• 密度抑圧防除というのは、野外にいる虫の密度を減らしていくという意味か。
  （大村課長補佐）虫がたくさんいると放飼の効果が上がらない。虫をある程度減らすことで効果が全く違う。
  
• 殺虫剤をまくとか除草するとかもっと簡単な言葉でわかりやすく書けないかと思う。一般市民とすれば、なにか誤魔化されているのではないかと思う。別の質問だが、米につくコクゾウムシはどうなっているか。
  （大村課長補佐）コクゾウムシはどこの国にでもいる。ハエや蚊と一緒で地域の環境が大事で、衛生状態で対応するしかない。日本ではなかなか見られなくなってきた。
  
• 全く見られなくなったのは、農薬の影響か。
  （大村課長補佐）環境状態がよくなってきたからだと思う。
  
• 今後は違った虫も入ってくると考えてよいか。
  （大村課長補佐）移動により入ってくる可能性はある。そのために輸入植物検疫をして水際での検査を行っている。
  
• 今回の事業の必要性はよくわかったが、今後の対策として別の費用、水際で防止するというようなものはあるか。
  （大村課長補佐）植物防疫所という機関があり、検査の予算はそこで確保している。また、検査で国内で見つかった場合の処置の仕方、防除の対策は植物防疫の大きな観点から予算を要求し、国や都道府県の試験場で試験研究が行われている。
  
• それは原子力に関係ないので関係予算には入っていないが、かなり予算を計上しているのか。
  （大村課長補佐）そうである。
  
• ウリミバエは、平成５年で根絶したので、侵入防止ということで、ずっとこの事業を続けていくということか。
  （大村課長補佐）そうである。もし続けなければ、ウリミバエが侵入した場合、被害で何もとれなくなるし、我が国が発生国となって、外国に輸出もできなくなる。
  
• 根絶にいたるまでと再侵入防止の費用は大分違うのか。
  （大村課長補佐）放飼頭数が違うので減額した要求となっている。大体、４分の１くらいの要求である。
  
• 他の種類の害虫に対する事業はあるか。
  （大村課長補佐）今回は、原子力関係分しか説明していないが、地中海ミバエ等輸入を禁止している病害虫はたくさんいる。それらは、トラップや合成化学薬品による誘引トラップにより対応している。トラップ等は日本の主要な海空港に設置している。
  
• トラップのほうがお金はかからないと考えてよいか。
  （大村課長補佐）不妊化は放射線施設を維持する費用等がかかるので、トラップに比べて必要がかかるが、ウリミバエはトラップだけでは対応できないため、不妊化を行っている。
  
• 根絶状態とはどのような状態か。
  （大村課長補佐）まず、トラップをかけて、どのトラップでも捕獲できないこと。それを一定期間監視する。監視する中には、果実を採って、卵が生まれていないかも含まれる。そのようなことをずっとやって判断する。そこでいないと判断されたところは、安全だということで、行政的に本土へも農産物を持っていってもよいということになる。しかし、常に監視状態は続けていく必要がある。
  
• 根絶は、飢餓状態でなるのか、不妊化によりなるのか。
  （大村課長補佐）餌は野外にはたくさんあるので、不妊化により根絶できたと考えている。
  
• 沖縄振興局は、農林水産省とどのようにタイアップしているのか。
  （備瀬課長補佐）沖縄開発振興特別措置法の中で、沖縄で執行される公共事業の全ておよび沖縄で特に重要と考えられる非公共事業の一部は、各省がバラバラで予算を計上するのは効率が悪いということで沖縄振興局で一括計上し、各省に移し替えて行うこととなっている。この予算を確保するに当たり、沖縄振興開発計画に沿って、農林水産省となにが必要かを十分に検討し、予算の見積もり調整配分を行っている。
  （青山参事官）先ほどの資料１−１で説明があったが、１月３０日の委員会で報告された原子力関係予算総表にあったのは概算要求の数字であり、今回提示された費用と異なっている。再度、各省庁に確認後、再報告する。
  

（２）原子力委員会の活動のあり方について
　標記の件について、資料−２に基づき説明があり、その後、全委員で意見交換が行われた。

• 長期計画のフォローアップとしてブレイクダウンした場合、６つの項目となる。これを今後の原子力委員会においてどのように進めていくかについて、それぞれの項目の担当委員が中心になって、３月半ばぐらいの適当な時期に、それぞれの項目にこのような課題があって、委員会としてどのように取り組んでいくか、場合によっては専門部会やタスクフォースが必要かも知れないなど、組織論的な観点から、原子力委員会で報告・議論し、決定して４月からスタートしたい。まず、国際問題については、基本的な考え方は、幅広い立場からの検討が第一である。もう一つは、各関係省庁が行っていることをなぞらえることは全くない。ただし、関係省庁が行っていることが、長期計画から外れていたり合わない場合は、原子力委員会として、それを直してもらうなり行ってもらうなりする。複数の関係省庁に関係している場合、必要に応じて、助言および調整を行っていく。関係省庁の間で落ちているものは、拾ってフォローする必要がある。原子力委員会は３条機関に近いといっても、法令上は８条機関であって執行機関ではないということを考えておかないと取り組みがずれてくる。以上のことを踏まえて、原子力委員会として重要な事項の海外情報の収集、対外的な発信、平和利用の担保、国際機関・諸外国との政策対話、研究開発に関する国際条約の方向性、安全に関する国際条約や個別の課題としては放射性物質の輸送問題、損害賠償、ＩＴＥＲ等の取り組みがある。また、重要事項は何なのかを自覚していくことが必要である。これらをどうやって進めていくのかについては、情報収集や情報発信は、抽象論ではなく具体論を検討したい。政策対話といっても関係省庁、個人、民間がかなりやっているが、それらと重複がないように、それらを包括するような政策対話をどうやったらできるかということを大言壮語にならないように行う必要があるので、そのような枠組みを相談できる人に相談しながら決めていきたい。
  
• 枠組み作りにしても予算は関係する。枠組み作りでも制限が出てくるが、どうするのか。各省庁等から人を呼んで話を聞く、または政策対話をするのも費用がかかる。
  
• 原子力委員会が持っている予算の中で行うものと長計フォローアップの予算計画の中で具体化していくものの２つがある。
  
• そうすると、それなりの理由付けが必要になってくる。全てのことに関わって見えないところがある。
  
• 大きく見ると、長計フォローアップの予算審議の中でどのように具体化していくかである。
  
• 今まで抽象論で言われていて、ほとんど詰めて議論されていない。例えば情報発信でいえば、なにを情報発信するのかよくわからなくて、結果としてあまりやられていない。その辺を組織論として議論していきたい。
  
• 情報を作る努力と、それをどのように伝えるか発信努力と２つがあると思う。
  
• 情報というのは作る、発信する、という以前に、どういう情報があって、それが正しいか、まちがっているか、情報のチェックする機関がなかった。それも情報作業に入る。情報は双方向なので、情報は出すだけでいいだろう、収集するだけでいいだろうではなく、それがどうなっていくかを情報の中にいれておかないと、間違った方向にいってしまう。それらを考えていきたい。
  
• エネルギーとしての原子力利用については、発電とサイクル利用、産業界としてのメーカーという切り口、国際問題をどうするかという切り口、廃棄物処理や人材育成、広く言えば教育の課題という切り口がある。今回の省庁再編でかなりの部分が経済産業省一括でライン処理している。これと原子力委員会はどのようにタイアップしていくかで、例えば、似たような会議を両方のメンバーでやる必要はなくて、具体的には原子力部会で議論されたことを原子力委員会としてサポートできるか、それぞれの関係を考えていく必要がある。また、関係省庁が多岐にわたっていてなかなか進まないとか、特に廃棄物に関してはこのような課題が多くあると思うので、こういったものに精力を傾けていきたい。また、原子力の課題で上手くいかなくなる時は、仕事の問題ではなく、それらが世間一般に公知の事実になっていないということがある。このような場合は、長期計画を進めるという観点で、原子力委員会が早く受けることである。そのような委員会でありたいと思う。それと仕上げたものは国民に対して、早くわかりやすく発信していく。発信の仕方はいろいろあると思うが、委員会がやる場合もあるし、関係省庁に依頼する場合もある。以上について、現在関係のメンバーと調整中であり、やり方としてはタスクフォースになると思う。
  
• 関係省庁が行っていることを、委員会が行う必要があるかということだが、これが原子力委員会として大事なところである。例えば、安全に関するものは、関係行政庁と安全委員会がダブルチェックするという関係にある。その中で重複の問題なのか質的な違いの問題なのかということを議論する必要がある。例えば、国際問題にしても外務省が行うことと原子力委員会が行うことと違いがあるはずである。
  
• 議論の質は変えていく必要があると思う。同じようなメンバーで議論しても全く意味がない。レベルの違った議論は必要である。
  
• 具体的にレベルの違いをどうやって出すか、レベルの違いはなにか、視点の置き方にどこに違いが出てきているのかを是非議論していってほしい。
  
• 国民社会と原子力については、この課題は、２〜６の項目全てに関わってくる。それぞれの分科会の中で考えたことをどう国民の中に浸透していくのか、お伝えできるのかという役割を担わないと国民社会と原子力が見えてこないので、基本は情報の伝達ということになる。いろいろな方から出された原子力の情報がどう国民に受け取られていて、それがもしミスインフォメーションだった場合は、訂正をしていかないと全て正しいことだと肯定されてしまう。そういった状況をきっちり把握して、国民社会と原子力がどうあればいいか、あるいは国民にどう理解していただこうかという方向に行かざるを得ない。そうすると、研究開発、放射線利用、国際問題全てが関わってくるので、それを踏まえた上で考えていく必要がある。そのため、原子力に係る情報がどのように出されているか、日々刻々、いろいろな情報が出されているが、その情報を把握する機関をどこかに置く。そこから上がってきた情報を専門部会等の中で、どう理解し、国民社会の中に出していくかを論議する場にしていきたい。円卓会議との関係はどうなるかも考えておかなければいけないが、常に国民社会の中に情報がどう出ているかをウオッチするものが欲しいと思っている。それは、機能としては、専門委員会やタスクフォースとは違い、そこから上がってきたものを討議する、それが組織として置くイメージである。各省庁との関係については、ＣＯＰ３直後は、原子力発電所１６〜２０基必要と通産省は言っていたが、環境庁の意見と違っていたり、どんどん後ろ向きになってきた。また、自由化の問題の中で原子力の存在はどうなるのかという課題もある。原子力委員会と１つの省庁が抱えている課題を同じテーマでありながら視点が違ったり、結果が違ったりという場合に、対話というか公開ディベートをやればいいと思っている。国民の中で、原子力委員会は原子力委員会、関係者は関係者でそれぞれ意見が違うが、どういうことかという意見が結構ある。みんなが話し合ってこのような方向にいくのだよという調整機能があってもよいと思う。そういった役割の公開討論があればと思う。それが、国民社会と原子力という枠の中で出していけるのではと考えている。基本的な課題を討議する専門部会やタスクフォースといったところが企画していくのかどうか、これらは森嶌委員と相談して、形作っていこうと思っている。
  
• 研究開発については、ドメスティックという言葉だけでは通用しないインターナショナルな話がほとんどなので、政策対話、これは平成６年長計では、国際関係はポリシーダイヤログが必要であると言ったが難しい言葉だと思うものの、しかし、少しずつやっていかなければと思っている。継続して原子力の研究開発に投資していることでは日本は特筆しているが、それでどこまで主体性を持てるかというと、例えば米でジェネレーション４が始まったり、南アフリカで高温ガス炉の実用化の話がでてきたり、あるいはＩＡＥＡで革新炉の話が始まったりとなると、それぞれに対応はできているが、主たるものはなにかができていない。関係省庁がいくつかあって、各省庁にまたがる課題として、いかに関係省庁から原子力委員会の議論が意味あるものだということを思ってもらうかである。核融合については、ＩＴＥＲ懇談会や核融合会議の結論が出るまで待ちたいと思う。加速器は、大強度陽子加速器の予算が決まったこと、医学利用としての放医研の加速器、ＳＰＲＩＮＧ−８等の幅広い話なので原子力委員会として扱っていく。以上、いろいろあるが、これらの整備は順次進めているところである。革新炉は早い段階で始めないと国際的な問題もあるので早々にスタートしたいと思う。放射線利用では、人体影響、食品照射、環境技術（ばい煙処理）等がある。昨年、原産会議で統計を取ったように経済効果としてかなりの額が提示された。全てが放射線のおかげでできた産業とは思っていないが、かなりの部分が工業利用の側面もあり、これらには放射性利用の専門部会が存在して、どこの部分に特徴を出すのか、従来の少しの修正で話が済むのかということを考えてきた。
  
• 評価については、原子力委員会として研究テーマやプログラムの評価はかなりやってきた。さらに大きな世界についてなにを考えていくのかについて、それぞれの委員はまだ考え方がまとまっていないと思うが、早い段階にまとめる。これは、新しい原子力委員会の機能の中でクローズアップされてきた機能で、十分に対応することでここでの評価が意味を持つと言うことを皆さんに知ってもらう。
  
• 国民社会と原子力は全てについて関わってくると言ったが、ここでも、国民に対してすぐに理解してもらう必要があるということが出てくると思う。そのために、例えば、各専門部会と国民社会と原子力が、合同会議のようなものを開催する等自由度ある運営を行っていきたい。委員がそれぞれ分担しながらも、このような問題があるので一度合同でやってみようかというような自由度があればよい。今までは、専門部会ができると、他の委員会に関係していても、その会だけで議論が進んでしまって終わることがある。これは、今後、避けていきたいと思う。
  
• 原子力委員会が各会議を主管していくことで、対応可能と考える。
  
• 今までは、原子力委員は助言者としていたが、自分がリーダーシップを発揮して、例えば、部会であれば部会長としてやっていけばよいのか。
  
• そのように考えている。
  
• 今後の進め方であるが、各委員はそれぞれの分野で話を進めていってもらうが、会合にはなるべく他の委員も参加して意見する。３月の適当な時期には試案を出して、原子力委員会で議論して、４月から進めていきたい。
  
• 機能性を上げて、トライアンドエラーをしていく。そして、全部が全部、一斉にスタートする必要もなく、できるところから行っていく。対応する事務局は、人の選任作業中であるか。
  （青山参事官）これらの議論を踏まえた事務局の体制を整えていく。
  
• 手作り委員会ということで、最初のメッセージから少し時間を要したが、今後も随時、いろいろなことをこの場で議論して結果を出していく。
  

（３）その他
（青山参事官）前回配布した議事録の中で、藤家委員長が藤家委員長代理と記載されていたことについてお詫びして訂正する。

• 開かれた委員会として、委員会の次回の予定がわからないという話があるので、先の話を公表できるように努力していきたい。