０％」とはなにか。
（吉田企画官）燃焼度です。
集積線量の計算方法を変えてどうであったか。数値は問題ないか。
（吉田企画官）変更後も小さく問題ない。

（２）ロシア余剰兵器プルトニウム処理処分への協力の現状について
　標記の件について、核燃料サイクル開発機構大和理事より資料−２に基づき説明があり、以下のとおり質疑応答があった。

我が国が応分の負担をするとはどういうことか。
長計において、本件は、一義的には核兵器国である米ロの話であるが、核不拡散の観点から重要であるので、ロシアの状況を考慮に入れつつ、他のＧ８諸国の状況を見ながら主体的に対処していくとされている。
ハイブリッド炉心にする目的はなにか。
（大和理事）ロシアの高速炉ＢＮ−６００は濃縮ウランを燃料として運転するように設計されているが、解体核から取り出されたプルトニウムによって製造されたＭＯＸ燃料を処分するため、まずはハイブリッド炉心化する必要がある。その後はさらにフルＭＯＸ炉心化して処理速度を加速させるという計画である。
フェーズ０に係る費用は。
（大和理事）全体で２．４〜３億円程度ある。
フェーズ１に係る費用は。
（大和理事）現在協議している米国とロシアとの費用負担がどうなるかで変わるが、説明したフェーズ１に関わる項目のうちプルトニウムのデモ処分を除き２０億円程度ではないかと思う。４〜５年くらいかけて行っていきたい。
フェーズ２はもっと費用が必要となるのか。
（大和理事）フルＭＯＸ炉心用燃料製造施設の整備やＢＮ−６００、１０年間にわたる設計寿命延長等があり、フェーズ０の中で費用について検討する。
各国の資金分担の課題は、次回ジェノバサミットが重要ということか。
（大和理事）そのための協議が進められている。
これまで我が国は核兵器反対の立場から、海外の核兵器解体からでてくるプルトニウム処分について当事国の責任において処分するという立場をとってきた。我が国がこのような協力を行うに際し、当初は日本は政策変更したのかという質問が寄せられた。このことからもわかるように、本件協力は、これまでのＲ＆Ｄの協力に比べて踏み込んだものとなっている。それは、日本の核兵器反対の流れの中で我が国の原子力技術が平和利用に役立てばという観点と国益の観点からも日本の高速炉開発に役立てばという観点から協力を決定したとの経緯である。バイパック燃料は日本が経験していない技術である。サイクル機構は、この協力を通じて得られる研究成果を他のいろいろな基礎基盤研究との関係においてＦＢＲ実用化戦略調査研究にどう取り込むかについて適切に位置付けられるよう整理してほしい。いずれにせよ、国際協力として位置づけられるものはフェーズ１までと考える。サイクル機構は、この他にもカザフスタンの炉内安全性試験もあり、こういった協力を研究開発の中にどのように位置づけていくか考えてほしい。この日ロのプルトニウム処分の話に米国はどうコミットしようとしているのか。
（大和理事）米ロの共同研究の１つのオプションとしてＢＮ−６００の利用について検討され、ＢＮ−６００が使える可能性があるのではないかということで米国から提案された。一方、ロシアからもバイパック技術に関する協力の要請があった。以上より、サイクル機構として技術開発要素のあるものは協力していこうと参画した。米国はオークリッジ国立研究所が技術検討しており、日米露で協力している。
ロシアやＣＩＳ諸国に対して核不拡散の課題について、日米の協力は大切だと考える。一方、カザフスタンへの協力については、日米で考え方が異なる。
バイパック燃料は、日本のプルトニウム利用に関して、整合性が取れているのか、チャレンジャブルなのか。
（大和理事）バイパック燃料製造技術に興味を持っているのは、ロシアでかなりの照射実績があるためである。ＦＢＲ実用化戦略調査研究ではいろいろなオプションについて検討しているが、技術面、経済面評価に役立てたい。実際に年間５０体規模の燃料製造に関与して、実際に照射することで基礎的なデータ以外に工学的なデータも得られる。
フェーズ１、２の知見がＦＢＲ実用化戦略調査研究に反映されるのか。
（大和理事）フェーズ１は反映可能である。しかし、フェーズ２は製造・照射の一連の作業なので、技術開発要素は少なく品質保証要素が大きい。
本件で実施される技術開発が我が国の高速増殖炉の研究開発に役立っていることを発信することが必要である。
ロシアやカザフスタンへの協力がＦＢＲ実用化戦略調査研究さらに策定中の中長期事業計画にどのように反映されるかについて後日説明してもらいたい。

（３）その他

次々年度の予算、重点項目について議論をしたい。
新しい原子力委員会の公約なので、関係機関の協力を得て具体化していきたい。

　事務局作成の第４回原子力委員会定例会議議事録（案）、第５回原子力委員会定例会議議事録（案）が了承された。

　以　上　