「我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分
研究開発 の技術的信頼性の評価」

 

 

平成12年10月11日
原子力委員会
原子力バックエンド対策専門部会


我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の技術的信頼性の評価

目 次

はじめに

I. 評価の位置付け
II.専門部会報告書で示された研究開発等の進め方に係る基本的考え方
  及び技術的重点課題に対応した成果の評価
 1.総  括
  (1)地層処分の技術的信頼性について
   1)我が国の地質環境
   2)地層処分の工学技術
   3)地層処分システムの安全評価
   4)地層処分の技術的信頼性についての総合評価
  (2)処分予定地の選定と安全基準の策定に資する技術的拠り所について
   1)処分予定地の選定に資する技術的拠り所について
   2)安全基準の策定に資する技術的拠り所について
  (3)総合的な評価
 2.各研究開発分野について
  (1)我が国の地質環境
   1)地質環境の長期安定性
   2)地質環境の特性
   3)ナチュラルアナログの調査研究
   4)深部地質環境の科学的研究
   5)我が国の地質環境分野の総評
  (2)地層処分の工学技術
   1)オーバーパックの設計
   2)オーバーパックの製作・施工技術
   3)緩衝材の設計、製作・施工技術
   4)人工バリアの埋設後の健全性
   5)処分施設の設計
   6)建設、操業技術
   7)閉鎖技術
   8)全体スケジュール
   9)処分場の管理
   10)各研究開発を進めるための主要施設
   11)地層処分の工学技術分野の総評
  (3)地層処分システムの安全評価
   1)安全評価シナリオの作成
   2)シナリオに沿った解析評価
   3)ニアフィールド性能評価モデル
   4)データベースの構築
   5)地層処分システムの評価解析
   6)ナチュラルアナログ研究の適用
   7)地層処分システムの安全評価に関わる期間
   8)安全評価指標の設定の考え方
   9)地層処分システムの安全評価分野の総評

今後の取組に当たって

資  料


はじめに

 我が国における高レベル放射性廃棄物の処分方策については、昭和51年の原子力委員会決定において、当面地層処分に重点を置き調査研究を進めることとされ、これを始点として、動力炉・核燃料開発事業団(以下、「動燃事業団」という。)をはじめとする機関において、地層処分に関する研究開発を着実に実施してきたところである。特に動燃事業団においては、原子力委員会の方針に基づき関係機関と協力しつつ研究開発を進めた結果として、平成4年9月、我が国における地層処分の安全確保の技術的可能性を示す「高レベル放射性廃棄物地層処分研究開発の技術報告書−平成3年度−」(いわゆる第1次取りまとめ)を取りまとめ、原子力委員会に提出した。原子力委員会は、この技術報告書の内容を放射性廃棄物対策専門部会において検討した結果、平成5年7月に、我が国における地層処分の安全確保を図っていく上での技術的可能性が明らかにされているとの評価を示すとともに、2000年前まで予定されている動燃事業団による第2次取りまとめ、国によるその評価等を通じ、研究開発の進捗状況を見極め、研究方策をさらに評価検討することが必要であるとした。
 この後、平成7年9月に原子力委員会は、高レベル放射性廃棄物処分の円滑な実施への具体的取組に向けた国民の理解と納得が得られるよう、社会的・経済的側面を含め、幅広い検討を進める「高レベル放射性廃棄物処分懇談会」及び高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する研究開発計画の策定等、処理処分に係る技術的事項等を調査審議する「原子力バックエンド対策専門部会」を設置し、高レベル放射性廃棄物の地層処分について、精力的に調査審議を行ってきた。
 平成9年4月、原子力バックエンド対策専門部会は、第2次取りまとめの指標となる報告書「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について」(以下、「専門部会報告書」という。)を作成し、その中において地層処分を我が国に適用していくに当たって基本となる技術的考え方、第2次取りまとめに盛り込まれるべき事項及び第2次取りまとめに向けて実施すべき技術的重点課題を示した。これに基づき、動燃事業団を中核として、日本原子力研究所、地質調査所、防災科学研究所、電力中央研究所、大学、民間企業などが、専門的知見を生かした適切な役割分担の下に、国際協力も積極的に進めつつ研究開発を行ってきた。平成11年11月、核燃料サイクル開発機構(平成10年10月、動燃事業団より改組。以下、「サイクル機構」という。)は、これまでの研究開発の成果を取りまとめた技術報告書「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性−地層処分研究開発第2次取りまとめ−」(以下、「第2次取りまとめ」という。)を作成し、原子力委員会に提出した。これを受けて原子力委員会が示した見解においては、第2次取りまとめは、我が国における地層処分の技術的信頼性を示すとともに、処分予定地選定及び安全基準の策定に資する技術的拠り所を与える重要なものであり、原子力バックエンド対策専門部会において適切な評価を行うこととしている。
 本報告書は、第2次取りまとめの研究開発成果を総合的に評価するとともに、専門部会報告書で示した技術的重点課題等に沿って適切に達成されているかどうかについて評価を行った。専門部会の審議に資するため、23名の専門家からなる「地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会」を設置して、平成11年12月から平成12年10月までに、分科会を10回、我が国の地質環境、地層処分の工学技術、地層処分システムの安全評価の各分野について、関係分科会委員で設けられたサブグループ会合を合計13回開催し、検討状況については適宜報告を受けた。平成12年7月には報告書案を公開し、1ヶ月間国民からの意見募集を行い、41名から67件の意見が寄せられた。意見募集にあわせて、評価の客観性、視点の多様性を確保するため、国内外の専門家を中心に幅広く意見交換を行う国際ワークショップを開催し、海外からの招聘者7名、国内の招聘者9名、公募による一般の参加者215名、専門部会委員16名、分科会委員11名、第2次取りまとめの作成に関わった専門家などにより幅広く議論を行った。本報告書は、これらの意見を踏まえて更に議論を行った結果を取りまとめたものである。
 高レベル放射性廃棄物の地層処分については、平成12年5月に処分実施主体の設立や事業資金の確保策等を柱とする「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」(平成12年 法律第117号)が成立し、また、安全規制に関する基本的考え方の検討が進められるなど、処分事業の具体化に向けた取組が着実に進んできている。本報告書が、我が国における地層処分研究開発の進捗状況の理解促進の一助となるとともに、本報告書によって、今後の研究開発が着実に推進されることを大いに期待するものである。なお、本報告書を読まれる方の便に供するため、適宜脚注を付した。

 

I.評価の位置付け

 第2次取りまとめに対する評価の考え方については、専門部会報告書において、第2次取りまとめに対する国による評価が、国民に信頼を持って受け入れられるためには、客観的に評価が行われる体制を整えるとともに、積極的に成果を公表し、国民に意見を求めるなどプロセスの透明性を確保することが重要であるとし、また、成果の総合的な評価とともに、専門部会報告書で示している第2次取りまとめの個別目標に対応する研究領域ごとに研究成果の到達度を適切に評価し、その後の研究課題と進め方を明らかにすることが重要であるとしている。
 また、第2次取りまとめに対する評価の主な項目として、地層処分にとって基本的に重要な地質環境1上の要件について具体的な情報を得るための調査項目・手法を明らかにすること、人工バリア及び処分施設の設計要件及びこれらを設計する場合の技術的基礎となる考え方が明らかにされていること、地層処分システムの性能評価において考慮されるべきシナリオの範囲、評価モデルやデータに関する必要な情報が明示されていることに加えて、地層処分研究開発の基盤として位置づけられる深部地質環境の科学的研究の成果が、各研究開発分野の研究の進展に応じ、適切に反映されていることが必要であるとしている。
 本報告書では、第2次取りまとめが、専門部会報告書で示したこれらの課題に応えたものとなっているかという観点から技術的に詳細な評価を行った。なお、評価に当たっては、この研究開発が、地層や処分場の場所が特定されていない段階のものであり、地層処分の実現に向けての基盤技術的なものであることに留意した。我が国における地層処分研究開発は、これまで大きく@我が国の地質環境、A地層処分の工学技術、B地層処分システムの安全評価の3つの分野に分けて進められてきている。第2次取りまとめにおいても、各分野の成果の詳細がそれぞれ3つの分冊にまとめられている。このため、評価に当たっては、まず、これらの各研究分野ごとに、専門部会報告書で示している第2次取りまとめに盛り込むべき事項や技術的重点課題等への対応について詳細な検討を行った。次に、これらの結果に基づいて、我が国における地層処分の技術的信頼性についての総合的な評価を行った。


1 地質環境:地層処分の観点からみて重要な、地層を構成する岩石やそこに含まれる地下水などの要素からなる地下の環境。

 

II.専門部会報告書で示された研究開発等の進め方に係る基本的考え方
及び技術的重点課題に対応した成果の評価

1.総  括

 (1)地層処分の技術的信頼性について
1)我が国の地質環境
 専門部会報告書で示している本分野の目標は、地層処分にとって重要な地質環境上の要件を明らかにし、それを満たす地層が我が国においても存在する可能性の有無を明らかにするとともに、地層処分システムの長期にわたる安全性と技術的な実現性を示す上で重要となるニアフィールド2の地質環境特性について、実測値に基づく知見を整備することである。また、技術的重点課題として、地質環境の長期安定性に関する情報の整備、ナチュラルアナログ3に関する情報の整備、地質環境の特性に関する情報の整備を挙げており、さらに、サイト特性調査4の基盤となる深部地質環境の調査技術及び関連機器の開発を挙げている。
 地質環境の長期安定性については、第2次取りまとめでは、地震・断層活動、火山・火成活動のような急激かつ局所的な天然現象については、活動地域の時間的な変化や地質環境への影響に関する過去の事例調査の知見に基づき、その活動及び影響の範囲が限定されることが明らかにされている。隆起・沈降・侵食、気候・海水準変動のような緩慢かつ広域的な現象については、変動の規模及びその地域性や周期性に関する知見に基づき、個々の地域における変動量が概ね推定できることから、想定される変動を考慮して、地層処分システムの設計や安全評価に反映できることが示されている。
 また、ナチュラルアナログとしてのウラン鉱床の調査研究では、上述の天然現象の影響を被った地質環境の長期安定性が実際に保たれる具体例が示されている。
 さらに、多重バリアシステム5の性能にとって重要な地質環境の特性については、地層中の物質移動特性、地下水の流動特性、地下水の地球化学特性及び岩盤の熱特性・力学特性について、地層処分にとって重要な地質環境上の特性が明らかにされており、実際にあり得る深部地質環境を考え合わせることにより、地層処分にとって安定な地質環境が我が国に存在し得ることが示されている。
 また、深部地質環境の調査技術及び関連機器の開発については、処分地選定に至る過程の各段階において評価すべき項目や必要となる地質環境に関する情報並びに各情報を取得するための調査手法や機器が整理して示されている。
 さらに、地層処分研究開発の基盤として位置づけられる深部地質環境の科学的研究については、東濃地域及び釜石鉱山などにおける調査研究を通して深部地質環境のデータが蓄積されてきており、得られた成果は地層処分研究開発に適切に反映されていると判断できる。
 これらについての具体的な評価は「第U章2.(1)我が国の地質環境」において行っているが、結論としては、我が国においても地層処分にとって安定で、適切な地質環境を有する地域が存在し得ることが示されており、そのような地質環境を選定するために必要となる調査手法や調査機器についても、その技術的基盤が整備されていると判断できる。

2 ニアフィールド:人工バリアと、その設置などにより影響を受けると考えられる人工バリア近傍の地層とを合わせた領域。
3 ナチュラルアナログ:廃棄物埋設後の放射性核種の挙動や人工バリアの腐食・変質など、地層処分システムにおいて想定される現象と類似した、自然界で過去に起こった長期的変化に関する現象。
4 サイト特性調査:処分予定地において、処分施設の設計や地層処分システムの性能評価に必要な情報を取得するために実施する調査。地表からのボーリング調査や物理探査、地下施設を用いた調査などにより、地表から地下深部までの地層及び地下水の性質(例えば、地質構造、岩盤物性、地下水の水質や流動特性など)を体系的に調べること。
5 多重バリアシステム:高レベル放射性廃棄物を、長期間にわたり生物圏から隔離し、放射性物質の移動を抑えることにより、処分された放射性物質による影響が、将来にわたって人間とその環境に及ばない様にするための多層の防護系からなるシステム。工学技術により設けられる人工バリアと、天然の地層である天然バリアにより構成される。

2)地層処分の工学技術
 専門部会報告書で示している本分野の目標は、地層処分の工学技術に関して、安全を確保するための信頼性の高い人工バリア及び処分施設についての設計要件を提示するとともに、これらが現実的な工学技術によって合理的に構築できることを示すことである。あわせて、処分場に関する種々の状態や状況について、それぞれの段階において取得すべき情報の内容、計測の方法、所要の措置などを技術的に検討し、処分場の管理に関する技術的基礎を整えることを求めている。また、技術的重点課題として、人工バリアの設計、製作、施工技術の研究開発、処分施設の設計、施工技術の研究開発を挙げている。
 人工バリアの設計、製作、施工技術については、第2次取りまとめでは、人工バリアについて、我が国の地質環境を踏まえて設定した代表的地質環境条件に応じた設計が行われており、オーバーパックの製作・施工については、現状の技術で実施できることを試作によって確認しており、品質管理についても溶接部の健全性確認方法等の知見が得られている。また、人工バリアの埋設後の健全性評価として、再冠水時における人工バリアの性状変化、オーバーパックの沈下等に対する構造力学的安定性、耐震安定性、ガスの移行挙動及び緩衝材の周辺岩盤内への流出について、解析モデルによる評価解析と実験室規模の試験や工学規模の試験による検証を行い、人工バリアの埋設後の健全性が確認されている。
 処分施設については、設計の前提となる地質環境条件等に基づいて、空洞の力学的安定性や熱的安定性について実測や解析により検討・評価し、地下施設の仕様例が示されている。また、処分場の建設、操業、閉鎖に必要な技術については、施工時に遭遇すると考えられる事例に基づいた検討が行われ、現状技術及び近い将来実現すると考えられる技術を用いることにより対応できる見通しが得られたとしており、硬岩系岩盤及び軟岩系岩盤の両方について検討は十分に行われている。
 また、処分場の管理については、設計・施工上の品質・施工管理や作業の安全管理、人工バリア・施設周辺の環境モニタリングも含めて取得すべき情報の内容や計測項目について検討が行われるとともに、具体的な管理項目及び計測項目が挙げられており、国内外の情報も含めてよく検討されている。
 これらについての具体的な評価は、「第U章2.(2)地層処分の工学技術」において行っているが、結論としては、安全を確保するための信頼性の高い処分場についての設計要件が提示されていることから、処分場の設計に当たって、その地質環境に特有な条件を抽出して詳細な検討を行うことによって、現実的な工学技術により合理的に処分場を構築できる見通しが得られたものと判断できる。また、処分場の管理についても、建設、操業、閉鎖の各段階において取得すべき情報及び計測項目について具体的に検討が行われており、処分場の管理に関する技術的基礎は整ったものと判断できる。

3)地層処分システムの安全評価
 専門部会報告書で示している本分野の目標は、我が国の地質環境において、ニアフィールドを中心とした地層処分システムの性能を十分な信頼性をもって評価することである。また、技術的重点課題として、性能評価シナリオの研究、ニアフィールド性能評価モデル及びデータベースの構築、システム性能の評価解析、ナチュラルアナログ研究の適用を挙げている。
 第2次取りまとめでは、OECD/NEAによって示された手法6を踏襲するとともに、線量を評価指標とした安全評価を行っている。安全評価のためのシナリオは、放射性核種が地下水によって地上の人間環境に運ばれることを想定する地下水シナリオと廃棄物と人間の物理的距離が接近することによって人間環境に影響が及ぶ可能性を想定する接近シナリオの2つに大きく分類して検討されている。地下水シナリオについては、重点的な検討対象であるとしてシナリオの作成の考え方及び手順が詳細に示されている。地下深部で起こりうる種々の現象の影響を網羅的に考慮した基本シナリオ体系、さらに、将来予測に伴う不確実性へ対応するため、地層処分にとって適切で安定な場所に信頼性の高い処分場を建設することにより実際には避けられると考えられる事象についても、その影響を考慮した変動シナリオ体系が構築されており、地層処分の安全性を評価するためのシナリオを作成するという目標に到達している。
 地下水シナリオの解析に当たっては、基本シナリオ体系において、現実的な地質環境のデータと合理的な人工バリア仕様により、地層処分システムに期待される性能が継続することを前提とした解析が行われるとともに、データ及びモデルの不確かさを考慮した解析も行われている。また、地層処分にとって適切で安定な場所に信頼性の高い処分場を建設することにより実際には避けられると考えられる事象の評価例として、地質環境の変化やオーバーパックの初期欠陥、あるいは将来の人間活動などによるシナリオの不確実性を考慮した感度解析7が変動シナリオ体系において試みられており、十分な安全裕度を見込むことを想定した評価手法が整えられたと判断できる。
 一方、接近シナリオはいずれも処分地選定に至るまでの段階での調査あるいは適切な地層処分システムの構築によって避けられることが示されている。その上で、接近シナリオは、急激かつ局所的な天然現象及び緩慢かつ広域的な天然現象を考慮したケース並びに処分場への偶発的な人間侵入を考慮したケースに対し、仮に事象が起こった場合を想定したシナリオによる解析が示されている。接近シナリオの解析に関しては、まず天然現象に起因するシナリオについて、急激かつ局所的な現象及び緩慢かつ広域的な現象について、それぞれ影響の範囲及び程度を推定することにより解析が行われている。また、人間侵入に起因するシナリオについては、地下深部へのボーリングが偶然廃棄物を貫通することを想定した簡易なシナリオを設定して解析が行われている。
 上記のように、重点的な検討対象である地下水シナリオについては、基本シナリオに加えて、シナリオの不確実性へ対応するため変動シナリオの体系が構築されている。さらに、処分地選定に至るまでの調査等により避けることができる接近シナリオも検討されている。これらのシナリオが解析評価された結果、地下水シナリオについては、線量の最大値は諸外国で提案されている防護目標8を下回る見通しが得られており、接近シナリオについては、事象が発生したとしても、その確率が小さいこと、天然の放射線レベルを大きく超えないことが例示されている。
 これらについての具体的な評価は「第U章2.(3)地層処分システムの安全評価」において行っているが、結論としては、場所を特定しない現段階において、我が国の地質環境や現状技術を前提条件として、ニアフィールド性能を中心に地層処分システムの安全性を評価する手法が整備されており、かつ解析評価の結果から地層処分の安全性が確保できる見通しが示されていると判断できる。


6 地層処分システムの長期的な安全評価の方法として、国際的な研究開発の結果に基づいて、一般的に認められているものとしてOECD/NEAが1991年に総括した方法論。まず、地層処分システムの場の特徴や特質と安全性能に影響を及ぼすと考えられる種々の事象及びプロセスを考慮して、システムの将来の挙動に関するシナリオを描く。次に、シナリオにしたがってシステムの長期的な現象を表現するため、物理・化学的な法則に基づいた数学モデルの開発と必要なデータの整備を行う。最後にモデルとデータを用いた影響解析を行ってシステムの性能を推定した後、これを安全規制のために定められた指針や基準と比較してシステムの安全性を判定する。
7 感度解析:感度解析:数学的に入力値における変化と出力値における応答の比率を調べるための計算。
8 防護目標:現在、我が国では設定されていない。そのため、第2次取りまとめでは、最大線量を指標とした解析の結果と外国で提案されている防護レベル(100〜300μSv/年)及び我が国の自然放射線レベル(900〜1200μSv/年)とを比較し、諸外国の防護レベルを十分下回ることを示している。

4)地層処分の技術的信頼性についての総合評価
 専門部会報告書では、第2次取りまとめ作成の目標として、我が国における地層処分の技術的信頼性を示すことを求めている。
 第2次取りまとめでは、まず、我が国の地質環境として天然現象、岩盤及び地下水の特性についての情報や知見が地層処分の観点から整理・分析されている。その結果に基づき、地層処分施設を構築する場として長期にわたって安定であり、安全性を確保するための人工バリアの設置環境及び天然バリアの機能としても適切な地質環境が、我が国にも存在し得ることが示されている。また、これまでの調査研究を通じて、地層処分にとって十分安定で適切な地質環境を調査するための基盤的な知見が整備されている。
 次に、第2次取りまとめで想定した地質環境に対応させて人工バリアや処分施設を設計し、現状技術及びその改良技術により処分施設の建設・操業・閉鎖を安全かつ合理的に行うことが可能であることが示されている。また、人工バリア性能は、我が国の地質環境に柔軟に対応できるように安全裕度を十分に見込んだ評価に基づく設計が可能であることが示されている。さらに、将来起こり得る地質環境の変化、人工バリア機能の変化、あるいは発生の可能性が小さい著しい隆起・侵食や偶発的な人間侵入などを考慮した複数のシナリオに基づき、地層処分システムの安全性が総合的に評価されている。その結果、シナリオ、モデル、データの不確かさを考慮しても、高レベル放射性廃棄物を地層処分することによって人間が受ける最大線量は、諸外国で提案されている防護目標値と同等あるいはそれ以下であることが明らかにされている。
 これらの結果から、地層処分概念の成立に必要な条件を満たす地質環境が我が国に存在し、特定の地質環境がそのような条件を備えているか否かを評価する方法が開発されたことや、我が国の地質環境を踏まえて設定した条件に対して人工バリアや処分施設を適切に設計・施工する技術の見通しが得られたこと、地層処分の長期にわたる安全性を予測的に評価する方法が開発され、それを用いて具体的な安全評価結果が示されたこと等から地層処分の技術基盤が整備されたと判断できる。すなわち、第2次取りまとめの研究成果は、我が国の地質環境、地層処分の工学技術及び地層処分システムの安全評価の3つの研究開発分野における成果について、それぞれの関連する技術的知見を総合的に検討したことにより得られていると判断できる。したがって、第2次取りまとめの研究成果により、専門部会報告書で示された技術的重点課題等が適切に達成されているとともに、我が国における地層処分の技術的信頼性が示されていると判断できる。

 (2)処分予定地の選定と安全基準の策定に資する技術的拠り所について
1)処分予定地の選定に資する技術的拠り所について
 専門部会報告書では、処分予定地の選定に当たっては、地質環境のどのような特性に着目するのか、また、サイト特性調査において、何をどのように調べるのかが明らかにされている必要があるとしている。  第2次取りまとめでは、地質環境の長期安定性、人工バリアの設置環境として重要な地質環境の特性、天然バリアとして重要な地質環境の特性のそれぞれの観点から、処分予定地の選定に当たって考慮すべき地質環境の要件や取得すべき情報が示されている。また、必要な情報を取得するための調査手法や機器についても、着目すべき特性ごとに、調査の段階に応じて整理して示されている。
 以上のように、第2次取りまとめには、処分地選定に当たって考慮すべき地質環境の要件、取得すべき情報とそのための調査手法や機器が示されており、処分予定地の選定に当たっての技術的拠り所とすべき内容が示されていると判断できる。

2)安全基準の策定に資する技術的拠り所について
 専門部会報告書では、安全基準(技術基準、安全評価指針など)の策定に資するため、処分場の設計要件と設計施工基準、地層処分システムの安全評価手法と評価基準に関する技術的拠り所を示すことが必要であるとしている。
 第2次取りまとめでは、地層処分の工学技術の観点から、人工バリア及び処分施設の設計・施工要件、並びに品質・施工管理についての基本的な考え方及び管理項目が整理されている。これらは、現在の技術水準で考えられる限りの知見を活用して検討されていると判断できる。
 一方、地層処分システムの安全性の評価手法としては、評価シナリオ作成の考え方及び手順に基づき、地下深部で起こり得る種々の現象の影響を網羅的に考慮したシナリオ及びデータやモデルの不確実性へ対応するため地層処分にとって適切で安定な場所に信頼性の高い処分場を建設することにより、実際には避けられると考えられる事象についても、その影響を考慮したシナリオが構築されており、これらのシナリオに沿った安全性の評価解析が実施されている。その評価結果を判断する指標としては、地下水シナリオにおいては線量の最大値、接近シナリオにおいては天然の放射線レベルとの比較が例示されており、地層処分の安全性が確保できる見通しが示されている。
 以上のように、第2次取りまとめには、地層処分の工学技術について処分場の設計・施工要件及び管理項目が示されるとともに、安全性についての評価手法及び評価結果が示されており、安全基準の策定に資する技術的拠り所となると判断できる。

 (3)総合的な評価
 以上のように、第2次取りまとめの研究成果は、我が国の地質環境、地層処分の工学技術及び地層処分システムの安全評価の3つの研究開発分野における成果について、それぞれの関連する技術的知見を総合的に検討したことにより得られており、専門部会報告書で示した技術的重点課題等が適切に達成されているとともに、我が国における地層処分の技術的信頼性が示されていると判断できる。
 また、第2次取りまとめには、専門部会報告書で求めている処分地選定に当たって考慮すべき地質環境の要件、取得すべき情報とそのための調査手法や機器が示されており、処分予定地の選定に当たっての技術的拠り所とすべき内容が示されていると判断できる。さらに、地層処分の工学技術について、専門部会報告書で求めている処分場の設計・施工要件及び管理項目が示されるとともに、安全性についての評価手法及び評価結果が示されており、安全基準の策定に資する技術的拠り所となると判断できる。
 以上のことから、第2次取りまとめには、我が国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性が示されているとともに、処分予定地の選定と安全基準の策定に資する技術的拠り所となることが示されていると評価する。このことから、第2次取りまとめは地層処分の事業化に向けての技術的拠り所となると判断する。

2.各研究開発分野について

 (1)我が国の地質環境

 専門部会報告書では、我が国の地質環境に関し、地層処分にとって重要な地質環境上の要件を明らかにし、それを満たす地層が我が国においても存在する可能性の有無を明らかにすることを求めている。また、地層処分システムの長期安全性と技術的実現性を示す上で重要な地質環境のニアフィールド特性について、具体的な実測値に基づく知見を整備することを求めている。
 地質環境の長期安定性については、地震・断層活動、火山・火成活動、隆起・沈降・侵食や気候・海水準変動といった天然現象が地下深部9の地質環境に及ぼす影響の程度とその範囲について事例研究を進め、我が国においても地層処分にとって十分に安定な地質環境が存在し得ることを明らかにすることを求めている。また、地質環境の特性については、実際の地質環境下や室内での試験研究などに基づいて、人工バリアの設置環境として重要な地質環境の特性及び天然バリアとして重要な地質環境の特性を明らかにしていくとともに、地質環境の特性を調査するために有効な技術及び手法を開発することを求めている。
 なお、地層処分研究開発の基盤として位置づけられる深部地質環境の科学的研究については、その成果が地層処分研究開発の各分野における研究の進展に応じ、適切に反映されることを求めている。

9 地下深部:ここでは、地層処分の処分深度として想定されている深さ(地下三百〜千m程度)の地下を指す。

1)地質環境の長期安定性
 専門部会報告書では、地震・断層活動及び火山・火成活動について、これまで長期にわたり限られた地域で起こっており、活動及び活動範囲の移動は規則的に推移しているため、その影響を受けない地域の地下深部に処分施設を設置することが可能と考えられるとして、天然現象の性質や影響範囲などを調査し、それらの影響が及ばないような安定な地域が存在し得ることを示すことを求めている。一方、隆起・沈降・侵食及び気候・海水準変動については、その変化の規則性が過去の地質学的記録から類推できるため、長期にわたりこれらの影響や範囲を推定することが可能と考えられるとして、比較的精確な年代測定が可能な過去十万年程度の範囲のデータを解析し、緩慢かつ広域的な天然現象が地質環境の長期安定性に及ぼす影響の可能性について調査することを求めている。
@地震・断層活動
 第2次取りまとめでは、地震・断層活動が地層処分システムへ与える影響について、岩盤の破断・破砕とこれに伴う地下水移行経路の形成、地震動による岩盤や地下水の性質の変化などが想定されている。その上で、岩盤の破断・破砕とこれに伴う地下水移行経路の形成による影響に対しては、活断層の分布や性質を把握し、地層処分システムに重大な影響を与える可能性のある範囲を避けることが重要であるとして検討が行われている。また、地震動による影響に対しては、地下深部における地震による揺れが地表付近に比べて小さく、地震が起こった際に人工バリアが岩盤と一体となって振動すると考えられることから、想定される最大級の地震動を考慮した上で、工学的な対策を施すことにより対応が可能であるとして検討が行われている。
 具体的には、活断層の分布や性質については、日本全国の主要な活断層の分布やその活動履歴などを調査することによって、我が国における地震・断層活動が、過去数十万年間にわたって、既存の活断層帯で繰り返し起こっており、その分布は限定されることが示されている。地質環境への影響については、大規模な活断層での研究事例等に基づいて断層活動に伴う岩盤の破断・破砕や変位の及ぶ範囲などが示されている。また、主要な活断層の分布については現時点でおおむね把握されているものの、個々の地域における活断層の有無や分布については処分地の選定過程で行われる調査により確認されていくものとされている。第2次取りまとめでは、伏在する活断層の存在の可能性にも言及し、沖積平野など未固結の土砂に広く覆われているような地域においては、地下構造調査を特に慎重に行う必要があることが指摘されている。新たな断層が発生する可能性については、我が国では、過去の調査において活断層の存在や可能性が認められなかった場所で、地震に伴って新たに断層が出現した例が知られておらず、また、日本列島においては過去数十万年程度にわたって地殻応力の状態に大きな変化がなく、既存の活断層が繰り返し活動していることから、テクトニクス10に関連する地殻応力状態の顕著な変化が想定されない地域では、活断層が現存していない地域に新たに活断層が発生する可能性が低いことが示されている。
 地震動については、釜石鉱山における地震観測の結果等に基づき、地震の揺れが地下百数十m以深では地表の1/2〜1/3程度であることや、地下水位や水質の変化が短期的なものであるなど、地震動による地下深部の地質環境への影響は小さいことが示されている。

10 テクトニクス:地球内部に原因のある地震、火山、地殻変動などを研究する学問分野。
 以上のように、主要な活断層の分布や活動履歴などの調査結果からその活動及び影響の範囲が限定できることが示されており、断層活動による重大な影響が及ばない地域が我が国に存在し得ることが示されている。また、事例研究に基づき、地下深部では地震動による影響が地表付近に比べて小さいことが示されている。これらのことから、場所が特定されていない現段階において地震・断層活動による重大な影響が及ばない安定な地域が我が国に存在し得ることが科学的根拠に基づいて示されていると判断できる。
A火山・火成活動
 第2次取りまとめでは火山・火成活動が地層処分システムへ与える影響について、マグマの貫入・噴出による多重バリアシステムの破壊や地表への放出、マグマからの熱による地温の上昇や熱水の発生、地下水への熱水・火山ガスの混入による水質の変化などが想定されている。その上で、これらの影響については、火山・火成活動の時間的・空間的な変化を把握し、地層処分システムに重大な影響を与える可能性のある範囲を避けることが重要であるとして検討が行われている。
 具体的には、火山・火成活動の時間的・空間的な変化については、主に第四紀11の火山の活動履歴を、火山フロント12の移動や火山地域の拡大・縮小といった時間的・空間的な変化に着目して調査することによって、我が国における火山活動が限定された地域内で繰り返し起こっていることを明らかにしている。また、火山地域での事例研究等に基づいて、地温の上昇や地下水水質の変化など、マグマからの熱・熱水による影響が及ぶ範囲についても示されている。
 以上のように、火山の活動履歴の調査結果から、火山・火成活動及びその熱的影響等の範囲が限定されることが示されており、火山・火成活動の著しい影響が及ばない地域が我が国に存在し得ることが示されていると判断できる。

11 第四紀:地球が誕生して以来の約46億年の歴史のうち、最も新しい地質時代。約170万年前から現在までを指す。第四紀には、顕著な気温変化が生じ、地球上に氷期・間氷期が規則的に出現した。
12 火山フロント:日本列島に沿う火山分布域の海溝よりの縁のこと。日本列島周辺では、太平洋側の海溝から海洋プレートが日本列島の下に沈み込んでおり、日本列島における火山の分布は、これらの海溝にほぼ平行に帯状に配列している。火山分布域内では火山フロントに近いほど火山分布密度及び噴出量が大きく、また、火山フロントより海溝側では火山が出現しない。

B隆起・沈降・侵食
 第2次取りまとめでは、隆起・沈降・侵食が地層処分システムへ与える影響について、隆起・侵食の継続による処分場の露出及び、隆起・沈降・侵食による深度の変化や地形の変化による地質環境特性(地下水流動、水質、岩盤の地圧・地温など)の変化が想定されている。その上で、これらの現象については、段丘などの地形情報等を活用することによって個々の地域における変動量が概ね推定できるため、変動の著しい地域をあらかじめ避けた上で、個々の地域で予想される侵食量等の変化を考慮して処分場の設置深度を設定するなどの対応をとることができることが示されている。
 具体的には、隆起・沈降速度については、全国的な隆起・沈降速度の分布がまとめられており、侵食速度については、面的な侵食と線的な侵食(河川による下刻)について検討されている。また、堆積作用についても、平野や盆地における第四紀堆積物の厚さに基づき推定されている。なお、個々の地域における変動については、処分地を選定する過程での調査によって詳細に確認されていくことが示されている。
 以上のように、隆起・沈降・侵食については、将来にわたっての変動量を推定することが可能であること、また、変動量の著しい地域をあらかじめ避けることが可能であることが示されており、その上で、個々の地域で予想される影響を考慮して処分場の設置深度を設定するなど、処分場の設計により、著しい影響を避けることができるものと判断できる。
C気候・海水準変動
 第2次取りまとめでは気候・海水準変動が地層処分システムへ与える影響について、気温・降水量の変化による表層での水収支13の変化や海水準の変動に伴う地下水の流動や水質及び侵食速度の変化が想定されている。
 具体的には、過去数十万年にわたって、気候・海水準変動の周期が確認されており、将来的にもこの周期が継続すると考えられることと、その変動パターンに伴う我が国における気候変動及び海水準変動の幅が示されている。
 気候変動が地質環境に及ぼす影響については、寒冷化に伴う永久凍土や凍結割れ目の発達の影響が検討されており、これらの現象が生じるのは一部の地域であり、かつその影響は地表付近に限定されることが示されている。また、海水準変動が地質環境に及ぼす影響については、海岸線の位置の移動及びこれに伴う地下水位の変化や淡水・塩水分布の変化等が挙げられており、これらの影響については、シミュレーション解析を取入れた評価が可能であることが示されている。
 以上のように、気候・海水準変動については、想定される変動幅が推定できることから、これに基づいて、個々の地域で予想される影響を評価し、適切に対処をはかることができるものと判断できる。

13 水収支:水の循環系の中での自然的・人為的要因による量的な変化を明らかにすること。自然的要因のみを考えた場合、降水として供給される水量から、河川により流出する量や地表から蒸発する量を差し引くと、地下へ浸透する水量が得られる。

2)地質環境の特性
 専門部会報告書では、地質環境についての情報の取りまとめに当たっては、我が国に広く分布する結晶質岩系と堆積岩系の双方を対象とし、「性能評価研究」や「処分技術の研究開発」において特に重要となるニアフィールドの水理、地球化学、物質移動などの特性及びそれらの長期的な安定性の研究に重点を置くことが重要であるとして、「性能評価研究」や「処分技術の研究開発」に必要となる地質環境についての情報を提供することを求めている。また、地層処分にとって重要な地質環境上の要件を明らかにし、それを満たす地層が我が国に存在する可能性の有無、さらにはサイト特性調査の項目を明らかにすることを求めている。
 第2次取りまとめでは、地層処分の観点から重要な地質環境の特性として、物質移動に関与する地質構造要素、地下水の流動特性、地下水の地球化学特性及び岩盤の熱特性・力学特性について検討を行っている。

@物質移動に関与する地質構造要素
 第2次取りまとめでは、物質移動に関与する地質構造要素について、東濃鉱山や釜石鉱山などにおける調査研究の結果に基づいて、地下においては地下水を媒体として物質が移動する過程で、一般に造岩鉱物14や割れ目充填鉱物15の表面に物質が吸着したり、マトリクス拡散16したりすることにより、地質環境中での物質の移動が遅延される効果が期待できることが示されている。処分地選定において考慮すべき地質環境条件については、人工バリアの設置環境として、主要な地質構造要素(断層や不整合面など)の分布や性状との関係で、処分施設を適切に配置できることが重要な条件として示されている。また、天然バリアとしても、大規模な断層破砕帯など選択的な移行経路となり得る構造から十分な距離が確保できること、移行経路の構造や化学的な性質に着目し、核種の移行に対して十分な遅延効果(マトリクス拡散や吸着など)が期待できることを確認する必要があることが示されている。なお、主要な地質構造要素の調査に関しては、処分地選定に至るプロセスの各段階において評価すべき項目や必要となる地質環境情報が整理されるとともに、各情報を取得するための調査手法や機器が示されている。


14 造岩鉱物:ふつうに存在する岩石を構成する主要な鉱物の総称。
15 割れ目充填鉱物:断層破砕帯や割れ目等の隙間を充填して生じている二次鉱物の総称。
16 マトリクス拡散:割れ目(亀裂)から岩石基質方向への拡散。割れ目に沿った地下水の流れに対して直交する方向に物質が移動することから、花崗岩のような亀裂性岩盤では遅延機能の一つとして考えられている。

A地下水の流動特性
 第2次取りまとめでは、地下水の流動特性について、地下深部における動水勾配17が地表部に比べて低くなる傾向があることが実測データを用いた地下水流動解析により確認されている。また、東濃地域や釜石鉱山における実測データ及び既往の文献データをもとに、地下深部での岩盤の平均的な透水係数の分布が示されている。処分地選定において考慮すべき地質環境条件については、人工バリアの設置環境としては、一般的には、動水勾配や透水性が低く、人工バリア中に浸透する地下水の量や速度が小さいことが好ましい条件として示されている。また、天然バリアとしても、動水勾配や岩盤の透水性に着目し、地下水を媒体とする核種の移行が十分に低く制限できる水理学的状態であることを確認する必要があることが示されている。その上で、事例研究等に基づくこれまでの知見から、地下深部では一般的に、動水勾配や透水性が低く、人工バリア中に浸透する地下水の量や速度が小さいことなど、地層処分システムに適した条件が満たされ得ることが示されている。なお、地下水流動特性の調査に関しては、処分地選定に至るプロセスの各段階において評価すべき項目や必要となる地質環境情報が整理されるとともに、各情報を取得するための調査手法や機器が示されている。

17 動水勾配:地下水の動きを決定づける要因の一つであり、一定の方向の単位距離あたりの水圧(正確には水頭で表した水圧。以下、水圧とする。)の変化をいう。地下水は水圧の高いほうから低いほうへ移動するので、水圧の高さが同じところを結んだ等水圧面に垂直な方向が動水勾配の方向となる。
B地下水の地球化学特性
 第2次取りまとめでは、地下水の地球化学特性について、東濃地域及び釜石鉱山での実測データ及び既往の文献データに基づいて、降水起源の地下水の水質が造岩鉱物や割れ目充填鉱物、有機物との反応などによって形成され、処分深度では一般に還元状態にあることが示されている。海水起源の地下水についても、沿岸地域での研究事例や、海水と岩石との反応を考察した結果により、地下深部では一般に還元状態にあると考え得ることが示されている。処分地選定において考慮すべき地質環境条件については、人工バリアの設置環境としては、オーバーパックの腐食や核種の溶解を抑制する観点から、現在検討されている人工バリアの仕様では、地下水が強酸性や強アルカリ性でなく、かつ還元性であることが好ましい条件として示されている。また、天然バリアとしても、地下水と核種との化学的な反応に着目して、核種の移行が十分に低く制限できる化学的状態であることを確認する必要があるとしている。その上で、事例研究等に基づくこれまでの知見から、岩石中に一般に含まれる鉱物や有機物などとの反応によって、地下深部では地下水が一般に中性から弱アルカリ性で還元状態であることなど、地層処分システムに適した条件が満たされ得ることが示されている。なお、地下水の地球化学特性の調査に関しては、処分地選定に至るプロセスの各段階において評価すべき項目や必要となる地質環境情報が整理されるとともに、各情報を取得するための調査手法や機器が示されている。
C岩盤の熱特性・力学特性
 第2次取りまとめでは、岩盤の熱特性・力学特性について、処分施設の設計に必要となる主要な物性データが岩種ごとに整理されている。一方、場の条件として重要な地温勾配18については、全国的な深層ボーリングデータに基づき検討されている。また、地下深部における岩盤の初期応力19については、東濃地域や釜石鉱山における実測データ及び既往の文献データに基づき検討されている。処分地選定に至る各段階において考慮すべき地質環境条件については、人工バリアの設置環境としては、一般的には、応力状態が均質に近く、地温が高すぎないことが好ましい条件として示されており、処分技術の検討結果とあわせて、深度1,000mにおいても合理的な処分施設の設計が十分に可能であることが示されている。なお、岩盤の熱特性・力学特性の調査に関しては、処分地選定に至る各段階において評価すべき項目や必要となる地質環境情報が整理されるとともに、各情報を取得するための調査手法や機器が示されている。

18 地温勾配:地下の温度は一般に深さが深くなるほど上昇する。この上昇の度合いを単位深さ当たりの温度の差で表したもの。
19 応力:物体内に作用する単位面積当たりの力

 以上のように、現在までに得られている科学的な知見に基づいて、地層処分にとって重要な地質環境上の要件が整理されており、実際にあり得る深部地質環境を考え合わせることにより、その要件を満たす地層が我が国に存在し得ることが示されていると判断できる。また、サイト特性調査において取得すべき情報やそのための調査手法及び機器が示されていると判断できる。

3)ナチュラルアナログの調査研究
 専門部会報告書では、地質環境の長期安定性が実際に保たれていることを、事例研究によって明確にするとともに、さらにその地域の地殻変動や気候変化などに関する履歴を解析して、天然現象の影響が重複したにもかかわらず、現在まで長期にわたって地質環境の安定性が保たれている事例があることを示すことを求めている。
 第2次取りまとめでは、ウラン鉱床において天然の状態で核分裂連鎖反応が起こったオクロ鉱床(ガボン共和国)のほか、クンガラ鉱床(オーストラリア)、シガーレイク鉱床(カナダ)、オサムウツミ鉱床(ブラジル)、東濃ウラン鉱床(日本)におけるウラン鉱床を活用した研究例を挙げ、天然の岩盤・地層中での物質の移動・遅延現象などのプロセスを研究するとともに、ウランやトリウムなどの放射性元素が地質環境中に長期にわたって保存されてきた事例が示されている。また、ウラン以外にもさまざまな金属や非金属の鉱床が世界各国及び我が国の地質環境中に存在していることが示されている。これらの事例研究に基づき、地質環境が物質を長期にわたって保存する機能を有することが示されている。
 以上のように、ウラン鉱床等におけるナチュラルアナログ研究の成果に基づいて、長期にわたって地質環境の安定性が保たれている事例が示されていると判断できる。

4)深部地質環境の科学的研究
 専門部会報告書では、深部地質環境の科学的研究は、地層処分研究開発の基盤となる研究であり、地質環境の特性に関する研究とそのための調査技術の開発及び地質環境の長期安定性に関する研究を中心として行われてきている。
@深部地質環境の特性に関する研究
 専門部会報告書では、深度1,000m程度までの地質構造、地下水の流動特性、地下水の地球化学特性、岩盤の力学特性、岩盤中での物質移動及び坑道掘削や人工物の構築などによるこれらの特性への影響など、深部地質環境の特性に関する調査研究を行うことを求めている。
 第2次取りまとめでは、これまで述べてきたように、東濃地域及び釜石鉱山における研究の成果が有効に活用されており、深部地質環境についての実測データが整備されてきていると判断できる。
A深部地質環境の調査技術及び関連機器の開発
 専門部会報告書では、深度1,000m程度までの地質環境を対象に、地質環境への擾乱を最小限に抑えつつ信頼性の高いデータを取得するための調査手法や機器の開発・改良を進め、その技術的基盤を確立すること、さらに、フィールドでの試験を通じて、これらの調査手法や機器について、その適用性を十分に検討するとともに、得られたデータの品質や精度を確認し、個々の機器や手法を組み合わせた調査解析システムとして確立していくことを求めている。
 第2次取りまとめでは、地質環境調査の各段階において必要とされる調査項目が整理されており、その調査項目ごとに有効な調査手法や機器が示されている。また、深度1,000mまでの地下水の流動特性及び地球化学特性を精度良く測定できる地下水調査機器や坑道周辺の割れ目の分布や岩盤の物性を効率的に把握するための物理探査手法の高度化等が図られており、地質環境を調査するための基盤的な技術が整備されてきていると判断できる。
B深部地質環境の長期安定性に関する研究
 専門部会報告書では、地震・断層活動、火山・火成活動、隆起・沈降・侵食、気候・海水準変動の天然現象について、我が国における特徴や地質環境への影響を調査研究するとともに、これらを評価するための手法について検討を進めることを求めている。
 第2次取りまとめでは、これまで述べてきたように、各地での事例研究の成果が有効に活用され、我が国における天然現象の特徴や地質環境に及ぼす影響についての知見が着実に蓄積されてきていると判断できる。
C深部地質環境の科学的研究を進めるための主要施設
 専門部会報告書では、「東濃鉱山とその周辺における堆積岩やウラン鉱床を対象とした研究及び釜石鉱山における結晶質岩を対象とした研究を推進するとともに、動燃事業団が新たに瑞浪市に計画している、深度1000メートル程度までの結晶質岩を主体とした地下深部の研究施設を積極的に活用していく。また、堆積岩を対象とした科学的研究を推進するため、動燃事業団が北海道幌延町に計画している貯蔵工学センター内に予定されている深地層試験場20についても、地元及び北海道の協力を得つつ同計画の推進を図ることにより、その活用を目指していく。」と述べている。これらの施設については、「代表的な地質として堆積岩系及び結晶質岩系の双方を対象に、表層から地下深部までの岩石や地下水に関する包括的なデータの取得に努めるとともに、地球科学の各分野における学術的研究によって蓄積された関連情報についても広く収集・整理し、その活用を図っていくことが重要である」と述べている。また、海外の施設を、積極的に研究の場として活用することの重要性を指摘している。


20 貯蔵工学センター内に予定されている深地層試験場:専門部会報告書の作成当時計画されていた「貯蔵工学センター計画」は、平成10年に取りやめて、新たな提案として北海道幌延町における「深地層研究所(仮称)計画」を核燃料サイクル開発機構が北海道及び幌延町に申し入れを行っている。

 第2次取りまとめでは、これまでに実施された東濃鉱山とその周辺における堆積岩やウラン鉱床を対象とした研究及び釜石鉱山における結晶質岩を対象とした研究の成果が、深部地質環境の特性や長期安定性を検討する上で有効に活用されている。また、地質環境調査技術や処分技術の開発に関して、カナダの地下研究施設、スウェーデンの硬岩試験場での試験研究の成果が反映されている。
 東濃地域及び釜石鉱山での調査研究はこれまで精力的に進められており、国際的にも高い研究レベルに到達していると評価できる。また、海外の施設についても積極的に活用されていると評価できる。一方、瑞浪市に計画している超深地層研究所については、結晶質岩を対象に、現在地表からの調査が行われている段階であり、また、堆積岩を対象とした研究施設については、北海道幌延町において新たに深地層研究所(仮称)計画として現在申入れが行われているところであることから、今後これらの施設の円滑な設置が望まれる。

5)我が国の地質環境分野の総評
 第2次取りまとめでは、地質環境の長期安定性について、地下深部の地質環境への天然現象の影響の程度とその範囲についての事例研究の成果が取りまとめられており、これらの成果に基づいて我が国においても地層処分にとって安定な地質環境が存在し得ることが示されていると判断できる。また、地質環境の特性については、地層処分にとって重要な地質環境上の要件が整理されており、それらの要件を調査するために有効な技術及び手法が示されていると判断できる。さらに、深部地質環境の科学的研究の成果は、地層処分研究開発に適切に反映されていると判断できる。

 (2)地層処分の工学技術
 専門部会報告書では、地層処分の工学技術に関しては、安全性を実現するための信頼性の高い人工バリア及び処分施設についての設計要件を提示するとともに、これらが現実的な工学技術によって合理的に構築できることを示すことを目標としている。あわせて、処分場に関する種々の状態や状況について、それぞれの段階において取得すべき情報の内容、計測の方法、所要の措置などを技術的に検討し、処分場の管理に関する技術的基盤を整えることを求めている。すなわち、想定された地質環境を考慮しつつ、現状の技術に基づいて人工バリアや処分施設の設計要件を明らかにするとともに、現実的なデータや解析評価手法を適用して、人工バリアと処分施設を構築できることを示すことを求めている。

1)オーバーパックの設計
 専門部会報告書では、オーバーパックについて、構造やしゃへい性などに関する設計解析を行い、設計要件の検討を進めることを求めている。候補材としては炭素鋼が中心であるが、同時に、チタン及び銅との複合オーバーパックなどの代替案も検討の対象としている。
 第2次取りまとめでは、オーバーパックを含む人工バリアの設計について、我が国の地質環境として想定した結晶質岩に代表される硬岩系岩盤及び堆積岩に代表される軟岩系岩盤を前提として、これまでの試験研究などから得られた知見をもとに検討を行っている。具体的には、設計要件を明らかにした上で、人工バリア設計の進め方を検討し、これに従ってオーバーパックや緩衝材の設計を行っている。
 処分地の特定されていない現時点では、環境条件に応じて柔軟に対応できる人工バリアの設計と性能の評価が必要であり、設計の前提として硬岩系岩盤及び軟岩系岩盤の両方の地質環境を想定して条件の設定が行われていることから、環境条件に応じた人工バリアの設計条件が適切に設定されていると判断できる。
 また、炭素鋼オーバーパックの腐食挙動については、腐食速度など設計に反映することのできる知見は集積されているものと判断できる。
 さらに、炭素鋼以外のオーバーパック材料としてチタン-炭素鋼及び銅-炭素鋼の複合オーバーパックについて検討を行っており、チタン及び銅の腐食挙動の特徴は確認されていると判断できる。

2)オーバーパックの製作・施工技術
 専門部会報告書では、オーバーパックの製作・施工技術について、代替案も含めた複数の方法について、製作・施工技術の開発や溶接部の試験方法等の品質管理手法の検討を行うことを求めている。
 第2次取りまとめでは、オーバーパックの施工法や溶接法について、複数の方法を検討、提案するとともに、炭素鋼オーバーパックについて、現状の技術で信頼できるものを作製できることを試作によって確認しており、溶接部の健全性を確認するための非破壊検査等の品質管理手法に関する検討は十分に行われていると判断できる。

3)緩衝材の設計、製作・施工技術
 専門部会報告書では、緩衝材については、粘土材料を中心とし、工学規模の試験などを通じて、物性評価及び設計要件、並びに施工技術及び品質管理手法について検討を行うことを目標としている。また、緩衝材の材料については、熱伝導性や放射性物質の吸着性を高めるような材料の検討を行うことを求めている。
 第2次取りまとめでは、緩衝材の設計要件として、放射性核種の隔離のための要件及び人工バリアが成立するための要件を検討した上で、緩衝材の仕様例を示すとともに、実際の緩衝材を用いた施工試験等を通じて、緩衝材の製作・施工が現状の技術で対応できることを示している。また、緩衝材の材料については、ベントナイトにケイ砂を混合することによる、熱伝導性等の向上が検討されている。
 緩衝材の設計要件については、放射性核種の移行抑制及びオーバーパックの保護という長期的な安全確保の観点から妥当であると判断できる。設定された緩衝材が、これらの要件を満たすことは、試験及び解析によって評価されており、緩衝材が長期にわたって流出しにくいことなどの結果が得られている。また、緩衝材の検討は、放射性核種の吸着性、施工性、経済性等の観点から総合的に評価が行われており、十分な検討が行われていると判断できる。

4)人工バリアの埋設後の健全性
 専門部会報告書では、人工バリア全体の構造力学的安定性や耐震安定性等の検討を進め、安全確保上、より厳しい状態を想定した振動試験などによる人工バリア健全性確認試験を行うこと、また、人工バリアの開発に当たっては、想定された地質環境に基づき、人工バリアが設置される周辺の地質環境の条件及び人工バリア設置後のニアフィールド環境の変化を十分に考慮することを求めている。
 第2次取りまとめでは、人工バリア埋設後の健全性評価として、熱−水−応力連成解析21による再冠水時の人工バリア挙動、岩盤の長期クリープ22やオーバーパックの腐食膨張を考慮した人工バリアの長期構造力学安定性、人工バリアの耐震安定性、ガス移行の挙動、緩衝材の周辺岩盤内への流出挙動について、実験室規模の試験や工学規模の試験によって検証された評価解析モデルを用いて解析評価を行い、人工バリアの埋設後の健全性が確保されることが示されている。
 これらの評価は、最新の知見に基づいて設定されたデータや解析評価手法、試験手法を適用して行われており、その評価結果も妥当であることから、人工バリアの埋設後の健全性に関する検討は、十分に行われていると判断できる。


21 熱−水−応力連成解析:岩盤や人工バリア内の熱伝導、地下水の流れ、応力・変形の3つの現象の相互作用を評価するため、各現象を表すつり合い方程式を組み合わせて一つの解析として解く方法。
22 クリープ:一定の外力または応力が作用している状態で、時間の経過とともに物質(例えば、緩衝材や岩盤等)が長期にわたって非常にゆっくりと変形していく現象。

5)処分施設の設計
 専門部会報告書では、処分施設に関して、我が国の地質環境に柔軟に対応できる設計要件を提示するための研究を継続して行い、空洞の力学的安定性や緩衝材の熱的安定性などに関する解析手法を示すことを目標としている。
 第2次取りまとめでは、我が国の地質環境として硬岩系及び軟岩系の岩盤を考慮し、現状の技術に基づいて設計要件を明らかにするとともに、数値解析手法による詳細な解析に基づいて、坑道の力学的安定性の検討が行われ、支保工を含めたアクセス坑道、主要坑道、連絡坑道及び処分坑道の仕様が例示されている。さらに、これらの坑道仕様に対し、建設、操業時の耐震安定性について検討し、その安定性が確保されることが示されている。
 また、処分坑道離間距離と廃棄体間隔の組合わせに関する設計の考え方が示され、建設、操業、閉鎖の各作業が独立に並行して実施可能となるような処分場のレイアウトが例示されている。
 以上のように、設計の前提となる地質環境条件等に基づいて、建設・操業・閉鎖を可能とするための考慮すべき設計要件が示されており、この設計要件と一連の設計の考え方の手順が、設計の技術的拠り所となると判断できる。処分場レイアウトの設定については、基本的考え方、考慮すべき事項等を検討した上で、それらに基づいて我が国の硬岩系及び軟岩系岩盤のそれぞれのケースについて、処分場レイアウトの設計例が示されており、空洞の力学的安定性や緩衝材の熱的安定性についても、有限要素法23等の適用実績が多く、妥当な解析手法により詳細に検討・評価されていることから、処分施設の設計に関する検討は十分に行われていると判断できる。

23 有限要素法:解析の対象とする領域を単純な形状をした有限な大きさの要素(有限要素)で分割・細分化し、この有限要素ごとのつり合い方程式を領域全体で重ね合わせて解き、全体の挙動を求める数値解析手法。応力や変形、熱伝導、流体の流れ等の種々の現象を解くために幅広い分野で利用されている。

6)建設、操業技術
 専門部会報告書では、建設、操業技術に関して、立坑や処分坑道の建設技術の検討や、処分坑道への定置技術などの操業システムに関する個々の要素技術の検討を行うことを求めている。
 第2次取りまとめでは、処分場の建設に関して、硬岩系、軟岩系岩盤や坑道方式に応じた掘削技術や施工手順などの検討が行われ、現状の建設技術で対応できることが示されているとともに、建設時に遭遇すると考えられる現象への対策についても網羅性をもって例示されている。また、操業に関しては、搬送・定置作業における遠隔操作設備などの概念が提示され、廃棄体定置までの一連の作業方法の具体例が示されている。
 以上のように、処分場建設に関する具体的検討が行われ、現状の建設技術及びその改良技術で建設可能であることが示されており、建設時に遭遇すると考えられる現象についても従来の経験に基づいてその対策が検討されていることから、建設技術に関する検討は十分行われていると判断できる。また、操業に関する個々の要素技術の具体的検討が行われていることから、現状技術及び近い将来実現すると考えられる技術を用いることにより廃棄体や緩衝材の搬送・定置を行うことができる見通しが得られていると判断できる。

7)閉鎖技術
 専門部会報告書では、閉鎖技術について、材料の開発、設計手法と施工技術の開発、設計要件の検討などを行い、工学規模の試験等によって、その性能を評価していくことを求めている。
 第2次取りまとめでは、埋め戻し材の材料として、調達性・経済性の観点から現地の掘削ずりを基本材料として利用し、これに膨潤性を有するベントナイトを混合したものを候補にあげている。また、坑道の閉鎖に関しては、埋め戻しやプラグの設置等の施工技術についても検討が行われている。
 これらの閉鎖技術に関しては、ベントナイトを充填した区間の透水係数が周囲の岩盤よりも低くなることなどが工学規模の試験結果として得られており、現状技術及び近い将来実現すると考えられる技術を用いて閉鎖を行うことができる見通しが得られていると判断できる。

8)全体スケジュール
 専門部会報告書では、設計・建設・操業・閉鎖等の全体スケジュール、モニタリング技術の検討、所要の資材調達の評価等を考慮した経済的合理性の観点からの検討を行うことを求めている。
 第2次取りまとめで示された全体スケジュールは、上記を考慮した検討結果に基づいたものであり、現段階として妥当な計画であると判断できる。なお、建設、操業期間は長期にわたり、その間に技術も進展することから、地下坑道内の作業の安全性、遠隔操作機械の機能等に関し、技術の進展にともなう採用技術の見直しができるよう全体スケジュールに柔軟性をもたせることが重要である。

9)処分場の管理
 専門部会報告書では、処分場の管理について、処分場に関する種々の状態や状況について、建設、操業、閉鎖のそれぞれの段階において取得すべき情報の内容、計測の方法、所要の措置などを技術的に検討することを求めている。
 第2次取りまとめでは、処分場の管理について、国際的な共通認識を踏まえ、管理の考え方を整理した上で、処分場の建設、操業、閉鎖の各段階で行われる管理の内容を検討し、管理すべき項目が明らかにされている。その上で、これらの管理項目ごとに各作業段階で取得すべき主な情報の内容と計測項目が例示されている。
 これらの管理項目や計測項目については、設計・施工上の品質管理や作業の安全管理、並びに人工バリア・施設周辺の地質環境条件に関するモニタリングについて具体的な項目があげられており、国内外の情報も含めて良く検討されていると判断できる。また、処分場の管理について、現時点で想定できる全体システムに遺漏がないように検討されていると判断できる。
 深地層での空洞掘削等の影響が長期間の安全性へ及ぼす影響については、今後とも計測・観測を継続し、データの蓄積をはかり、品質管理手法の整備を図ることが重要である。

10)各研究開発を進めるための主要施設
@地層処分基盤研究施設等
 専門部会報告書では、実用化を前提とした人工バリア及び処分施設の設計・施工などに必要な技術の信頼性を高めるため、地層処分基盤研究施設などの充実を図り、これを活用した試験研究を行うことを求めている。
 第2次取りまとめでは、地層処分基盤研究施設において得られた、非放射性物質を用いた基本的な試験のデータが用いられている。特にオーバーパック、緩衝材については、実験室規模の試験及び工学規模の試験によって実証的なデータを得るとともに、モデルの検証が行われていることから目標は達成されていると判断できる。
A実規模試験
 専門部会報告書では、処分技術の要素技術に関わる実規模での試験実施について、カナダの地下研究施設、スウェーデンの硬岩試験場等での試験研究に積極的に参加し、その成果を適確に取り込むことを求めている。
 第2次取りまとめでは、海外研究機関との共同研究を実施し、地下試験施設における要素技術の実規模での確認などが行われていることから目標は達成されていると判断できる。

11)地層処分の工学技術分野の総評
 第2次取りまとめでは、地層処分の工学技術に関して、安全性を実現するための信頼性の高い人工バリア及び処分施設についての設計要件を提示するとともに、これらが現状技術及び近い将来実現すると考えられる技術を用いることにより、我が国の地質環境条件を前提として対応できることが個別の要素技術の検討に基づいて示されており、現実的な工学技術によって合理的に処分場を構築できる見通しが得られたと判断できる。また、処分場の管理については、建設、操業、閉鎖の各段階における具体的な管理の内容が十分に検討されており、処分場の管理に関する技術的基礎は整ったものと判断できる。なお、処分場の管理の具体的な対応については、今後の安全規制の検討に委ねられるものである。

 (3)地層処分システムの安全評価
 専門部会報告書では、我が国の地質環境において、ニアフィールドを中心とした処分システムの性能に関し、十分な信頼性をもって評価することを目標としている。我が国の地質環境や現状技術及びその改良による技術を踏まえて、安全評価において考慮すべきシナリオを詳細に検討し、評価モデルの妥当性を高めていくことを求めている。それとともに、信頼性の高いデータを整備し、ニアフィールド性能を中心とした地層処分システムの安全性を評価する手法の整備を求めている。また、我が国の地質環境や現状技術及びその改良による技術を前提条件として地層処分システム全体の安全性を評価し、地層処分の安全性が確保できる見通しを示すことを求めている。

1)安全評価シナリオの作成
 専門部会報告書では、モデルの開発やデータの整備を進めるに当たって、まず、我が国の地質環境やそれに対して適切と考えられる人工バリアなどの設計要件を念頭におき、性能評価において考慮すべきシナリオの範囲とそれらを評価する方法について明らかにすることが重要であるとしている。また、安全評価シナリオを考える上では、放射性核種が地下水によって地上の人間環境に運ばれることを想定する地下水シナリオと廃棄物と人間の物理的距離が接近することによって人間環境に影響が及ぶ可能性を想定する接近シナリオとの2つに分類して検討を行うことが適当であり、地下水シナリオを中心に地層処分システムの安全評価を行うことが適切であるとしている。さらに、これらのシナリオに関連して、地震・断層活動、火山・火成活動、隆起・沈降・侵食、気候・海水準変動の天然現象と処分場への掘削などの人間活動について考慮しておくことが重要であるとしている。
 第2次取りまとめでは、安全評価のためのシナリオ作成に当たっては、重点的な検討対象である地下水シナリオと接近シナリオの2つに大きく分類して検討されている。
 地下水シナリオにおいては、現実的な地質環境のデータと合理的な人工バリア仕様を用いて地層処分システムに期待される性能が将来も継続することを前提とした基本シナリオ体系が構築されている。また、地層処分にとって適切で安定な場所に信頼性の高い処分場を建設することにより、実際には避けられると考えられる事象についても、その影響を考慮することで、シナリオの不確実性へ対応するための変動シナリオ体系が構築されている。これらのシナリオの作成に際しては、地下深部で起こりうる種々の現象の影響が網羅的に考慮される手法が用いられ、シナリオ作成の考え方及び手順が詳細に示されている。基本シナリオ及び変動シナリオ体系が構築されることにより、想定される地層処分システムの将来のふるまいと人間環境への影響について論理的に記述されており、地層処分の安全性を評価するためのシナリオを作成する手法が明らかにされていると判断できる。
 一方、接近シナリオは、天然現象に起因するシナリオと人間侵入シナリオに分けて検討されている。断層活動、火山活動、隆起・侵食といった天然現象に起因するシナリオについては、発生頻度及び蓋然性が高い場所を処分地選定に至るまでの段階でできる限り避けることを前提としているが、念のために著しい隆起・侵食に伴い処分場が地表に近づくことや新たな断層が生じることなどのシナリオが示されている。また、人間侵入シナリオについては、意図的でない人間侵入に関し、ガラス固化体を貫通するボーリングが行われることを想定したシナリオが設定されている。天然現象及び人間侵入による接近シナリオの発生の可能性は非常に小さいと考えられており、ともに現実的な地質環境のデータと合理的な人工バリア仕様を念頭において検討したシナリオの範囲としては適切と判断できる。

2)シナリオに沿った解析評価
 専門部会報告書では、シナリオに沿った安全性に関する解析評価を行う上での方法論として、天然現象及びその影響をいかにシナリオに取り込むかが重要な点としている。また、地層処分の安全評価においては、極めて長期的な現象及びその影響の可能性を論じることから種々の不確定要因を含んでいるため、シナリオの作成と解析に当たっては、十分な安全裕度を見込んで評価することができるように、モデルの前提のたて方やその入力パラメータの選定に十分に留意する必要があるとしている。
 第2次取りまとめでは、地下水シナリオ及び接近シナリオに関して、シナリオに基づいた線量評価が行われている。地下水シナリオの解析評価に当たっては、可能性の非常に低い事象についても、仮に事象が起こったことを想定する決定論的手法で対応している。
 まず、地下水シナリオの解析に当たっては、我が国の深部地質環境特性に関するデータとそれを踏まえて設計された人工バリア仕様にもとづいて、地層処分システムに期待される性能が継続することを前提とした解析と、データ及びモデルの不確かさを考慮した感度解析により、基本シナリオ体系における線量評価結果の変動幅が示されている。さらに、地層処分にとって適切で安定な場所に信頼性の高い処分場を建設することにより、実際には避けられると考えられる事象についても、その影響を考慮した線量評価例として、変動シナリオ体系における地質環境の変化やオーバーパックの初期欠陥、あるいは将来の人間活動が与える影響などを考慮した感度解析が行われている。変動シナリオ体系の解析においては、処分地選定で排除することを前提とした隆起が著しい場所において、隆起速度や処分場の深度を考慮した解析が行われている。その結果、諸外国の防護目標値や我が国の自然放射線レベルを超えることはないとの結論が示されている。
 一方、接近シナリオはいずれも処分地選定までの各段階での調査あるいは適切な設計要件を満足した地層処分システムの構築によって避けられることが示されている。その上で、天然現象に起因する接近シナリオについては、急激かつ局所的な天然現象と緩慢かつ広域的な現象それぞれに関し、影響範囲や程度を推定する解析が行われている。例えば、処分地選定で排除することを前提とした隆起が著しい場所において廃棄物が地表へ徐々に接近することを想定した解析や新たな断層が生じた場合の影響についての検討などが行われている。また、人間侵入に対する評価において、例示的に、意図的でない人間侵入に関し、ガラス固化体を貫通するボーリングが行われることを想定し、発生確率を考慮した検討が行われている。
 以上のように、重点的な検討対象である地下水シナリオの解析評価に加えて、処分地選定に至るまでの調査等により避けることができる接近シナリオも検討されていると判断できる。また、解析の結果、地下水シナリオは線量の最大値は諸外国で提案されている防護目標を下回る見通しが得られており、接近シナリオは事象が発生したとしてもその確率が小さいこと、天然の放射線レベルに著しい影響を与えないことが示されている。したがって、我が国の地質環境や現状技術を前提条件として、シナリオに沿った地層処分システムの安全性を評価する手法が整備されており、かつ解析評価の結果から地層処分の安全性が確保できる見通しが示されていると判断できる。

3)ニアフィールド性能評価モデル
 専門部会報告書では、シナリオ研究で明らかにされるシナリオに沿った解析を信頼性をもって行うことができるよう、個々のモデルの妥当性を高めることを目標としている。
@ニアフィールド環境の研究
 第2次取りまとめでは、地層中などにおける地下水の流れ方(地下水流動)に関しては、ニアフィールド岩盤における亀裂の不均質性を考慮した地下水移行経路を表現できる亀裂ネットワークモデルが開発されており、放射性核種の移行を計算する際に用いられている一次元亀裂モデルを重ね合わせた簡易なモデルで解析した結果と亀裂ネットワークモデルで解析した結果との比較により、簡易モデルの妥当性が示されている。
 地球化学特性に関しては、地下水の化学的特性を支配すると考えられる重要な化学反応について熱力学データに基づいた平衡論的評価の基本的考え方が体系化されており、現時点で地層処分の安全評価に用いることができる手法が示されている。
 また、長期間にわたって徐々に進む反応を考慮した速度論的な評価については、適用できる知見及びデータ自体が不十分であり、解析の信頼性が現時点では不十分であることを踏まえて、平衡論的評価を補完する意味で検討が行われている。
 人工バリア内における化学反応による地下水組成の変化と化学的な緩衝作用が有効に作用する期間並びに人工バリア近傍の地層又は岩盤に緩衝作用が及ぶ範囲とその程度については、基本的なモデルが確立されている。緩衝材が地下水で飽和されるまでの緩衝材の応力-ひずみ、近傍の地層又は岩盤が人工バリアに及ぼす力学的な影響及び処分場の建設・操業期間や閉鎖直後の不飽和状態における坑道周辺の地下水の化学的条件の変化については、地層処分の工学技術との関連において検討されている。
A人工バリアの性状変化
 第2次取りまとめでは、オーバーパックについては、炭素鋼の腐食モデルが検討されている。また、安全評価に当たっては、オーバーパックの破損時期が、設計仕様である1000年間経過後という想定より長くなる場合も想定して解析が行われており、オーバーパックの健全性の裕度については十分に検討されている。チタン、銅などの代替材料についても、腐食評価が行われており、安全評価においては、オーバーパックの寿命を変動させて解析しており、炭素鋼と同様な検討が行われている。
 緩衝材への熱的、化学的な影響に関しては、ベントナイトのカルシウム型化24等の変質が考慮されており、緩衝材の性能に与える影響について、安全評価の観点からの重要性が検討されている。
 さらに、緩衝材とオーバーパックとの力学的な相互作用及びオーバーパック腐食に伴って発生する生成物による緩衝材への力学的な影響については、安全評価の観点からは詳細に検討されている。また、地下水による緩衝材の侵食については、試験データに基づき、簡易なモデル化を行い、解析する方法により基本的な検討は行われており、その影響が小さいことが明らかにされている。


24 カルシウム型化:ベントナイトの主要構成成分であるスメクタイトのナトリウムイオンが地下水中のカルシウムイオンと置換すること。

B物質移動
 第2次取りまとめでは、実際よりも物質が移動しやすくなるモデルで解析されている。例えば、掘削の影響が及ぶ領域での物質移動について収着による物質移動の遅延現象を見込まないモデル、岩盤中の物質移行について空隙構造の不均質性を簡略化したモデルが適用されており、岩盤の空隙が変質鉱物で充填されて物質が移行しにくくなることは考慮せずに解析されている。
 オーバーパックの腐食に伴い発生するガスの移行については、現時点で適用可能な移行モデルによる解析結果から、地層処分システムへの影響は無視できるほど小さいと判断されている。地下水中でのコロイドの生成・移行については、放射性核種がコロイドに可逆的に収着して移動する現象を考慮したモデルを用いた解析・評価が行われており、コロイドの影響は小さいことが示されている。
 さらに、有機物や微生物の存在が放射性核種の移行に及ぼす影響については、既往の研究の調査・検討が行われ、現状の知見に基づく影響の推定が行われている。また、場所が決まった段階での研究の重要性についても言及されている。

 第2次取りまとめでは、岩盤の亀裂の不均質性を考慮した地下水の流れ、地下水の化学特性を熱力学データと平衡論により考慮した地球化学特性、力学的な影響及び熱的・化学的な影響を考慮した人工バリアの性状の変化、掘削の影響や岩盤の空隙構造の不均質性を考慮した物質移動などニアフィールド性能評価の主要なモデルに関して、現時点で適用可能な現象のモデル化及びモデルを用いた解析・評価が行われており、解析結果と実験結果に基づいてモデルの妥当性が確認されるなど、個々のモデルの信頼性を高めるための検討が行われていると判断できる。

4)データベースの構築
 専門部会報告書では、解析モデルを用いて信頼性の高いニアフィールド性能評価を実施するためには、人工バリア及び天然バリアについて信頼度の高いデータを整備し、その品質保証を行っていくことが必要としており、これらのデータについては、データベースとして体系化していくことが重要であるとしている。
 第2次取りまとめでは、文献調査及びオーバーパックの長期にわたる腐食速度についての研究成果に基づきデータの整理が行われている。緩衝材の長期的な変形に関するデータ及び緩衝材に含まれる鉱物に関する熱力学データについては評価に必要なデータが整備されている。人工バリア近傍の物質移動に関わる岩盤の亀裂特性に関するデータは、釜石鉱山の例や文献調査を中心に整備されている。また、ガラスの長期にわたる溶解速度については、安全評価に必要なデータが、諸外国のデータと整合を取りつつ整備されている。
 放射性物質の溶解度については、最新の知見に基づく熱力学データが整備されている。放射性核種の緩衝材及び岩石への分配係数については、多くの研究成果の調査・検討に基づいたデータの選定が行われており、岩石の多様性、緩衝材間隙水などの長期変質、データの不確かさなどを考慮した上で整備されている。
 以上のように、これまでの研究成果に基づき、信頼性の高い性能評価を実施するために、ガラス固化体、オーバーパック、緩衝材、岩盤について信頼度の高いデータを整備し、その品質保証を行うとともに、データベースとして体系化するためデータの整理が行われており、場所が特定されていない現段階において考慮すべきシナリオに応じた安全評価に必要なデータが整備されていると判断できる。

5)地層処分システムの評価解析
 専門部会報告書では、ニアフィールドの性能評価のための種々のモデルを適切に統合し、ファーフィールド25や人間環境(生物圏)での放射性物質の移行モデルなどと接続することによって、地層処分システム全体の安全性を解析できるモデル体系を構築することを求めている。また、ファーフィールドについては、ニアフィールドにより確保される安全性をさらに確かなものとするために研究を進め、その評価を行うことを求めている。


25 ファーフィールド:ニアフィールドより外側に位置し、処分による影響を直接受けない地層などの領域。


 第2次取りまとめでは、上述のようにモデルの妥当性が確認されたニアフィールド評価モデル及びファーフィールド評価モデル並びに生物圏評価モデルがそれぞれ構築されており、これらを適切に接続することによって、地層処分システム全体の安全性を解析できるモデル体系が構築されているものと判断できる。
 評価解析に当たっては、地下深部の現象の影響を考慮して、上記で構築されたモデル体系と文献調査や研究成果に基づき整備されたデータを用いて、シナリオ、モデルの前提及びデータの不確かさを考慮した解析が実施されており、場所を限定しない現段階においては、地層処分システム全体の解析が十分行われていると判断できる。
 地圏と生物圏の接続部として選定した河川については、流量の変化による解析結果への影響の大きさが検討されるとともに、井戸水を直接利用するといった幅広いシナリオが考慮されており、十分な解析評価が行われていると判断できる。
 個々のモデルの信頼性については、様々な入力データの変化が解析結果に及ぼす影響の大きさを解析することにより、解析結果の変動幅が検討され、モデルの簡略化を行った結果の妥当性が確認されていること、さらにはモデルの妥当性について国際的な検証/確証プロジェクトによる確認が行われていることから、モデルの信頼性が確保されていると判断できる。計算コードの信頼性については、他機関の計算コードを用いた計算結果との比較による計算機能の検証、解析作業の信頼性とデータの追跡性を保証するための管理システムの構築が行われており、解析に係る信頼性は確保されていると判断できる。

6)ナチュラルアナログ研究の適用
 専門部会報告書では、システム全体の性能評価の信頼性を高める上で、シナリオ、モデル及びデータについて、その妥当性を補足的に示す方法として、ナチュラルアナログ研究の一層の充実を図る必要があるとしている。
 第2次取りまとめでは、ナチュラルアナログ研究について、東濃ウラン鉱床、オクロ鉱床、クンガラ鉱床で実施された研究事例に基づき、鉱物中にウラン等が長期間にわたって保持されていることが示されている。
 火山ガラスの溶出挙動に関する研究としては、火山ガラスによるガラスの耐食性の間接的な検証が既往の研究の調査・検討を通して行われている。金属の考古学的出土品などにおける腐食履歴の解析及び淡水性粘土中の鋳鉄管の調査事例などから、オーバーパックの腐食を評価するために現在用いられている手法が実際よりも腐食が進みやすい結果となる手法であることが示されている。ベントナイト鉱床を利用したナチュラルアナログ研究については、既往の研究の調査・検討とその整理が行われており、変質の起こりにくさについての知見が得られている。
 以上のように、既往の研究のレビューとその整理が行われ、安全評価で考慮した現象を理解するための支援的な研究事例として活用されていると判断できる。

7)地層処分システムの安全評価に関わる期間
 専門部会報告書では、人間環境の長期にわたる変化、地質環境の長期にわたる安定性、放射線源としての高レベル放射性廃棄物の特性を考慮しつつ線量の評価を行うことが重要であり、評価期間に関する時間スケールについては特に限定せず現在の人々との対比において人間への影響が最大となる時間やその期間がわかるように評価しておくことが適切であるとしている。
 第2次取りまとめでは、評価期間を限定せずに、人間への影響が最大になる時期、期間及びその線量が評価されている。
 地質環境の予測の不確かさが増す将来10万年以降の安全評価の考え方については、地質環境が変動することを想定した地下水シナリオを設定して評価を行い、地質環境の将来挙動に係わる不確かさの影響が定性的/定量的に検討されている。その結果、現時点で想定される将来起こり得る地質環境の変動の幅を考慮しても、評価結果は諸外国で提案されている防護レベルを下回る見通しが示されている。
 接近シナリオとしては、処分地選定に至るまでの段階の調査などにより避けることができることが示されているが、念のために想定したシナリオに基づき、断層活動、火山活動、隆起・侵食について評価の考え方が示されている。それらの事象の発生確率や人間環境への影響の程度を考慮すると、地質環境の大きな変動が起こったとしても天然の放射線レベルに著しい影響を与えないことが例示的に示されている。
 これらの検討結果から、10万年を超える長期にわたる安全評価の手法、安全確保の在り方について、一つの考え方が提示されたものと判断できる。

8)安全評価指標の設定の考え方
 専門部会報告書では、安全評価の指標として、放射線量を基本とすることとし、それに対応する基準については、諸外国の基準を参照として評価しておくことが適当であるとしている。また、長期については、将来の人間環境の予測の困難さを考慮し、天然の放射線レベルに有意な影響のないことを確認するため補完的な解析結果を併せて示すことが適当としている。
 第2次取りまとめでは、安全評価の指標として線量を基本とした評価を行っており、諸外国の基準を参照するとともに、諸外国における評価結果との比較が行われていると判断できる。
 また、将来の人間環境の予測の困難さを考慮し、河川中に存在する天然の放射性核種濃度などを補完的な安全指標として、評価結果と比較が行われている。その結果、天然の放射線レベルに有意な影響を及ぼさないことが確認されており、長期にわたる評価における安全指標について、線量による評価結果を補完する考え方が提示されたものと判断できる。

9)地層処分システムの安全評価分野の総評
 第2次取りまとめでは、地下水シナリオを中心とした地層処分システムの安全評価を行っており、地層処分の安全評価における中心的なシナリオを作成するという目標に到達しているものと判断できる。また、発生の可能性が小さいシナリオに対しても、一般に地質が複雑で、地殻変動が活発であるといった我が国の地質環境や現状技術を前提条件としてニアフィールド性能を中心に地層処分システムの安全性を評価する手法が整備されており、かつ解析評価の結果から地層処分の安全性が確保できる見通しが得られているものと判断できる。

 

今後の取組に当たって

 第2次取りまとめに示された、我が国における高レベル放射性廃棄物の地層処分の研究開発成果については、専門部会報告書で示した技術的重点課題等が適切に達成され、その技術的信頼性が示されている。
 核燃料サイクル開発機構等の関係機関においては、本報告書の評価結果に基づき、密接な協力の下に、効率的に研究開発を推進することが期待される。研究開発を効率的に実施していくためには、引き続き、諸外国との国際協力を積極的に進めることも重要である。
 高レベル放射性廃棄物地層処分の実施主体においては、核燃料サイクル開発機構等の関係研究機関における研究開発の成果を活用しつつ、本報告書を参考として地層処分の実施に向けて取り組むことが期待される。また、これまでの研究開発の成果は、関係研究機関から、実施主体に対し適切に移転されることが望まれる。
 本報告書に示した通り、第2次取りまとめにおいて地層処分の技術的信頼性が示されていると評価するが、高レベル放射性廃棄物の地層処分は、国民の理解と信頼を得つつ進められていくべきものであり、引き続き、第2次取りまとめの成果を踏まえた技術開発課題への取組や基礎的な研究開発の継続などを通じて地層処分の技術的信頼性をさらに向上することに努めることが重要である。
 例えば、地質環境の調査について、地層処分にとって重要な地質環境上の要件を調査するための技術及び手法が示されており、今後行われる処分地選定に当たっては、各段階において、地層処分の工学技術及び地層処分システムの安全評価と関連付けた、地表から地下深部までの調査の体系化を図ることが重要である。また、深地層の研究施設等を活用して深部地質環境の特性に関するデータを引き続き蓄積することも重要である。その際には、地球科学や土木工学などの関連分野における技術の進展に留意し、最新技術の導入を図っていくことが重要である。また、地球科学分野の最新の研究成果を踏まえ、適宜知見を反映していくことが望まれる。
 地層処分の工学技術については、現実的な工学技術によって合理的に処分場を構築できる見通しが得られており、処分場の建設に向けて信頼性をさらに向上するために、オーバーパックの腐食や緩衝材の変質に関する詳細な研究や溶接部の信頼性を確保するための検査技術についての検討の具体化が期待される。建設・操業・閉鎖技術については、地下深部で適用できることを確認するため、処分孔の掘削、廃棄体や緩衝材の遠隔操作を含む搬送、定置作業などについて、深地層の研究施設や選定された処分地における実規模試験での実証を行うことが重要である。また、建設・操業時の地下水や地層の力学的挙動等に関する計測・観測システムの構築も、地質環境の調査技術との連携で検討すべき事項の一つである。
 地層処分システムの安全評価については、安全性を評価する手法が整備されているとともに解析評価の結果から地層処分の安全性が確保できる見通しが得られており、今後、安全基準等の策定が行われることに備え、評価結果の信頼性をさらに向上させるために、安全評価に用いるデータの蓄積に努めること、発生しにくいシナリオを排除する根拠を明確にする取組を継続すること、確率論的な安全評価手法を用いたリスク評価についても検討することが重要である。評価解析に当たっては、解析結果の信頼性向上のため、地質環境調査等で得られた各データ間の相関や入力値のばらつきの評価結果への影響等の詳細な検討、地層処分の各段階において、実測値との比較による信頼性の確認及び実際の場所の特性を精度良く再現できるモデルの確立等が望まれる。
 なお、前述の通り、地層処分を進める上で、技術的安全性に関する社会の理解と信頼は欠かせない。地層処分の基本概念は、再取り出しを意図せずに廃棄物を安全に埋設することとされているが、再取り出しなどに関し国際的に議論されていることについて留意しておく必要がある。
 最後に、研究開発成果については、分かりやすく公表するなど、技術的な観点から透明性を確保することが重要である。このため、本報告書により高レベル放射性廃棄物の地層処分の技術的信頼性について総合的な評価が示されたことを踏まえて、国は、更に分かりやすい情報の提供を行うことが必要である。

 


添 付 資 料

「高レベル放射性廃棄物処分に向けての基本的考え方について」(平成10年5月29日 原子力委員会高レベル放射性廃棄物懇談会)より抜粋

国際ワークショップ―わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分における技術的信頼性について―の開催結果について

原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画抜粋(原子力委員会平成6年6月24日)


《原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画抜粋
             (原子力委員会平成6年6月24日)》

7.バックエンド対策
(1)放射性廃棄物の処理処分

(略)

 Bサイクル廃棄物の処理処分

 再処理施設や燃料加工施設などの核燃料サイクル関連施設から発生する放射性廃棄物(以下「サイクル廃棄物」といいます。)は、再処理施設において使用済燃料から分離される高レベル放射性廃棄物、再処理施設やMOX燃料加工施設から発生する超ウラン(TRU)核種を含む放射性廃棄物、ウラン燃料加工施設やウラン濃縮施設から発生するウラン廃棄物に大別されます。
 (イ)高レベル放射性廃棄物の処理処分
 高レベル放射性廃棄物は、安定な形態に固化した後、30年間から50年間程度冷却のための貯蔵を行い、その後、地下の深い地層中に処分すること(以下「地層処分」といいます。)を基本的な方針とします。高レベル放射性廃棄物の処分方策を進めていくに当たっては、国は、処分が適切かつ確実に行われることに対して責任を負うとともに、処分の円滑な推進のために必要な施策を策定します。また、動力炉・核燃料開発事業団は、当面、研究開発や地質環境調査の着実な推進を図ります。電気事業者は、処分に必要な資金の確保のみならず、研究開発の段階においても、高レベル放射性廃棄物の発生に密接に関連する者としての責任を十分踏まえた役割を果たすこととします。
 処分事業の実施主体については、処分場の建設スケジュールを考慮し、2000年を目安にその設立を図っていくことが適当であり、高レベル放射性廃棄物対策推進協議会(国、電気事業者及び動力炉・核燃料開発事業団により構成される)の下に設けられた高レベル事業推進準備会において、実施主体の在り方についての検討やその設立に向けた準備を進めていきます。
地層処分については概ね以下の手順で進めることとします。
 1)実施主体は、地層処分の候補地として適切と思われる地点について予備的に調査を行い、処分予定地を選定し、国は、立地の円滑化を図る観点から必要な措置を講ずるため、その選定の結果を確認します。ただし、その地点を処分予定地とするに当たって、実施主体は地元にその趣旨を十分に説明し、その了承を得ておくものとします。
 2)次に実施主体は、実際の処分地としての適性を判断するため、処分予定地において地下施設による所要のサイト特性調査と処分技術の実証を行います。
 3)実施主体は処分地として適当と判断すれば、処分場の設計を行い、処分に係る事業の申請を行いますが、国は、処分に係る事業を許可するに当たり、必要な法制度等の整備を図るとともに安全審査を行います。
 処分場の建設・操業の計画は、処分場建設に至るまでに要する期間や再処理計画の進展などの今後の原子力開発利用の状況等を総合的に判断して、2030年代から遅くとも2040年代半ばまでの操業開始を目途とします。
 処分に必要な資金の確保については、処分費用の範囲、処分費用の概算、資金確保の方法などの具体的検討を進め、早急に合理的な費用の見積りを行うこととします。
 地層処分の研究開発は、国の重要プロジェクトとして、動力炉・核燃料開発事業団を中核推進機関として関係機関が協力して進めていくこととします。研究開発は、当面、対象とすべき地質環境を幅広く想定し、地層処分を行うシステムの性能評価研究、処分技術の研究開発、地質環境条件の調査研究等の各分野において引き続き進めるほか、地層処分研究開発の基盤となる深部地質環境の科学的研究を着実に進めることとします。
 深地層の研究施設は、深地層の環境条件として考慮されるべき特性等の正確な把握や地層処分を行うシステムの性能を評価するモデルの信頼性向上等地層処分研究に共通の研究基盤となる施設であり、我が国における深地層についての学術的研究にも寄与できる総合的な研究の場として整備していくことが重要です。また、このような施設は、我が国の地質の特性等を考慮して複数の設置が望まれます。さらに深地層の研究施設の計画は、研究開発の成果、特に深部地質環境の科学的研究の成果を基盤として進めることが重要であり、その計画は処分場の計画とは明確に区別して進めていきます。
 動力炉・核燃料開発事業団が北海道幌延町で計画している貯蔵工学センター注)については、地元及び北海道の理解と協力を得てその推進を図っていきます。
 研究開発においては、国民の理解を得ていくためにもその進捗状況や成果を適切な時期に取りまとめ、研究開発の到達度を明確にしていくこととします。このため、動力炉・核燃料開発事業団は、2000年前までに予定している研究開発の成果の取りまとめを行い、これを公表するとともに、国はその報告を受け、我が国における地層処分の技術的信頼性等を評価します。
 なお、高レベル放射性廃棄物の資源化と処分に伴う環境への負荷の低減の観点から将来の技術として注目されている核種分離・消滅処理技術に係る研究開発については、当面、日本原子力研究所、動力炉・核燃料開発事業団等が協力して基礎的な研究開発を計画的に推進することとし、1990年代後半を目途に各技術を評価し、それ以降の進め方について検討していくこととします。


注) 貯蔵工学センター:当時計画されていた「貯蔵工学センター計画」は、平成10年に取りやめて、新たな提案として北海道幌延町における「深地層研究所(仮称)計画」を核燃料サイクル開発機構が北海道及び幌延町に申し入れを行っている。

 


技術報告書「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性」の報告を受けて

平成11年11月30日
原 子 力 委 員 会

 去る11月26日、核燃料サイクル開発機構から報告書「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性 ―地層処分研究開発第2次取りまとめ―」(以下「第2次取りまとめ」という。)が提出されました。当委員会では、この報告書について審議を行い、以下の見解をとりまとめました。

1.第2次取りまとめは、「高レベル放射性廃棄物の地層処分研究開発等の今後の進め方について」(平成9年4月15日原子力バックエンド対策専門部会)(以下「専門部会報告書」という。)にも示されているように、わが国における地層処分の技術的信頼性を示すとともに、処分予定地選定及び安全基準の策定に資する技術的拠り所を与える重要なものです。

2.これまで、総合エネルギー調査会原子力部会では実施主体のあり方、資金確保策などの処分事業の制度化についての検討が行われ、また原子力安全委員会では安全確保の基本的考え方についての検討が行われており、高レベル放射性廃棄物処分に係る取組みが各方面で推進されています。このような状況下で、第2次取りまとめが作成されたことは、高レベル放射性廃棄物処分対策を進める上で誠に意義深いと考えます。

3.「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」(平成6年6月24日原子力委員会)及び専門部会報告書では、第2次取りまとめは国の評価を受けることとされています。今後、原子力バックエンド対策専門部会において、適切な評価を行います。

4.高レベル放射性廃棄物処分を進めるためには、処分についての議論が広く国民各界各層で行われることが不可欠です。関係機関においては、第2次取りまとめの内容をはじめ処分への取組みについてわかりやすく説明することにより、国民の皆様方での議論が活発に行われ、高レベル放射性廃棄物処分についての理解が深まるよう努めてください。


原子力バックエンド対策専門部会の設置について

平成7年9月12日
原子力委員会決定

1.目的
 今後の原子力開発利用を円滑に進めていくためには、平成6年6月に原子力委員会が定めた「原子力の研究、開発及び利用に関する長期計画」に基づき、社会的理解を得てバックエンド対策を推進していくことが重要であり、原子力開発利用の長期的見通しも背景に据えつつ、バックエンド対策を推進していく具体的な方策について調査審議するため、原子力バックエンド対策専門部会(以下、「専門部会」という。)を設置する。
 なお、放射性廃棄物対策専門部会は廃止する。

2.審議事項
(1)高レベル放射性廃棄物の処理処分に係る技術的事項
(2)TRU核種を含む放射性廃棄物の処理処分に関する事項
(3)ウラン廃棄物の処理処分に関する事項
(4)RI廃棄物及び研究所等廃棄物の処理処分に関する事項 (5)原子力施設の廃止措置に関する事項
(6)その他、原子力バックエンド対策に関する重要事項

3.構成員
 別紙のとおりとする。

4.その他
 専門部会の下に、必要に応じて、分科会を置くものとする。また、専門部会は、必要に応じ、専門部会構成員以外の者からの意見を聞き、あるいは、報告を受けるものとする。


 

原子力バックエンド対策専門部会構成員

(第25回以降)

   秋元 勇巳  三菱マテリアル株式会社取締役社長
   阿部 元祐  社団法人日本原子力産業会議参与(第32回まで)
   石塚 昶雄  社団法人日本原子力産業会議理事・事務局長(第33回〜)
   石榑 顕吉  埼玉工業大学教授
   一政 満子  茨城大学教授
   大桃洋一郎  財団法人環境科学技術研究所専務理事
   岡芳  明  東京大学教授
   川人 武樹  財団法人原子力環境整備センター理事長
   神田 啓治  京都大学教授
   草間 朋子  大分看護科学大学長
部会長  熊谷 信昭  大阪大学名誉教授
   小島 圭二  地圏空間研究所代表
   小西  攻  社団法人日本放送協会考査室主査
   齋藤 伸三  日本原子力研究所副理事長
   佐々木史郎  日本原燃株式会社技術顧問
   佐藤 壮郎  通商産業省工業技術院長(第25回まで)
   小玉喜三郎  通商産業省工業技術院地質調査所長(第26回〜)
   鈴木 篤之  東京大学教授
   関本  博  東京工業大学教授
   田中  知  東京大学教授
   田中 靖政  学習院大学教授
   徳山  明  富士常葉大学長
   鳥井 弘之  株式会社日本経済新聞社論説委員
   中神 靖雄  核燃料サイクル開発機構副理事長
   永倉  正  財団法人電力中央研究所名誉特別顧問
   東  邦夫  京都大学教授
   藤岡 淳介  社団法人日本アイソトープ協会常務理事
   前田  肇  電気事業連合会原子力開発対策委員会委員長
   松田美夜子  生活環境評論家(廃棄物問題とリサイクル)
   森山 裕丈  京都大学教授
   山内 喜明  弁護士

開催日
 第25回 平成11年 9月30日(木)
 第26回 平成11年11月 5日(金)
 第27回 平成11年11月30日(火)
 第28回 平成12年 3月 8日(水)
 第29回 平成12年 3月23日(木)
 第30回 平成12年 5月25日(木)
 第31回 平成12年 6月26日(月)
 第32回 平成12年 7月13日(木)
 第33回 平成12年 8月29日(火)
 第34回 平成12年 9月26日(火)
 第35回 平成12年10月11日(水)

 


地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会の設置について

平成11年9月30日
原子力バックエンド対策専門部会

1.設置の目的
 原子力バックエンド対策専門部会における、地層処分研究開発第2次取りまとめの評価に係る審議に資するため、「地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会」を設置する。

2.分科会の構成員
 原子力バックエンド対策専門部会長が、別途指名する。

3.その他
 審議の参考に資するため、必要に応じ、当該研究開発に携わった者の出席を求める。
地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会は、その検討状況を適宜原子力バックエンド対策専門部会に報告するものとする。

 

地層処分研究開発第2次取りまとめ評価分科会構成員

 出光 一哉  九州大学大学院工学研究科助教授
 大橋 弘士  北海道大学大学院工学研究科教授
 小川勇二郎  筑波大学地球科学系教授
 金折 裕司  山口大学理学部化学・地球科学科教授
 金川  忠  財団法人電力中央研究所バックエンドプロジェクト上席研究員(〜4回)
 久保川俊彦  株式会社野村総合研究所情報技術調査室長
(主査)小島 圭二  地圏空間研究所代表
 鹿園 直建  慶應義塾大学理工学部応用化学科教授
 柴田 俊夫  大阪大学大学院工学研究科教授
 妹尾 宗明  日本原子力研究所安全管理室放射性廃棄物対策推進室長
 高橋 正樹  茨城大学理学部地球生命環境科学科教授
 田代 晋吾  元財団法人原子力環境整備センター理事
 千木良雅弘  京都大学防災研究所教授
 塚本 政樹  財団法人電力中央研究所原燃サイクル部上席研究員
 中野 政詩  神戸大学農学部生産環境情報学科教授
 長崎 晋也  東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授
(副主査) 東  邦夫  京都大学大学院工学研究科教授
 東原 紘道  東京大学地震研究所教授
 福井 正美  京都大学原子炉実験所助教授
 山崎 晴雄  東京都立大学大学院理学研究科教授
 山本 一良  名古屋大学大学院工学研究科教授
 鷲田 清一  大阪大学大学院文学研究科教授
 渡辺 邦夫  埼玉大学大学院理工学研究科教授

開催日
 第1回 平成11年12月15日(水)  第 9回 平成12年 9月20日(水
 第2回 平成12年 2月 7日(月)  第10回 平成12年10月 4日(水)
 第3回 平成12年 2月24日(木)
 第4回 平成12年 3月13日(月)
 第5回 平成12年 4月21日(金)
 第6回 平成12年 5月30日(火)
 第7回 平成12年 6月13日(火)
 第8回 平成12年 7月 4日(火)

 なお、以上の他に、関係分科会委員がサブグループを設け検討した。

<地質環境・評価サブグループ>
○構成員
 小川勇二郎  筑波大学地球科学系教授
 金折 裕司  山口大学理学部化学・地球科学科教授
(主査) 鹿園 直建  慶應義塾大学理工学部応用化学科教授
 高橋 正樹  茨城大学理学部地球生命環境科学科教授
 田代 晋吾  元財団法人原子力環境整備センター理事
 千木良雅弘  京都大学防災研究所教授
 山崎 晴雄  東京都立大学大学院理学研究科教授

○開催日
 第1回 平成12年 1月13日(木)
 第2回 平成12年 1月20日(木)
 第3回 平成12年 2月21日(月)
 第4回 平成12年 3月 8日(水)
 第5回 平成12年 5月12日(金)

<処分技術・評価サブグループ>
○構成員
 金川  忠  財団法人電力中央研究所バックエンドプロジェクト上席研究員(〜3回)
(主査) 小島 圭二  地圏空間研究所代表
 柴田 俊夫  大阪大学大学院工学研究科教授
 妹尾 宗明  日本原子力研究所安全管理室放射性廃棄物対策推進室長
 中野 政詩  神戸大学農学部生産環境情報学科教授
 東原 紘道  東京大学地震研究所教授
 渡辺 邦夫  埼玉大学大学院理工学研究科教授

○開催日
 第1回 平成12年 1月18日(火)
 第2回 平成12年 1月24日(月)
 第3回 平成12年 3月 6日(月)
 第4回 平成12年 5月16日(火)

<安全性・評価サブグループ>
○構成員
 出光 一哉  九州大学大学院工学研究科助教授
(主査)大橋 弘士  北海道大学大学院工学研究科教授
 塚本 政樹  財団法人電力中央研究所原燃サイクル部上席研究員
 長崎 晋也  東京大学大学院新領域創成科学研究科助教授
 東  邦夫  京都大学大学院工学研究科教授
 福井 正美  京都大学原子炉実験所助教授
 山本 一良  名古屋大学大学院工学研究科教授

○開催日
 第1回 平成12年 1月24日(月)
 第2回 平成12年 2月21日(月)
 第3回 平成12年 3月 9日(木)
 第4回 平成12年 5月18日(木)