76回原子力委員会 資 料 第 1-2 号 |
1.日 時: | 平成12年12月6日(水)9:30〜10:15(於:IAEA事務局長室) |
2.出席者: | (IAEA側) エルバラダイ事務局長 デ・クラーク対外関係・政策調整室長 小溝補佐官 (日本側) 遠藤原子力委員 菅沼IAEA代表部公使 山脇IAEA代表部一等書記官 植村科学技術庁原子力局核燃料課補佐(報告者) |
3.会談案件: | 邦人職員人事、追加議定書の普遍化、IAEA予算、原子力損害賠償、PA拠出金 |
[2]IAEAにおける我が国の原子力長期計画に関する説明会
質問1.(デクラークIAEA対外関係・政策調整室長)
日本の原子力長期計画は現在どういうステータス、ステージにあるのか。また、再処理プラントのタイムスケジュールに関して説明があったが、MOX(利用)計画のタイムスケジュールも教えてもらいたい。(長計のステータスについては、各国代表部職員との昼食時にも質問があった。)
(答)この長期計画策定のため、まず様々な分野の委員からなる長期計画策定会
議が設立された。ここで長期計画案が策定された後、国内数数ヶ所で公開フォーラム(ご意見を聞く会)を原子力に反対の見解を有する人も招待して開催し、その結果とパブリックコメントの結果を踏まえてその修正を行った。これを原子力委員会が採択して、先週閣議に報告したところ。
MOX利用関係については、現在六ヶ所再処理工場を建設中であり、2005年に操業開始予定であり、MOX燃料加工事業も近々実施される予定。プルサーマルについては、最初のMOX燃料装荷が来年行われる予定であり、2010年までに16〜18基の軽水炉で実施される予定。
質問2.(シュトゥーラーIAEA事務局長補佐官)
総発電量の約30%が原子力でカバーされているとの説明だったが、将来、そのシェアはどうなるのか。
(答)昨年の原子力のシェアは35.2%、現在稼働中の軽水炉は51基、建設中、建設準備中のものがそれぞれ4基ずつと説明したが、COP3での、2010年までにCO2排出を6%削減するとの目標を達成するためには、様々な手段がある。個人的見解だが、効果的な方法の一つである原子力のシェアを40%を少し越える程度まで高めたいが、実際に可能かどうか現時点では不明。
質問3.(イスラエル大使)
電力供給に関して、軽水炉にのみ言及があったが、ガス炉や高速増殖炉も視野に入っているのか。炉の寿命延長については、どういう計画になっているのか。ウラン濃縮に関して日本の進んでいるレーザー濃縮法を使わないのか。
(答)寿命延長については、1966年に最初の原子炉が運転開始して、30年程度利用され、2年前にはその運転が終了しているが、軽水炉の寿命は少なくとも40年間を想定しており、さらなる長期使用についても検討されている。
ガス炉等の将来炉については、電力供給手段として供される段階ではなく、未だ研究段階のもの。高速増殖炉については、まず「もんじゅ」を運転再開することが重要と考えている。その次の段階の高速増殖炉については、柔軟に対応することとしており、具体的にいつとは決まっていない。
ウラン濃縮については、現在遠心法が商業ベースで採用されているが、レーザ法については未だR&D段階にとどまっており、いつ商業化されるのかについては見通しが立っていない。
質問4.(チュニス豪代表部参事官)
最近の日本の国民の原子力に対する姿勢に関する調査があれば教えてもらいたい。また、加速器に関連する高エネルギー研究機構と原研の大強度陽子加速器に関するプロジェクトに関して、予算当局の承認は既に得られたのか。
(答)世論調査の結果によると、回答の約70%が原子力の必要性を認めているが、同時に、同じく約70%が原子力に何らかの不安を覚えるといった一見矛盾した結果が出ている。我々は、国民の理解を得、できるだけ国民の懸念を解消するため、わかりやすい形でのパブリック・コミュニケーションを一層推進すべきと考えている。
大強度陽子加速器関連の予算については、予算当局が今月承認するものと期待している。
質問5.(シュトゥーラーIAEA事務局長補佐官)
電力自由化が進められる中、原子力発電の経済競争力に対するインパクトはどうか。競争力は証明されているのか。また、日本は核融合炉と高速増殖炉以外の先進革新炉に関心があるのか。
(答)長期計画の中でも示されているが、発電コスト試算値によるコスト比較の結果、設備利用率80%、運転年数40年としたときの原子力発電コスト(円/kWh)の数字は他の電源に比べて若干優位に立っている。従って電力の規制緩和時代においても原子力は維持されうると確信している。また、電力供給というものは、環境保全及び安定供給の観点からも、一般的な商品でなく公共財とみなして国がバックアップしていくべきと考える。
高速増殖炉を除く原子炉における先進革新炉の位置付け及び選択については、中小型炉、ガス冷却炉と色々ある中で未だ模索中といった面もあり、今後検討が進められる中でどれにエネルギーと資金を投下していくべきか明確になってくるものと考える。
質問6.(フィッツパトリック米代表部参事官)
六ヶ所再処理工場の導入に伴って、将来にわたってIAEAの保障措置業務に大きな負担が生じるが、保障措置に必要な設備費等に関して、IAEAのファンドに加えて日本が国か産業界の資金で追加的に費用負担をして保障措置業務を支援すれば有益であると考える。保障措置のコストに関して何か指標を持っているか。
(答)IAEAが六ヶ所再処理工場における追加的保障措置コストの計算値を有している。保障措置の全体予算は六ヶ所再処理工場のため増加するであろうが、そもそも保障措置は日本のためではなく世界のために実施されているものであるので、その負担は世界でシェアされるべきと考える。現実を踏まえるとまずは、軽水炉からより機微な濃縮、再処理等へ保障措置の重点を移すなどの合理化を進めるようIAEAに要請したい。IAEAが財政上の困難に面していることは理解するが、このような合理化を進めた上での、増加する保障措置コストに関する議論の推進というダブルトラックのアプローチが行われるべきである。
(山脇一等書記官より、六ヶ所再処理工場に関する保障措置機器コストは、4〜5年間で30百万ドル以上と見積もられており、日本はその三分の二以上を負担する予定である旨補足説明。)
1.日 時: | 平成12年12月6日15:30〜16:15(於:IAEA内法律部長室) |
2.出席者: |
(IAEA側)ジョンソン法律部長、ブラネンコフ法律部職員 (日本側)遠藤原子力委員、 山脇、鈴木IAEA代表部一等書記官 植村科学技術庁原子力局核燃料課補佐 |
1.日 時: | 平成12年12月6日16:20〜17:15(於:IAEA内スウェーデンroom) |
2.出席者: |
(IAEA側)キッドIAEA広報部長、荒川、門田IAEA広報部職員 (日本側)遠藤原子力委員、 山脇IAEA代表部一等書記官 植村科学技術庁原子力局核燃料課補佐 (豪代表部チュニス参事官及びキャノン書記官も同席) |
3.会談案件: | 来年オーストラリア(シドニー)で開催予定のIAEA主催のPAセミナー(日本の特別拠出金事業)に関する協議 |
1.日 時: | 平成12年12月6日17:20〜18:00(於:IAEA内事務次長室) |
2.出席者: |
(IAEA側)ゴールドシュミットIAEA事務次長 (日本側)遠藤原子力委員 山脇IAEA代表部一等書記官 植村科学技術庁原子力局核燃料課補佐 |
3.会談案件: | 追加議定書の普遍化、IAEA予算、KEDO関係 |
1.日 時: | 平成12年12月8日 9:00〜10:00(於:ブラッセルEU委員会) | ||||
2.出席者: |
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3.会談案件: | ITER関連事項 |
1.日 時: | 平成12年12月8日 12:00〜13:00(於:ブラッセルEU委員会) | ||||
2.出席者: |
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3.会談案件: | 日本の原子力長期計画、EUのグリーンペーパ |