ウラン廃棄物処理処分への取組について

平成12年12月22日
原子力委員会決定

  1.  当委員会は、原子力バックエンド対策専門部会(以下、「専門部会」)から、ウラン廃棄物処理処分の基本的考え方について、調査審議結果の報告を受けました。
     専門部会は、各界各層の有識者で構成され、当該廃棄物の処理処分方策に関して幅広い調査審議を約9ヶ月にわたり行い、報告書の取りまとめに当たっては、報告書案に対し国民の方々から広く意見を募集しました。

  2.  当該廃棄物処理処分の具体化を図るに当たっては、安全な処分方策、技術開発課題、処分事業の実施体制、安全確保に係る関係法令の整備の進め方などの事項について方針が明確である必要があります。専門部会報告書では、これら必要な事項が網羅され、基本的な考え方が適切に取りまとめられています。今後、濃縮事業者、再転換・成型加工事業者、核燃料サイクル開発機構、日本原子力研究所などの核燃料物質の使用者、電気事業者などの関係機関においては、専門部会報告書を尊重し、十分な連携の下に、放射性廃棄物の処分事業全体の進展状況などを踏まえ、実施体制の検討など処分の実施に向けて積極的に取り組むことが必要です。
     また、当該廃棄物は、他の放射性廃棄物と異なる特徴を有していることから、その特徴を十分考慮した上で、安全規制の基本的考え方、安全基準の策定、関係法令の整備等所要の措置が講じられることを期待します。その際には、線量評価の長期性に伴う不確実性が考慮されることや適切な線量目標値が設定されることなどが重要と考えます。さらに、放射性廃棄物処分について国民の理解を得るため、的確で分かりやすい情報を積極的に提供し、説明していくことが必要です。

  3.  当委員会は、当該廃棄物の安全かつ合理的な処理処分に向けたそれぞれの施策が総合的に進められることが重要であると考えており、関係者より適時適切に聴取することにより状況を的確に把握しつつ、処分事業の着実な実施を推進します。