第2回原子力委員会定例会議議事録(案)

 

 

1.日 時2001年1月16日(火)10:30〜11:40
2.場 所委員会会議室
3.出席者
  (事務局等)
藤家委員長、木元委員、竹内委員、森嶌委員
内閣府
青山参事官(原子力担当)、嶋野企画官
 参事官付 齋藤補佐、渡辺補佐、千原補佐、横田主査、小室、河合
外務省
 科学原子力課 中村補佐、森田
文部科学省 研究開発局
 原子力課 板倉補佐、西山
 核燃料サイクル研究開発課 中原課長
経済産業省 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部
 原子力政策課 市村補佐、刀禰
核燃料サイクル開発機構 笹谷理事、高橋技術展開部長、高橋
日本原燃株式会社
 鈴木専務取締役、米田取締役燃料製造部長
 4.議 題
(1)MOX燃料加工事業に関する技術協力について
(2)平成13年度原子力関係政府原案について
(3)21世紀の原子力委員会の発足に当たって
(4)その他

 5.配布資料
資料1  MOX燃料加工事業に関する技術協力
資料2-1 原子力関係事業の進捗状況(外務省)
資料2-2 平成13年度文部科学省原子力関係予算案
資料2-3 平成13年度経済産業省原子力関係予算案の概要
資料3  原子力委員会のメッセージ構成(案)
資料4  第80回原子力委員会定例会議議事録(案)

 6.審議事項
(1)MOX燃料加工事業に関する技術協力について
標記の件について、米田部長より資料1に基づき説明があった。これに対し、
  • 例えば濃縮の問題等の過去の反省を踏まえて、資料1中「2.(2)協定に定める主な事項」の中で、強調したい、もしくは追加したというところはあるか。
    (鈴木専務)濃縮事業は、今までの反省を含めて、新しい技術開発の取組について、全面的に核燃料サイクル開発機構の協力を得るというように運用面で変更している。MOX事業は、2.(2)の項目は濃縮の場合と同じであるが、設計・許認可という具体的に事業を進める上でのスタートライン当初から全面的な協力を得るという点で中身の深いものとなっている。
  • プルトニウムを扱いMOX燃料を作ることは、核燃料サイクル開発機構の今までの経験を全面的に活かさないと実施できないと考える。核燃料サイクル開発機構の現場の第一線の意見も踏まえて、全面協力という形を取らないとこれまで培ってきた経験は日本では活きない。是非、双方が一体感を持って欲しい。人員配置等は、協定に沿って、これから展開していくという段階だと思うが、心の障壁含め、大きな障壁はないと思っている。
    (笹谷理事)協定書前文に、核燃料サイクル開発機構および日本原燃は経営層相互の緊密な連携と共通認識の下、技術協力を進めることを書き加えた。この精神を基本に具体的な運営会議等を進めてゆく。
  • 資料1中2.(1)に「「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」に則り」とあるが、実態はどうなのかを教えてほしい。
    (米田部長)長計の具体的な記述では「民間事業者には、六ヶ所再処理工場の建設、運転と歩調を合わせて国内にMOX燃料加工事業を整備することが期待される。」となっており、調査検討から始まり日本原燃が事業主体となるというのが、この点の具現化である。更に「この場合、核燃料サイクル開発機構からの技術移転や海外からの技術も参考とすることにより、我が国においてMOX燃料加工事業が早期に産業として定着するよう、最善の努力を行うことが期待される。」となっている点は、本日説明した技術協力協定および今後の展開である。
  • 軽水炉技術が成熟する一方、核燃料サイクルの実用化は21世紀に持ち越したことにつき、この課題をどう解決するかが重要である。将来に向けて、従来の官民の役割分担に対して、棲み分けから相互乗り入れの観点で実施していくことで、今まで必ずしも高い評価を受けてこなかった技術移転問題にもよい解決策が見つかるのではないかと思う。MOX燃料加工事業は、現実的な課題として解決しなければいけないと同時に、技術移転問題も関係するので、これら課題解決に向けてどうすれば上手くいくかをよく考える段階にある。引き続き実態が着実に進むように努力を願う。
(2)平成13年度原子力関係政府原案について
標記の件について、青山参事官より概要説明があり、以降、中村課長補佐より資料2−1に基づき外務省所管分を、板倉課長補佐より資料2−2に基づき文部科学省所管分を、市村課長補佐より資料2−3に基づき経済産業省所管分の説明があった。これに対して、
  • 所管事項の違いだと思うが、例えば、電源立地特別交付金や高レベル廃棄物関連研究のような文部科学省と経済産業省両方にあるものの関係を教えてほしい。また、事前にかなりの調整を経て各省庁から予算を要求するということだと思うが、今後、予算を効率的に使うという意味で、予算要求の方向性・考え方を教えてほしい。
    (板倉課長補佐)電源立地特別交付金等については、制度は1つであり、それぞれの所管施設の所在地域に所管省が交付する形である。なお、政府は連絡を取りながらやっている。高レベル廃棄物の研究開発は経済産業省で一元的に管理しており、文部科学省に予算は計上されているものの、核燃料サイクル開発機構に対するヒヤリングを経済産業省と共に行い、調整している。内容についても、経済産業省でしっかり全体を見つつ管理してもらっている。
  • 長計をまとめている時に地元対策についていろいろな議論があったことからも、予算を作るときにはアカウンタビリティーの高いものにする必要がある。パブリックアクセプタンスを進めていくためには、予算でも説明していく必要がある。そうでなければ、地元対策でも重複や欠落が起こり、フェアーにならないかもしれない。今後、原子力について立地等を進めていこうする場合は、原子力委員会や各省庁が国民から説明を求められる。ぜひ、今後予算の面でも十分に協議をして、アカウンタブルな予算を付けていきたい。
  • 3,4年遡って、原子力関係予算はどのような推移となっているか。例えば、安全関係予算が拡充されていることで、研究開発関係予算はどうなっているか等、教えてほしい。
  • 両省の間で、同じような項目で増減幅が違うということがある。一定のポリシーがあって増減しているのか、コンシステントなのかどうかがわからない。
    (板倉課長補佐)平成7〜8年をピークに原子力予算は減っているが、例えば、電源開発特別会計は、政策に関わらず、電気料金に一定の税金がかけられ収入が決まるので、電力使用量が増えればそれに比例して増える。
  • 付け加えると、前年度、前々年度の反省材料がどこに入っているか、費用対効果がどうかなど、具体的な理由が付いて数字が見えてくる。例えば、先ほど説明があったように、公共用施設の整備の交付金をより使いやすいようにする等の以前からの反省があってこのような形になったという具合である。過去にどうであったかが見えてこないので、具体策を盛り込んだ説明があれば納得できる。
    (青山参事官)今回は3省庁のみの予算説明であるが、全ての省庁の予算がまとまった時点でこれらの回答はさせてもらう。
  • 今まで、原子力委員会への予算の説明は、数字がかなり入った段階であった。予算に関することは、委員会の大事な業務で、今後は、かなり早い段階で関係省庁から話を聞き、大きな課題は何かを7月までにまとめられようにしていきたい。
(3)21世紀の原子力委員会の発足に当たって
標記の件について、青山参事官より原子力委員会のメッセージとして事務局案として資料3を作成した旨、内容紹介があり、これに対し、
  • 原子力委員会の決意表明にしては第三者的な論評になっている。また、「所掌事務」ではなく「なすべきこと」にする等、なるべくわかりやすい言葉にする。21世紀の原子力委員会のあり方では、やはり、国民との接点を多く持つということを入れなければ、奥の院というふうになる。
  • 解説は三人称でよいが、メッセージは一人称で書くのが基本である。意志を発信しているなとわかるものにしたい。
  • (21世紀の原子力委員会のあり方)と(国民・社会、国際社会の理解と協力を得るために)で国民と国際社会について書かれているが、それぞれの項目のつながりを考える必要がある。また、「権威ある」「好ましい」と言う言葉は、誰にとって何がということがわからない。決意表明の場合は、言葉でかざらずに、中身がイメージできるようにする
  • 「権威ある・・」は立地点の知事が望んでいるもので、原子力委員会に対してメッセージを出した方に対する決意表明が必要である。 (青山参事官)事務局として、いろいろな意見を頂きながら、最初から最後まで統一の取れた読みやすいメッセージにする。
(4)議事録の確認
事務局作成の資料4の第80回原子力委員会定例会議議事録(案)が了承された。