第71回原子力委員会
資 料 第 3 − 1 号

 

北陸電力株式会社志賀原子力発電所原子炉設置変更許可申請(1号原子炉施設の変更並びに1号及び2号使用済燃料の処分方法の変更)の概要について

 

平成12年11月

 


1.申請の概要
(1) 申 請 者
北陸電力株式会社
取締役社長  新木 富士雄

(2) 発電所名及び所在地
発電所名:志賀原子力発電所
所 在 地:石川県羽咋郡志賀町字赤住
志賀原子力発電所の一般配置図を第1図に示す。

(3) 原子炉の型式及び熱出力
型 式:濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却、沸騰水型
熱出力:1号炉 1,593MW(電気出力  約540MW)
    2号炉 3,926MW(電気出力 約1,358MW)

(4) 申請年月日
平成12年2月7日(平成12年6月14日一部補正)
(平成12年7月3日一部補正)

(5) 変更項目
a.9×9燃料の採用
  1号炉に9×9燃料を取替燃料として採用する。
b.使用済燃料貯蔵プール貯蔵能力の増強
  1号炉の使用済燃料貯蔵プールの貯蔵能力を増強する。 
c.ハフニウムフラットチューブ型の新型制御棒の採用
  1号炉にハフニウムフラットチューブ型の新型制御棒を採用する。
d.使用済燃料の再処理委託先確認方法の一部変更
  1号及び2号炉の使用済燃料の再処理委託先確認方法を一部変更する。

(6) 工 期
1号炉の使用済燃料貯蔵プール貯蔵能力の増強に伴う工事の計画は、第1表のとおりである。
なお、その他の変更については工事を伴わない。

(7) 変更の工事に要する資金の額
1号炉の使用済燃料貯蔵プールの貯蔵能力の増強工事に要する資金は約35億円である。
なお、その他の変更については工事を伴わないので、これに係る資金は要しない。

  

2.変更の概要
(1) 9×9燃料の採用
 1号炉に、高燃焼度8×8燃料より更に燃料集合体最高燃焼度を向上させた9×9燃料(燃料集合体最高燃焼度 55,000MWd/t)を採用することとしている。
 このため、1号炉で採用する9×9燃料は、燃料集合体平均濃縮度を高燃焼度8×8燃料に比べ、約3.6wt%から約3.8wt%に高めることとしている。
 9×9燃料には、A型及びB型の二つの異なる設計があるが、両型とも燃料被覆管、ペレット等の基本構成部材は高燃焼度8×8燃料と同じ材料を用いた設計としている。
 9×9燃料は、核特性、熱的余裕等の改善のため、以下に示す設計としている。
  (a) 9行9列の燃料棒配列の採用
  (b) 2本の太径のウォータロッドの採用(A型)又は1本の角管のウォータチャンネルの採用(B型)
  (c) 部分長燃料棒の採用(A型)
  (d) ヘリウム封入圧の増加(約0.5MPa → 約1.0MPa)
 9×9燃料の基本仕様を高燃焼度8×8燃料と比較して第2表に示す。
 また、高燃焼度8×8燃料、9×9燃料(A型)及び9×9燃料(B型)の概略を第2図に示す。

(2) 使用済燃料貯蔵プール貯蔵能力の増強
 1号炉の使用済燃料貯蔵ラック材料に、中性子吸収能力が優れているほう素を添加したステンレス鋼を用いて稠密化を図り、1号炉使用済燃料貯蔵プールの貯蔵能力を増強することとしている。
 変更前後の1号炉使用済燃料貯蔵プールの貯蔵能力の比較を第3表に示す。

(3) ハフニウムフラットチューブ型の新型制御棒の採用
 1号炉について、これまで採用していた制御棒に加えて、新たに偏平型のハフニウム管を用いたハフニウムフラットチューブ型の新型制御棒を採用することとしている。このハフニウムフラットチューブ型制御棒の基本構造、制御能力、質量等の基本仕様は既に採用されている制御棒と同等としている。
 制御棒の基本仕様を第4表に示す。また、制御棒の概略図を第3図に示す。

(4) 使用済燃料の再処理委託先確認方法の一部変更
 1号及び2号炉の使用済燃料の再処理委託先について、燃料の炉内装荷前までに政府の確認を受けることとしているが、装荷前までに使用済燃料の貯蔵・管理について政府の確認を受けた場合には、搬出前までに再処理委託先について政府の確認を受けることとするよう一部変更することとしている。