第62回原子力委員会定例会議議事録(案)

 

1.日 時
 
2000年10月10日(火)10:30〜11:00
2.場 所
 
委員会会議室
3.出席者
  (事務局等)
 
遠藤委員長代理、依田委員、木元委員
科学技術庁
原子力局
 中澤局長
 小中審議官
 原子力調査室 伊藤室長、山越、小室
 核燃料課 坪井課長、芝野
日本原燃株式会社 根岸副社長、百々ウラン濃縮部長
吉舗専門委員

4.議 題
(1)六ヶ所ウラン濃縮事業における今後の進め方について
(2)その他

5.配布資料
資料1 ウラン濃縮事業について
資料2 第61回原子力委員会臨時会議議事録(案)

6.審議事項
(1)六ヶ所ウラン濃縮事業における今後の進め方について
標記の件について、日本原燃株式会社から資料1に基づき説明があった。これに対し、
  • 濃縮の計画変更によって今後の政策や他の事業への影響をどう評価しているか。新型機種の導入にも時間がかかるし、今まである機種も継続して運転を続けるとなると、当初予定していたスケジュールに開きが出てくると思うがどうか。
    (日本原燃株式会社)計画の遅れが様々な方面に影響を与えていることを反省している。基本的にはスケジュールの遅れだけにとどめ、技術の面でリカバーし、各方面に迷惑がかからないよう濃縮事業をきちんと進めていきたい。
  • ウラン開発センターの人的資源について十分な配慮が必要と考えるかどうか。
    (日本原燃株式会社)今までは、複数の機関にまたがった開発の仕組みをとってきたことが一つの反省点であった。今後は、開発から製造の過程を一つの体制で行っていくことによって、これまでの反省に立ち対応していきたい。
  • 遠心分離機(高度化機)の機種変更によって、1500tSUW/年規模に到達するのがどのくらい遅れるのか。
    (日本原燃株式会社)2年前は平成16年度から導入を進め、平成18年度には目標に到達する予定だったが、現在は、平成22年度から導入を開始し、10年後に目標に到達する予定である。
  • フランスのCOGEMAが技術導入を検討しているのは高度化機のことなのか。
    (日本原燃株式会社)高度化機の前に開発していた遠心分離機を対象に検討しているものと承知している。
  • 古いものを導入するというのはどういう意図からか。
    (日本原燃株式会社)COGEMAは遠心分離機の経験がないので使いやすい技術から検討していこうとしているのではないか。
  • 世界全体でウラン濃縮の供給力はどのくらいあるのか。また、ウラン濃縮のマーケットの状況がどのようになっているのか。2020年まで1050tSWU/年規模で続けるとのことだが、それを維持するのは難しいのではないか。
    (日本原燃株式会社)全世界の状況については現在手元にデータがない。現在は一部の遠心分離機が休止しており、900tSWU/年だが、寿命を考えると今後減少していくと考えられる。しかし、10年後には新しい遠心分離機を導入するので、生産能力はリカバーしていくものと思われる。
  • アメリカにおいてはガス拡散は約1万tSWU/年の供給能力があり、これをレーザー濃縮に切り替えようとしたが上手くいかなかった。今後、世界的な供給過剰が崩れていく可能性がある。よって、日本国内の濃縮体制については先見性を持って対策を考え、対処していかなければならない。
    (日本原燃株式会社)その点に関しては、私たちのこれからの開発の仕方にかかっていると思っており、やり遂げるつもりでいる。しかし、急いで開発を行い信頼性が低いものを導入し、長期的にマーケットで不利益を受けるのであれば、当面は少し時間を頂き長期的に見て有利なものを作りたい。
  • 世界情勢をにらみながら考えることが重要である。また、核燃料サイクルの自己完結を目指す上でも我が国におけるウラン濃縮の供給力を確保することが重要である。
  • ウラン濃縮は核燃料サイクルの重要な部分である。若干計画が送れたのは遺憾であるが、経済性に立脚した濃縮事業が着実に進展していくよう、期待している。
等の委員の意見及び質疑応答があった。

(2)議事録の確認
 事務局作成の資料2第61回原子力委員会会議議事録(案)が了承された。
 なお、事務局より、次回は10月13日(金)に臨時会議を10:30より開催する方向で調整したい旨、発言があった。