第77回原子力委員会
資 料 第 1 号

ITER非公式政府間協議第4回(EX−4)の結果について

平成12年12月15日
核 融 合 開 発 室

1.日 時:平成12年12月7日(木)〜8日(金)
2.場 所:富国生命ビル第3会議室(富国生命ビル28階)
3.出席者:

 日本 :小中科学技術庁長官官房審議官(日本メンバー代表)
中村科学技術庁原子力局核融合開発室長
道上外務省国際科学協力室長
岸本日本原子力研究所理事
 他 専門家
 EU :フィンチ欧州委員会第12総局環境保全局長(EUメンバー代表)
バランダス欧州核融合開発協定(EFDA)運営委員会議長
ワトー仏国政府最高顧問付顧問(ペラ委員代理)
 他 専門家
 ロシア:ベリコフ クルチャトフ原子力研究所所長(ロシア代表メンバー代表)
ソコロフ原子力省原子力科学技術研究開発局長
コルツァービン原子力省原子力科学技術研究開発局次長
フィラトフ エフレモフ研究所副所長
コナシュコフ外務省安全保障軍縮局上級参事官
スミルノフ クルチャトフ原子力研究所核融合部長
 他 専門家
 ITER:エマール所長、下村主席副所長
 IAEA:スード研究・アイソトープ局物理化学部長
合計 30 名

4.結果概要
(1) ITERを巡る各局の状況
 ITERを巡る各極内の状況につき、概要以下の意見交換が行われた。

(2) EX最終報告書のとりまとめ
 ITER共同実施協定(仮称)に盛り込まれ得る事項に関し、三極(日本、EU、ロシア)間の非公式協議における基本的考え方を示す「EX最終報告書」(ノン・コミッタルなもの)がとりまとめられた (主な内容は<別紙>のとおり)。
 また、サイト提案後の提案サイトに固有のサイト適合設計、安全解析、コスト等の技術的事項を検討するための調整技術活動(CTA)についても、実施体制等に関する基本的考え方が同報告書に盛り込まれた。
 なお、CTAについて、
(イ)ITERエマール所長が、サイト提案に際して必要な技術的事項と国際チームと各極チームの規模・構成の二点につき更に検討を続けること
(ロ)各極は、現在のJCT(共同中央チーム)メンバーに対して、2001年1月21日までにEDA終了後の身分につき通告すること
が了承されるとともに
(ハ)CTAをIAEAの後援の下で実施することについて、今後IAEAとCTA参加極との間で書簡を取り交わすこととした。

(3) 公式協議開始の準備について
2001年のできるだけ早い時期に公式協議を開始できるよう、各極とも非公式協議の成果を踏まえて国内準備を進めることとされた。また、公式協議開始までは、適宜外交チャンネル等を通じて密接な連絡を行うこととされた。

(4) その他
 EX最終報告書は非公開とされた。

(以 上)

 


非公式政府間協議報告書の概要

平成12月12月8日

 ITER共同実施協定(仮称)に盛り込まれ得る事項に関し、以下の内容が、3極(日本、EU、ロシア)間の非公式協議における基本的考え方として報告書(ノンコミッタルなもの)にとりまとめられた。

1. ITER共同実施協定の締約者:
現行のITER工学設計活動協定の締約者(EURATOM、日本及びロシア)及び条件を満たすその他の国

2.目 的:
平和目的のための核融合エネルギーの科学技術的実現性の実証

3.ITER事業体(ITER Legal Entity:ILE):
国際機関ないしホストする締約者の国内機関として設立。

(1)ILEの運営機構(国際機関の場合):
  • 理事会 
各締約者の代表からなる。ILEの運営及び全般的指揮に責任を負う。重要な案件は全員一致の議決。その他の案件については、加重投票権が貢献に関連して割り当てられる。
  • 所長  
ILEの業務執行の首席職員かつ責任者。理事会の決定やホストする締約者の安全規制等に従ってILEの通常業務の運営に責任を負う。
(2) 要員: ILEの要員は、ILEが直接雇用する者、締約者から派遣される者、契約による企業の技術者他の要員で構成。この他、大学又は他の研究所等からの研究者の短期間(1年以内)の参加を奨励。
4.費用の分担:
 <建設段階>
 <運転段階>
 <廃止措置段階>
 <その他>
5.利益の分担: 6. サイト支援取決め:
ILEとホストする締約者(又はその指定する機関)は、サイト用地の供用など現地での必要な支援を定義する取決めを結ぶ。ILEは、安全に関する情報を提供する等、地元住民との良好な関係の維持にあらゆる手段を講ずる。